もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2022年03月

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220127_HowCarrierFight

How Carrier Fought

Lars Celander CASEMATE

既に一度紹介済の書籍 である。今回再読してみたが、やはり面白い。
今回は前回紹介しなかった点について少し触れてみる。
一つは空母艦載機の航法問題だ。我々の常識では、WW2期において専用のナビゲーターを持たない単座機は、単独の洋上飛行が困難となっている。これは決して間違った認識ではない。事実、日本の零戦隊は洋上飛行時には艦攻等の誘導機を必要としたし、英海軍でも航法問題に対応するために空戦性能で不利になることを忍んでフルマーやファイアフライといった複座の艦上戦闘機を採用している。日本海軍の複座以上の機体は、パイロットと航法士が別人物で、航法士が航法計算を担当していた。
ところが、である。米海軍の艦載機は、単座機のみならず複座以上の機体にも専用の航法士は搭乗していない。例えばドーントレスやヘルダイバーの後席は、無線と銃座を担当している。三座のアヴェンジャーもまたしかりで、専用の航法士は搭乗していない。米海軍の艦載機は、単座機だけではなく複座以上の機体でもパイロット自身が航法を担当する。だからスカイレーダーはアヴェンジャーを上回る大型艦攻ながら、何の問題もなく単座化できたのだ。
何故、米海軍の艦載機でこのような「芸当」が実現できたのか。その鍵はDalton氏が開発したE-6B Flight Computerと呼ばれる簡易航法装置だ。E-6B Flight ComputerがどのようなシステムかはWikipediaにも出ているので、参照して欲しい。とにかくこのシステムのおかげで米海軍では単座機の単独飛行が何ら困難なく実施できた。かつてFlatTopというゲームで我々を怒らせた「零戦索敵問題」についても、彼らの常識からすれば左程荒唐無稽な話でもないかも知れない。
そんなこんなで空母戦好きには絶対楽しめるこの本。洋書だということで敬遠せず、是非多くの人に読んで頂きたい1冊である。

お奨め度★★★★★

SPac42_20

現在、鋭意作成の 海空戦!南太平洋1942 第2版ですが、それに合わせて要望の多かった「簡易水上戦ルール」を準備中です。
今回は、現在構想中の簡易水上戦ルールの内容と、そのテストの状況を紹介します。

簡易水上戦ルールの概要

簡易水上戦ルールのルールを説明する前に、簡易水上戦ルールの発表方法についてです。
現時点では、第2版本体には簡易水上戦ルールを同梱せず、別途公開予定の「海空戦スターターキット」の中に収録することを考えています。「海空戦スターターキット」自体は「第2版」を購入した方が自由にダウンロードできるようにしますので、「第2版」を購入頂ければ簡易水上戦ルールが利用できるようになります。
さらに言えば、簡易水上戦ルールに必要な諸表は、「海空戦スターターキット」の巻末にまとめて収録される予定です。

巻末


それではルールの概要説明に移ります。
簡易水上戦は以下の手順で進めます。

(1)参加TF決定ステップ
(2)主導権決定ステップ
(3)戦闘前撤退ステップ
(4)戦闘距離決定ステップ
(5)後方配置ステップ
(6)第1砲撃ステップ
(7)雷撃部隊編成ステップ
(8)第2砲撃ステップ
(9)雷撃ステップ

ここで重要なのは、(2)の主導権決定ステップです。ここで主導権を得ると、砲雷撃が相手よりも先に実施できる上、主導権レベルによっては戦闘距離も選択できるようになります(どの道、夜戦では戦闘距離は「短距離」だけですが・・・)。

それではそれぞれの手順がどのように進められるかを、実際のプレイを使ってみていきます。

ガダルカナル沖夜戦

JP_BB4a日本側で「第3次ソロモン海戦第2夜戦」と言われる戦いをテスト対象に選んだ。ご存知の通り、史実では日米の戦艦同士が戦い、日本側戦艦「霧島」が沈没、米戦艦「サウスダコタ」が損傷した。この戦いを簡易水上戦ルールを使って再現してみたい。両軍の米力は以下の通りだ。なお便宜上ヘクスマップに並べてあるが、ヘクスマップは特に関係ない。またスタックしている駆逐艦の隻数は、日本軍が9隻、連合軍が4隻である。

Step1


まずは主導権決定である。巻末の「水上戦主導権決定表」を参照する。次に日米両艦隊の速力を比較する。日本側が3.5、連合軍側が3.0である。従って「水上戦主導権決定表」で"+0.5"を欄を使用する。
次にDRMである。1942年10月以降の夜戦なので-1。米戦艦が対水上レーダーを装備しているので+1。トータルで修正なしとなる。
ダイスを振って出目は"3"であった。結果は"J1"。日本側がレベル1の主導権を獲得した。なおレベル1以上の主導権を獲得した場合、戦闘前撤退が選択できる。ここでは日本軍は戦闘前撤退を宣言しなかった。

水上戦主導権決定表


(3)~(6)のステップは特にやることなしで(夜戦の場合、戦闘距離は短距離で固定)、(7)砲撃ステップに入る。砲撃ステップでは、主導権側、非主導権側がそれぞれ砲撃を行い、その結果を適用する。主導権側が先に撃って結果を適用できるので、主導権を持っているとかなり有利である。特に夜間の接近戦では命中率が高く、先制攻撃の利点は大きい。

砲撃判定表


US_BB56aまずは主導権を取った日本艦隊から砲撃を開始する。「霧島」が強敵「サウスダコタ」を撃ったが、外れ。巡洋艦4隻で「ワシントン」を狙う。物理的な損害は与えられなかったものの、「衝撃」の結果で一時的に戦闘不能にした。他に駆逐艦1隻沈没、1隻中破。

米艦隊の反撃、「サウスダコタ」の砲撃が「霧島」に命中。「霧島」は一撃で中破。しかも「衝撃」で一時的に戦闘不能にした。
第1砲撃ステップ終了時の状況は以下のようになっている。

Step2


第2砲撃ステップの前に雷撃部隊編成を行う。日本軍は駆逐艦8隻で雷撃部隊を編成する。米軍は駆逐艦2隻で雷撃部隊を編成する。
そして第2砲撃ステップ。先ほどと同様に日本軍から射撃を開始する。重巡2隻で「ワシントン」を砲撃。命中弾を得たものの「ワシントン」の重装甲はこれをはじき返す。他には雷撃部隊の駆逐艦1隻に「衝撃」の結果を与えて雷撃不能とした。
米艦隊の砲撃は「サウスダコタ」が再び「霧島」を砲撃してこれを撃沈した。復活した「ワシントン」は重巡「愛宕」を狙って一撃でこれを大破。しかし米戦艦の副砲群は突撃してくる駆逐艦を狙ったものの外れである。
第2砲撃ステップ終了時の状況は以下の通り

Step3


JP_DD6aいよいよ雷撃である。駆逐艦8隻の突撃。その戦果や如何。と、その前に雷撃を実施できる艦数を決定する必要がある。雷撃数決定表でダイスを振る。この時、雷撃部隊と目標部隊の速力差がDRMになる。雷撃部隊の速力が4.0、目標の速力が3.0なので、DRM+1となる。なお、この時の速力とは、雷撃部隊の場合は雷撃部隊編成時、目標は戦闘開始時の速度を基準とすることに注意されたい。

雷撃数決定表


出目は"9"で修正後は"10"。日本軍にとって最良の結果で"12"。つまり最大12隻が雷撃に参加できる。今回雷撃部隊は8隻なので、8隻全てが雷撃を実施できる。
2隻の戦艦目がけて必殺の魚雷を放つ。4隻ずつで戦艦1隻ずつを狙う。戦闘比は5-1。一撃撃沈は難しいかもしれないが、上手くいけば大破ぐらいは狙えそうだ。強力な酸素魚雷搭載艦は装甲のやや弱い「ワシントン」を狙う。
結果は「ワシントン」1Hit、「サウスダコタ」2Hit。2隻の戦艦にダメージを与えたので良しとすべきか。なお、米駆逐艦の雷撃は外れた。
雷撃ステップ終了時の状況は以下の通り

Step4


最終結果は以下の通りである。

日本軍の損害

沈没:戦艦「霧島」
大破:重巡「愛宕」

連合軍の損害

沈没:駆逐艦1隻
中破:駆逐艦1隻
小破:戦艦「サウスダコタ」「ワシントン」

感想

やや地味な感じもあるが、まあ良いのではないだろうか。今回は日本軍が主導権を得たのでこのような結果になったが、逆に連合軍が主導権を得ていれば、米戦艦の火力がモノを言ってもっと一方的な展開になっていた可能性もある。そのあたりもテストしてみたい。

つづく

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220122_日本学術会議

日本学術会議の研究

白川司 ワック株式会社

2020年10月、コロナ禍の日本。当時の菅義偉首相が日本学術会議の会員任命で、同組織に推薦された105名のうち6名について任命に拒否したことがマスコミによって大きく取り上げれた。所謂「日本学術会議問題」である。それまで殆ど注目されていなかった日本学術会議という組織が大きくクローズアップされることになった。
本書は、日本学術会議という組織について、同組織に対して批判的な視点から記した著作である。本書によれば日本学術会議は左派系学者の巣窟であり、国家の税金が投じられているにも関わらず国益に資することは殆ど行っていないという。さらに言えば、日本を苦しめている慰安婦問題や徴用工問題について韓国側の主張に則った研究を行うなど、むしろ国益を損なう活動ばかりしている。さらには自衛隊のための研究は「軍事研究は行わない」という美名の下に執拗に妨害しておきながら、中国の「千人計画」には積極的に参加し、人民解放軍の軍事技術向上に貢献しているというのだから、一体どこの国の人間なのか、と言いたい。このように我々の常識からは余りにかけ離れた「日本学術会議」なる組織がどのような歴史を辿り現在に至ったのか、さらにその活動が如何に日本国や日本国民にとって「有害」であるかを筆者の主張を交えながら記している。
私は本件については門外漢なので、筆者の主張がどこまで正しいのかは検証できていない。しかし以下の筆者の主張については私も大いに同意する所である。またこの「日本学術会議」なる怪しげな「赤い貴族」達の実態を世に知らしめたという点において、菅義偉内閣の功績は大きい。余談だが、比較的短命に終わった菅義偉内閣だが、コロナ対策、東京五輪開催等、その成果は決して小さくないと私は考える。
「「学問の自由」を叫びながら国家の軍事研究を邪魔する一方で中国とは進んで共同研究をいとわず、人民解放軍とつながる研究機関で良心の呵責もなく働ける学者など日本にとって不要である」
「日本学術会議が国益に役に立つなら残せばいいし、改革して役立てられるなら改革すれば良いし、役に立たないなら廃止すればよい」
「財務的には甘やかされた組織であって、その上さらに反政府的提言まで許されているというのは、どう考えてもおかしなことである」
「共産党の牙城そのままであれば国費を投入すべきではない」

お奨め度★★★★★

タイトル通りですが、自作ゲーム 「海空戦!南太平洋1942」 の紹介動画を作成しました。

こんな感じです。



前々回の「戦術戦闘(1)」前回の「戦術戦闘(2)」 に引き続き、戦術戦闘第3弾です。

今回は、戦術水上戦闘のルール紹介ということで、戦術シナリオT7「ガダルカナル夜戦」を使用し、戦術水上戦闘を紹介します。

次回作は未定ですが、自作ゲームを離れ、市販ゲームの紹介にチャレンジしたいと思います。
予定では、1~3週間後の水曜日20時に公開を予定しています。

今後ともよろしくお願いいたします。

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220121_コミュニケーション技術

コミュニケーション技術-実用的文章の書き方

篠田義明 中公新書

日本語の実用的な文章の書き方について記された書籍である。本書の初版発行が1986年だから今から36年前になる。しかし内容に古さは感じない。
本書は単語の選び方から始まり、文の作り方、パラグラフの作り方、そして複数のパラグラフをつなげる方法について記載されている。
日本語の文章を書く際に注意したいことが豊富に記載されており有益な著作だが、この通り日本語文章を書け、と言われても自信はない。

お奨め度★★★★

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