2021年09月
「欧州海域戦」カウンターシート到着しました
「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)のカウンターシートが到着しました。
英仏独伊蘇の欧州主要5ヶ国の艦艇がユニット化されています。さらに汎用の輸送船ユニット、「ソロモン夜襲戦」の追加ユニットやエラッタが加わっており、カウンターの総数は1シートで264個です。
「欧州海域戦」自体の準備も着々と進行しており、 秋のゲームマーケット には間に合う予定です。
ご期待下さい。
書籍紹介「悪の秘密結社ネコ」
悪の秘密結社ネコ
ぱんだにあ イースト・プレス
猫総帥(表紙の真ん中の灰色猫)が人間世界を支配すべく様々な悪事を働く物語。なのだが、4コマ漫画で繰り広げられる猫たちの暗躍がとにかくカワイイ。壮大な野望を抱く猫総帥と、そこで繰り広げられる低レベルの作戦(例えば世界支配を目論む組織が幼稚園バスを襲撃するようなもの)とのギャップが面白い。ほっこりとした気分になれる作品である。お奨め度★★★
「天下強奪」(CMJ#78)をプレイする【1】
「天下強奪」(以下、本作)は、国際通信社が2008年(今から13年前!!)に発表したシミュレーションゲームだ。テーマは関ヶ原の戦いで。慶長5年(西暦1600年)に戦われた天下分け目の関ヶ原の戦いを作戦クラスで再現する。
マップは関ヶ原地域だけではなく、その周辺のかなり広い地域を含んでおり、マップ東端は岡崎城、マップ西端は丹後田辺城で、関ヶ原はもちろん、伊勢鳥羽城、佐和山城、敦賀城、伏見城、大坂城、岸和田城などを含んでいる。1Turnは実際の6~8時間、1ユニットは500~30,000規模の部隊を表す(30,000人は徳川家康本隊か・・・)。
基本システムはシンプルで、所謂"NAW"システムと呼ばれるもの。余談だが、Googleで"NAW システム"と入力すると、ウォーゲーム関係のサイトにヒットする。が、"NAW System"と入力しても、ウォーゲーム関係のサイトにはヒットしなかった。
閑話休題。NAWシステムは、移動と戦闘の繰り返しで、戦闘は所謂Must Attack。敵のZOCに入るとその場で移動終了となり、戦闘結果以外ではZOCから離脱できない。従って敵ZOCに入る際には慎重を有する。また本作では移動終了時点でのスタック禁止なので、スタックを調べる手間が省けてプレイアビリティは高い。ただし、実際の部隊密度から考えると、スタック禁止はやや厳しすぎるよう。本作で史実で起こったような「関ヶ原盆地での大兵力同士の激突」を再現するのはやや困難である。
なお本作ではNAWシステムに捻りを加えてあり、例えば福島正則や立花宗茂のような猛将タイプは、移動力が赤文字で表示されており、敵ZOCに進入してもさらに1Hexだけ余分に移動できる(勿論移動力が残っていなければならない)。また移動力や戦闘力が白文字のユニットは、移動や戦闘後前進に制約が加わる。
さらに本作を特徴づけているのが指揮統制ルールで両軍はユニットを移動させるためには一定量の指揮ポイントを消費しなければならない。指揮ポイントの総量は東軍は3~4、西軍は2~6である。また消費する指揮ポイントの量は、1ユニット1ポイントが基本だが、指揮官の指揮範囲内にいるユニットは0.5ポイントで済む。ちなみに指揮官は東軍の本多忠勝と徳川家康、そして西軍は豊臣秀頼である。豊臣秀頼が登場しない間は西軍は指揮官なしでなる。
関ヶ原といえば裏切りだが、本作の裏切りルールは独特で、一部を除いて基本的に両軍のユニットは裏向き(アントライド)状態で配置されている。そして敵に接敵したら表向きになるのだが、その時小早川秀秋や長宗我部盛親、鍋島勝茂だったら、即座に裏切る。従って本作には所謂「調略」ルールはない。
小早川秀秋は確実に裏切る。ただしその裏切りがどこで発生するかはわからない。
これが本作の裏切りに関するコンセプトだ。またこのルールにより本作はソロプレイを無理なくプレイできる作品となった。そしてソロプレイがまた面白い。
豊臣秀頼については、原則「秀頼出陣」が発生するかどうかは運次第だ。7枚ある「出陣要請」チットのうち、1枚だけが本物の「秀頼出陣」マーカーである。ゲーム開始時点で「出陣要請」マーカーのうち1枚がターントラック第19Turnの欄に置かれる。さらに西軍が有利な盤面を作ることができると、最大で3枚の「出陣要請」マーカーを追加でターントラックに配置できる。従って「出陣要請」マーカーは1~4枚がターントラックに配置することになる。
該当するTurnになると、「出陣要請」マーカーを表に向ける。本物の「秀頼出陣」の場合は、豊臣秀頼出陣が発生する。従って「秀頼出陣」が発生する確率は1/7~4/7の間である。さらに徳川家康が戦闘の結果「後退」を余儀なくされた場合、西軍は「秀頼出陣」を選択できる。
「秀頼出陣」が発生した場合、西軍の指揮ポイントが+2される他、指揮官として豊臣秀頼が使えるようになる。さらに日和見武将(小早川秀秋、福島正則等)が一斉に西軍に寝返る。ただし勝利条件は西軍にとって厳しいものになる。従って単にゲームの勝敗だけを考えれば、「秀頼出陣」は必ずしも西軍に有利とは限らない。
今回、本作をVASSALでソロプレイしてみた。
伊勢方面では東軍福島高晴(2-5)が九鬼嘉隆(1-4)が守る鳥羽城を攻める。も、出目に恵まれずARの結果で撃退されてしまう。
東軍福島高晴は再び鳥羽城を攻撃。今度は2-1攻撃が奏功し、城郭に1打撃を与えた。
濃尾平野で東軍が動いた。福島正則(3-8)が織田秀信(1-4)の守る岐阜城を攻撃。1-1の戦闘比であったが、見事にDRを出して耐久力を低下した。しかし稲葉典通(1-4)が守る犬山城を藤堂高虎(2-7)が攻めたが、出目悪くARで攻撃が失敗に終わってしまう。
伊勢方面では福島高晴が鳥羽城を攻撃し、遂に耐久力を0にした。陥落は時間の問題となる。
伊勢方面では安濃津に到着した毛利秀元(5-5)と毛利勝信(1-4)が安濃津城を守る得永寿昌(1-5)を攻撃。耐久力を1まで減らした。
鳥羽城ではなおも戦いが続いている。東軍福島高晴の攻撃で一度は鳥羽城を退いた九鬼嘉隆であったが、2-1攻撃に対して起死回生のARを出させて(ダイスを振るのは東軍なので・・・)、鳥羽城を奪回した。
濃尾平野では東軍の猛攻が続いている。
木曽川を渡河した浅野幸長(3-6)が福島正則の共同で岐阜城を攻撃。耐久力を残り1とした。先に攻撃に失敗した犬山城に対して、今度は松平忠吉(2-5)と生駒一正(2-5)が攻撃。今度は攻撃に成功し、耐久力を残り1まで下げた。
ただし鳥羽城ではなおも九鬼嘉隆が頑張っている。
東軍は揖斐川防衛ラインに猛然と襲い掛かる。大垣城を守る西軍毛利高政(0-0)は戦わずして退散。しかしその両翼を守る大谷吉継(2-7)と石田三成(3-6)が奮戦し、東軍を撃退した。
そしてこのTurn、安濃津城が陥落した。
関ヶ原主戦線では加藤嘉明(3-6)が得意の突破力を使って西軍戦線を突破し、背後に回り込む。小西行長に対して3-1の包囲攻撃。必勝の構えだったはずが、出目が最悪の6.結果はARで加藤嘉明は戦線背後に取り残されてしまう。
つづく
激闘関ヶ原
論争関ヶ原合戦
関ヶ原合戦の真実
関ヶ原-司馬遼太郎(上中下)
マップは関ヶ原地域だけではなく、その周辺のかなり広い地域を含んでおり、マップ東端は岡崎城、マップ西端は丹後田辺城で、関ヶ原はもちろん、伊勢鳥羽城、佐和山城、敦賀城、伏見城、大坂城、岸和田城などを含んでいる。1Turnは実際の6~8時間、1ユニットは500~30,000規模の部隊を表す(30,000人は徳川家康本隊か・・・)。
基本システムはシンプルで、所謂"NAW"システムと呼ばれるもの。余談だが、Googleで"NAW システム"と入力すると、ウォーゲーム関係のサイトにヒットする。が、"NAW System"と入力しても、ウォーゲーム関係のサイトにはヒットしなかった。
閑話休題。NAWシステムは、移動と戦闘の繰り返しで、戦闘は所謂Must Attack。敵のZOCに入るとその場で移動終了となり、戦闘結果以外ではZOCから離脱できない。従って敵ZOCに入る際には慎重を有する。また本作では移動終了時点でのスタック禁止なので、スタックを調べる手間が省けてプレイアビリティは高い。ただし、実際の部隊密度から考えると、スタック禁止はやや厳しすぎるよう。本作で史実で起こったような「関ヶ原盆地での大兵力同士の激突」を再現するのはやや困難である。
なお本作ではNAWシステムに捻りを加えてあり、例えば福島正則や立花宗茂のような猛将タイプは、移動力が赤文字で表示されており、敵ZOCに進入してもさらに1Hexだけ余分に移動できる(勿論移動力が残っていなければならない)。また移動力や戦闘力が白文字のユニットは、移動や戦闘後前進に制約が加わる。
さらに本作を特徴づけているのが指揮統制ルールで両軍はユニットを移動させるためには一定量の指揮ポイントを消費しなければならない。指揮ポイントの総量は東軍は3~4、西軍は2~6である。また消費する指揮ポイントの量は、1ユニット1ポイントが基本だが、指揮官の指揮範囲内にいるユニットは0.5ポイントで済む。ちなみに指揮官は東軍の本多忠勝と徳川家康、そして西軍は豊臣秀頼である。豊臣秀頼が登場しない間は西軍は指揮官なしでなる。
関ヶ原といえば裏切りだが、本作の裏切りルールは独特で、一部を除いて基本的に両軍のユニットは裏向き(アントライド)状態で配置されている。そして敵に接敵したら表向きになるのだが、その時小早川秀秋や長宗我部盛親、鍋島勝茂だったら、即座に裏切る。従って本作には所謂「調略」ルールはない。
小早川秀秋は確実に裏切る。ただしその裏切りがどこで発生するかはわからない。
これが本作の裏切りに関するコンセプトだ。またこのルールにより本作はソロプレイを無理なくプレイできる作品となった。そしてソロプレイがまた面白い。
豊臣秀頼については、原則「秀頼出陣」が発生するかどうかは運次第だ。7枚ある「出陣要請」チットのうち、1枚だけが本物の「秀頼出陣」マーカーである。ゲーム開始時点で「出陣要請」マーカーのうち1枚がターントラック第19Turnの欄に置かれる。さらに西軍が有利な盤面を作ることができると、最大で3枚の「出陣要請」マーカーを追加でターントラックに配置できる。従って「出陣要請」マーカーは1~4枚がターントラックに配置することになる。
該当するTurnになると、「出陣要請」マーカーを表に向ける。本物の「秀頼出陣」の場合は、豊臣秀頼出陣が発生する。従って「秀頼出陣」が発生する確率は1/7~4/7の間である。さらに徳川家康が戦闘の結果「後退」を余儀なくされた場合、西軍は「秀頼出陣」を選択できる。
「秀頼出陣」が発生した場合、西軍の指揮ポイントが+2される他、指揮官として豊臣秀頼が使えるようになる。さらに日和見武将(小早川秀秋、福島正則等)が一斉に西軍に寝返る。ただし勝利条件は西軍にとって厳しいものになる。従って単にゲームの勝敗だけを考えれば、「秀頼出陣」は必ずしも西軍に有利とは限らない。
今回、本作をVASSALでソロプレイしてみた。
1Turn
西軍はまず田辺城を攻撃する。しかし、その時早くも裏切り者が。西軍竹中重門(1-4,戦闘力-移動力、以下同じ)が反旗を翻したのである。西軍宗義智(1-4)が竹中重門を攻撃したものの、険しい地形に阻まれて撃退される(AR)。また田辺城を攻撃した小出秀政(1-4)も細川幽斎(1-4)の反撃に阻まれた(AR)。2Turn
西軍はなおも田辺城を激しく攻める。主将の小野木重勝(1-5)を初め、小出秀政、丸毛兼利(1-5)、氏家行広(1-4)らが攻撃する。一連の攻撃で田辺城の耐久力は4から3に低下した。伊勢方面では東軍福島高晴(2-5)が九鬼嘉隆(1-4)が守る鳥羽城を攻める。も、出目に恵まれずARの結果で撃退されてしまう。
3Turn
西軍の田辺城攻撃部隊が三度田辺城を攻撃するも、出目が悪く失敗に終わってしまう。東軍福島高晴は再び鳥羽城を攻撃。今度は2-1攻撃が奏功し、城郭に1打撃を与えた。
4Turn
西軍の田辺城攻撃。今回は成功し、田辺城の耐久力が2に低下した。濃尾平野で東軍が動いた。福島正則(3-8)が織田秀信(1-4)の守る岐阜城を攻撃。1-1の戦闘比であったが、見事にDRを出して耐久力を低下した。しかし稲葉典通(1-4)が守る犬山城を藤堂高虎(2-7)が攻めたが、出目悪くARで攻撃が失敗に終わってしまう。
伊勢方面では福島高晴が鳥羽城を攻撃し、遂に耐久力を0にした。陥落は時間の問題となる。
5Turn
西軍の田辺城攻撃はまたもや失敗。田辺城は耐久力2のまま耐えている。伊勢方面では安濃津に到着した毛利秀元(5-5)と毛利勝信(1-4)が安濃津城を守る得永寿昌(1-5)を攻撃。耐久力を1まで減らした。
鳥羽城ではなおも戦いが続いている。東軍福島高晴の攻撃で一度は鳥羽城を退いた九鬼嘉隆であったが、2-1攻撃に対して起死回生のARを出させて(ダイスを振るのは東軍なので・・・)、鳥羽城を奪回した。
濃尾平野では東軍の猛攻が続いている。
木曽川を渡河した浅野幸長(3-6)が福島正則の共同で岐阜城を攻撃。耐久力を残り1とした。先に攻撃に失敗した犬山城に対して、今度は松平忠吉(2-5)と生駒一正(2-5)が攻撃。今度は攻撃に成功し、耐久力を残り1まで下げた。
6Turn
徳川家康登場。このTurnから東軍の動きがいきなり活発になる。濃尾平野各地で東軍が猛攻。岐阜城が陥落し織田秀信は討死(あるいは高野山で蟄居??)。犬山城、竹ヶ鼻城も耐久力が0になり、落城は時間の問題となる。ただし鳥羽城ではなおも九鬼嘉隆が頑張っている。
7Turn
このTurn、西軍は大きな損害を被った。犬山、竹ヶ鼻が相次いで陥落し、それらを守っていた稲葉典通、滝川雄利(2-5)が相次いで討死してしまう。高須城を守っていた山崎家盛(0-0)は戦わずして降伏。これまで奮戦していた伊勢方面の九鬼嘉隆も遂に討死してしまう。8Turn
西軍の命令値は3まで低下してしまう。取り敢えず濃尾平野の戦線を整理するため、敵中に突出していた島津義弘(4-5)、小西行長(3-5)を後退させる。大垣城を軸に揖斐川の線を防衛ラインとする構えだ。東軍は揖斐川防衛ラインに猛然と襲い掛かる。大垣城を守る西軍毛利高政(0-0)は戦わずして退散。しかしその両翼を守る大谷吉継(2-7)と石田三成(3-6)が奮戦し、東軍を撃退した。
そしてこのTurn、安濃津城が陥落した。
9Turn
このTurn、大津城と京極高次(1-6)が東軍側の増援として登場する。いきなり背後に敵が表れて狼狽する西軍。大津城近くに布陣していた西軍長宗我部盛親(2-5)は、この状況を見て反旗を翻して東軍側に寝返った。西軍は背後に新たな敵を作ってしまう。関ヶ原主戦線では加藤嘉明(3-6)が得意の突破力を使って西軍戦線を突破し、背後に回り込む。小西行長に対して3-1の包囲攻撃。必勝の構えだったはずが、出目が最悪の6.結果はARで加藤嘉明は戦線背後に取り残されてしまう。
つづく
激闘関ヶ原
論争関ヶ原合戦
関ヶ原合戦の真実
関ヶ原-司馬遼太郎(上中下)