2022年07月
BCS Arracourt(MMP)の対人戦
BCS(Battalion Combat Series)とは、WW2における陸上戦闘を大隊規模で再現するシミュレーション・ウォーゲームのシリーズである。BCSの概要については、
こちらの記事
を参照されたい。
今回は、BCSシリーズの1作「Arracourt」のキャンペーンシナリオに挑戦してみた。これは、1944年9月にフランス・ロレーヌ地方のアラクール周辺で戦われた米軍とドイツ軍との戦いを描いたシナリオである。米軍の主力は第4機甲師団で、パンター戦車を主力とするドイツ2個機甲旅団を撃破したとのこと。
今回。私は米軍を担当する。
米軍は第79歩兵師団、第6機甲師団の一部、第106騎兵グループ等が増援として登場する。
米軍も主力である第4機甲師団が反撃を実施。ドイツ軍の装甲部隊と激しい戦いを交える。
勝利条件的には引き分けであったが、反省点の多い戦いであった。
まず米軍全般の運用。全般的に退嬰的過ぎた。砲兵火力や補充能力で米軍が勝っているので、もっと積極的に攻撃すべきであった。ゲームシステムの特性上、攻撃側が有利なシステムなので、全般的には守りに入っていても、局地的には攻勢に出てドイツ軍に出血を強いるのが正解であった。
また拠点守備に戦車を用いたのも失敗だった。拠点は戦車の支援を得た歩兵で守った方が粘れたようにも思う。戦車はあくまでも反撃用とし、攻撃でドイツ軍を叩くべきであった。
BCSはルールが多い上、ルールの書き方はあまり上手ではないので、読んでもわかりにくい。何度かプレイしてようやくルールの一端が理解できるのだが、それでも全ルールを使いこなすのは難しい。今回もいくつかルールミスがあったので、再戦して今度こそ完璧なルールでプレイしてみたいと思う。
今回は、BCSシリーズの1作「Arracourt」のキャンペーンシナリオに挑戦してみた。これは、1944年9月にフランス・ロレーヌ地方のアラクール周辺で戦われた米軍とドイツ軍との戦いを描いたシナリオである。米軍の主力は第4機甲師団で、パンター戦車を主力とするドイツ2個機甲旅団を撃破したとのこと。
今回。私は米軍を担当する。
1Turn(1944年9月18日)
ドイツ軍に積極的な動きなし。米軍も一部の部隊を再配置したのみである。2Turn(1944年9月19日)
ドイツ軍の第21装甲師団がマップの南部から侵入してきた。目指すのは南部の要域ルネヴィル(Luneville 34.09)である。ルネヴィルの前面には米第2騎兵グループが散開配備で布陣していたが、ドイツ軍の戦車が偵察中隊に襲いかかり、その一部を撃破した。米軍は第79歩兵師団、第6機甲師団の一部、第106騎兵グループ等が増援として登場する。
3Turn(1944年9月20日)
戦場に雨が降った。両軍とも動きが止まる。その間、米軍は第6機甲師団の戦車大隊をルネヴィルに入れて守りを固める。4Turn(1944年9月21日)
再び戦場に雨が降った。ドイツ軍はこれまで温存していた2個装甲旅団(第111装甲旅団、第113装甲旅団)を戦場に投入してきた。さらに第15装甲擲弾兵旅団も戦場に登場してくる。米軍も主力である第4機甲師団が反撃を実施。ドイツ軍の装甲部隊と激しい戦いを交える。
5Turn(1944年9月22日)
天候は晴れ渡った。心強い航空兵力の支援がつく。しかしドイツ軍も装甲旅団2個でルネヴィルに激しい攻撃を加える。米軍の第2騎兵グループは大損害を被り、第6機甲師団も苦戦を強いられている。6Turn(1944年9月23日)
またもや雨が降った。ドイツ装甲旅団の猛攻を受けて遂にルネヴィルが陥落してしまう。米軍はムルト川(Meurthe)対岸に後退し、ルネヴィル奪回を狙う。ドイツ軍の背後から自由フランス軍第2機甲師団が反撃を行い、ドイツ第21装甲師団の背後を伺う。 米軍は第111PzBde。南で21PzDと79InfD、フランス軍師団の戦い。フランス軍の攻撃で88mm砲撃破。7Turn(1944年9月24日)
ドイツ軍に新たな増援部隊が登場する。第11装甲師団。歴戦の部隊だ。マップ東端から進入してきた第11装甲師団は、真っすぐ西へ向けて進撃する。その前面に立ちはだかるのは米第4機甲師団である。8Turn(1944年9月25日)
アラクール前面でドイツ軍第11装甲師団が猛攻撃を加えてくる。さらにドイツ軍の別部隊(第559国民擲弾兵師団)がマップ北端より登場してくる。強力な米第4機甲師団であったが、さすがに相手が2個師団だと分が悪い。北方の要域シャトー・サリー(Chateau-Salins 4.10)が陥落し、米第4機甲師団のB戦闘団は西へ後退した。感想
時間の関係でここでお開きとした。所要時間はセットアップと途中の食事を含めて約9時間。1Turnの平均所要時間は約1時間である。ルールが複雑な割には比較的サクサク進んだともいえよう。勝利条件的には引き分けであったが、反省点の多い戦いであった。
まず米軍全般の運用。全般的に退嬰的過ぎた。砲兵火力や補充能力で米軍が勝っているので、もっと積極的に攻撃すべきであった。ゲームシステムの特性上、攻撃側が有利なシステムなので、全般的には守りに入っていても、局地的には攻勢に出てドイツ軍に出血を強いるのが正解であった。
また拠点守備に戦車を用いたのも失敗だった。拠点は戦車の支援を得た歩兵で守った方が粘れたようにも思う。戦車はあくまでも反撃用とし、攻撃でドイツ軍を叩くべきであった。
BCSはルールが多い上、ルールの書き方はあまり上手ではないので、読んでもわかりにくい。何度かプレイしてようやくルールの一端が理解できるのだが、それでも全ルールを使いこなすのは難しい。今回もいくつかルールミスがあったので、再戦して今度こそ完璧なルールでプレイしてみたいと思う。
書籍紹介「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」
世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
津川友介 東洋経済新報社
本書は健康に良い食事、その逆の食事について忖度なく書かれた著作である。結構ストイックな内容になっており、極端な話「生野菜と果物と魚とナッツと玄米」で毎食済ませなければならなくなる。漬物や味噌汁はダメ。赤みの肉や加工肉は論外。とはいえ、現実問題としてそんな極端な食生活を過ごせるはずもなく、また過ごす必要もないだろう。本書は一種のガイドラインとして読めば良い本であり、そういった意味では食事と健康について極めて有益な示唆を与えてくれる著作といえる。
お奨め度★★★★
世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療
リンク
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井原温泉
皆生温泉に1泊したく
翌朝。温泉でバイキングを堪能した後、奥出雲に向けて出発する。米子を離れる前にもう1度米子医療センターに立ち寄り、写真を撮る。土曜日なので外来患者の姿はなく、病院の周囲は閑散としていた。入院中は土日と言ってもあまり実感はなかったが(リハビリがないのと、スタッフの人数が心持ち少な目なぐらい)、外の世界はやはり違う。
今日向かうのは、奥出雲の秘湯「井原温泉」。カーナビの表示だと米子からの所要時間2.5時間となっていたが、実際にかかったのは2時間弱であった。新緑の美しい山陰地方で交通量の少ない道路を車で走るのは実に気持ち良い。
井原温泉は本当に山中の結構凄い所にあった。最後の2kmぐらいは殆どダート道に近い狭い道路を、前から車が来たらどうしよう、とドキドキしながら走ったものである。実際、帰りは対向車と鉢合わせになり、山道をおっかなびっくりバックで戻ったものだった。
温泉と言っても男女別の内湯が各1つ。洗い場もない。内湯の広さは華麗風呂を2回りぐらい大きくした感じ。5人も入れば結構狭く感じるくらいだ。泉質は薄茶色でやや温め。加熱などはしていない様子だ、鉄分も含んでいるようだ。温泉が足元からボコボコと吹き上がってくる感じは他の温泉にはない独特雰囲気。また決して「熱くない」温泉だが、湯上り後は何故かポカポカする不思議な温泉であった。
車がなければとても行ける場所ではなく、辿り着くだけでも結構大変だが、全国でも珍しいタイプの温泉なので、出かけてみても損はないと思う。
お奨め度★★★★
つづく
今日向かうのは、奥出雲の秘湯「井原温泉」。カーナビの表示だと米子からの所要時間2.5時間となっていたが、実際にかかったのは2時間弱であった。新緑の美しい山陰地方で交通量の少ない道路を車で走るのは実に気持ち良い。
井原温泉は本当に山中の結構凄い所にあった。最後の2kmぐらいは殆どダート道に近い狭い道路を、前から車が来たらどうしよう、とドキドキしながら走ったものである。実際、帰りは対向車と鉢合わせになり、山道をおっかなびっくりバックで戻ったものだった。
温泉と言っても男女別の内湯が各1つ。洗い場もない。内湯の広さは華麗風呂を2回りぐらい大きくした感じ。5人も入れば結構狭く感じるくらいだ。泉質は薄茶色でやや温め。加熱などはしていない様子だ、鉄分も含んでいるようだ。温泉が足元からボコボコと吹き上がってくる感じは他の温泉にはない独特雰囲気。また決して「熱くない」温泉だが、湯上り後は何故かポカポカする不思議な温泉であった。
車がなければとても行ける場所ではなく、辿り着くだけでも結構大変だが、全国でも珍しいタイプの温泉なので、出かけてみても損はないと思う。
お奨め度★★★★
つづく
「マッカーサーの帰還」(CMJ別冊)をプレイする
「マッカーサーの帰還」(以下、本作)は、1994年に米国Avalanche Press社から発売されたシミュレーション・ウォーゲームだ。テーマは1944年秋~冬にかけて戦われたレイテ戦で、1Turn=2日、1Hex=約3kmで、1ユニットは中隊~大隊規模で再現する。
本作の基本システムは「チットプル」で、天候によって決められた枚数のチットをカップに入れて、カップから引いたチットで示された陣営が移動、戦闘を行う。一般的なチットプルシステムでは、特定の司令部等が活性化して、その指揮下にあるユニットが行動するというものだが、本作は違う。チットの種類は「Full」「Half」「Choice」「Move」「Attack」等に分かれている。一番強力なチットは「Full」で、麾下の全ユニットが移動、戦闘ができる。また「Move」「Attack」はそれぞれ移動、攻撃が実施可能。「Choice」は移動か戦闘のどちらかを選択して実行可能。「Half」は移動力半分で移動できる、というもの。だからチットの引きによっては1つのユニットが1Turnに2~3回(又はそれ以上の回数)移動、戦闘できる。
その他、艦砲射撃、航空攻撃(日本機による航空攻撃アリ)、上陸作戦、空挺作戦等のルールもあり、オルモック湾に到着する日本船団とそれに対する米軍の航空攻撃もルールに含まれる。
今回、本作をプレイしてみた。選択したシナリオは一番大きなシナリオ5「レイテ・キャンペーン」。私は日本軍を担当した。
1Turn(10/20-21)
レイテ島東岸に米軍4個師団が上陸を敢行してきた。北部タクロバン地区には、米第1騎兵師団、第24歩兵師団の2個師団。南部ダラグ地区には第96歩兵師団、第7歩兵師団がそれぞれ戦車、水陸両用戦車や砲兵部隊などを伴って海岸堡を確保したのである。
不意を突かれた日本軍は海岸で包囲殲滅されそうになったが、辛くも包囲網を脱出し、戦線後方で後退していった。
2Turn(10/22-23)
天候は3。3アクションである。チットは米軍Full、米軍Full、日本軍Full。つまり米軍が2回動いた後、日本軍が1回動くというパターンだ。米軍は主にレイテ平野の平坦地を内陸部に進んでいき、日本軍を南北に分断していく。日本軍は何とかジャングル地帯まで後退し、防衛ラインを構築する。3Turn(10/24-25)
天候3。3アクションだ。チットは米軍Full、米軍Full、米軍Half。つまり米軍が3回連続で移動してきた。米軍はタクロバン~カリガラ街道に進出し、レイテ中央部の山岳地帯と北岸のカリガラ平野の日本軍は分断の危機に陥る。海では日本の特攻機が初めて海上の米艦艇を攻撃した。米駆逐艦「ベンソン」が特攻機の命中により沈没。初めて特攻攻撃で撃沈された米艦艇となった。
4Turn(10/26-27)
実はこの時点でルール適用の勘違いがあった。1つは戦闘前退却ルール。ジャングル戦能力を有するユニットは、戦闘前に戦闘前退却を宣言して戦闘回避の可能性があるという。このルールを適用していれば、日本軍の一部は米軍の攻撃の前に撤退できていたかもしれない。もう1つはチットの運用。日本軍は最低でも2枚のチットをカップに入れることができるのだが、そのルールを忘れていて1枚のチットしか入れなかった。おかげで米軍の一方的な行動をにつながってしまい、日本軍の不利を助長してしまった。そのためこのTurnより日本軍もチットを2枚入れていく。
天候3。3アクションだ。チットは、米軍Full、日本軍Full、日本軍choice。つまり米軍が1回動いた後、日本軍が2回動いたことになる。日本軍チットを2枚入れた効果が早くも表れた感じだ。日本軍は主力部隊を山岳地帯に後退させつつ、最前線に取り残された部隊でレイテ~カリガラへの補給ラインを遮断する。
海上では重巡「ミネアポリス」と駆逐艦「クラックストン」がそれぞれ特攻機の命中を受けて大破。戦線後方に離脱していく。
5Turn(10/28-29)
天候は5アクション。初めてレイテの空は晴れ上がった。チットは、日本軍choice、米軍full、日本軍full、日本軍move、米軍fullである。日本軍が2Turn連続で米軍を上回ることとなる。日本軍は山岳地帯に後退していったので米軍の有力な機甲戦力が威力を発揮できなくなってきた。そのため個々の戦闘では日本軍が米軍に痛打を与える場面が増えてきた。しかしレイテ北部のカリガラ地区では、米軍部隊がカリガラ平野に迫ってきた。その頃、日本軍の増援部隊がオルモックを目指して進んでいたが、オルモック湾に入る手前で米軍機の攻撃を受けた。船団は散開して攻撃を回避。オルモックには向かわずに近くの港湾であるパロンポン(Palompom 2733)に入港した。第30師団、第102師団から選抜された部隊がパロンポンの地を踏んだ後、直ちにカリガラ平野へ向かった。
6Turn(10/30-31)
このTurn、序盤に米軍が2回連続でチットを引いたのでカリガラを占領した。パロンポンから前進してきた日本軍増援部隊は、その先鋒がようやくリモン峠に到達。防衛ラインを敷く。この時点で時間切れでゲーム終了。所要時間はセットアップを含めて約8時間であった。
感想
第6Turnはショートシナリオの終了時点となる。この時点で米軍はカリガラを占領しており、北部地区を扱ったショートシナリオであるシナリオ2「第10軍団の上陸」では米軍の勝利となる。一方、南部地区を扱ったシナリオ3「第24軍団の上陸」では、勝利条件はレイテ島西岸のバイバイ(Baybay 5120)又はレイテ山中のヘクス3718を米軍が占領していれば米軍の勝利となるが、今回は両地とも日本軍が掌握していたので、日本軍の勝利となる。トータルして考えれば今回は痛み分けといった所か・・・。まあ「戦闘前退却ルール」や「チットの枚数」を間違えていなければ、もう少しマシな戦いが出来たと思うので、個人的には上出来だと思っている。
ゲーム自体の感想だが、最初日本軍のステップロス処理が面倒に思えたのだが、プレイしてみるとそれほどでもなかった。また日本軍のダミールールについても、兵力に劣る日本軍にとっては有難いルールであり、ゲーム自体の緊張感も盛り上げる効果があったように思う。チットプルによるシステムは最初はやや面食らったが、実際にプレイしてみるとそれほど違和感はなかった。通常の「IGO-UGO」ルールにちょっと変化を加えたものという感じである。
ただし古いゲームなので、改善して欲しい点はいくつかある。一番改善して欲しいのはセットアップ情報。部隊名しか書いていないので該当するユニットを見つけるのが大変なこと。できれば最近流行りのセットアップシートが欲しい所。それが無理ならせめてユニットのステップ数を併記して欲しい。米軍はとにかく、ステップ毎に別ユニットが用意されている日本軍の場合、どのユニットが「デフォルト」なのか判断に迷う。まあユニット側に「デフィルト」ユニットと「交換用」ユニットを区別できるようなマーキングを入れてくれるというのもありだが・・・。いずれにしても現在の目から見れば、コンポーネントには改善の余地が大いにありそうだ。
まあ色々書いたが、レイテの陸戦を扱った作品自体が珍しいので、そういった意味で本作の意義は大きい。ゲームとしても決してつまらないものではなく、さらに十分にプレイ可能なレベルである。できれば今日のレベルにグレードアップしたコンポーネントで再販して欲しい作品である。