
松岡洋右-悲劇の外交官(上)
豊田穣 新潮文庫
戦時中に艦爆に乗ってソロモン諸島で撃墜され、捕虜になった後帰国した筆者=豊田氏は、戦史モノのフィクション、ノンフィクション作家として知られている。本書は豊田氏が国連脱退、日ソ不可侵条約等で活躍した外交官である松岡洋右について描いたノンフィクション作品である。上下2巻構成の上巻では、松岡の生い立ちから満州時代の働き、そして満州事変を受けて国際連盟で日本の立場を守るために奮闘する姿を描いている。テーマの割にページが多いので、やや余談じみた話でページ数を稼いでいる感があるのが気になる所だ。下巻ではいよいよ松岡が国際舞台で活躍することになるので、楽しみである。
お奨め度★★★

英軍は戦列を整理し、次の総攻撃に備えて部隊を再配置する。後方に取り残されたドイツ軍拠点は掃討され、主力は泥をかき分けて前進する。ドイツ軍はパンター中隊がまたもや機動戦を展開。英軍突撃戦力の主力というべきチャーチルAVRE1個小隊をスクラップに変えた。

この時点で一旦VPを計算してみよう。英軍は敵の撃破で131VP、フォントネ村、テセルの森、ローレ村の支配で130VP、その他で2VPの計263VP。一方のドイツ軍は敵の撃破で107VP、その他で48VPで計155VP。差は108でVPラインは「ドイツ軍の辛勝」である。盤面では英軍が圧倒しているようにも見えるが、VP的にはまだまだ苦しい英軍であった。

夕日が沈み、夜の帳が戦場を覆った。英軍は明らかに攻撃の軸をボウデル川西岸地区のドイツ戦車教導師団戦区に向けている。新たに歩兵1個大隊を投入し、ドイツ戦車教導師団戦区に投入する。戦車を主力とする機甲戦でドイツ軍歩兵を圧迫。遂にマップ南端の補給源に隣接する所まで進出してきた。

夜間Turnである。英軍は増援ポイントを利用して偵察部隊を投入。ドイツ戦車教導師団に止めを刺すべく戦場に投入した。夜間Turnは移動力が2倍になる。そのため英軍部隊は盤の南北を一気に横断し、ボウデル川西岸のドイツ戦車教導師団との最前線に進出した。


これまで本作のプレイ例は何度か紹介したが、殆どの場合、ドイツ軍の圧勝であった。これまでの展開では平地(このゲームでは「畑」と呼称している)から通常攻撃を仕掛けた英軍歩兵がドイツ軍の突撃破砕射撃をまともに受けて壊滅的な打撃を受けて攻撃力損失、という展開だった。そこで今回、英軍は、対歩兵戦闘で通常攻撃ではなく近接戦闘(移動中に行う戦闘)を多用。近接戦闘の場合、攻撃可能なのが1スタックのみになるという欠点があるが、突撃破砕射撃を受けないこと。さらに黄色の攻撃力が参加すると、1ユニット毎に1コラムシフトが得られるというメリットもある。後者については、英軍のチャーチルAVREやクロコダイル火炎放射戦車が黄色攻撃力なので、例えば英軍の機械化歩兵1ユニットとこれら歩兵支援戦車3ユニットで突撃部隊を編制すれば、ドイツ軍の防御拠点を比較的容易に奪取できる。
さらに戦車キラーとして今回のプレイで有効だったのは、英軍の6ポンド対戦車砲。今回、選択ルール19.1「射撃統制」を導入したことに対するカウンターパートとして、19.7「イギリス軍の装弾筒弾」を採用。これによって隣接ヘクスの6ポンド対戦車砲は恐るべき対戦車火器となった。しかも本作での対戦車砲は非常に手強い。仮に輸送中に輸送車両を撃破したとしても、確率2/3で対戦車砲は生き残ってしまう。しかも英軍の6ポンド対戦車砲は数が多いので、まとめて投入してきたらドイツ軍にとっては対抗が困難だ。今回の中盤以降、ドイツ軍の装甲部隊が成す術もなく後退を繰り返したのは、英軍6ポンド対戦車砲の威力に依る所が大きい。












日が変わって6月26日。この日はエプソム作戦の影響によって英軍の支援火力が低下する。ここまで順調に進めてきた英軍にとってはやや水をかけられた感もある。それにしてもこういう細かいルールがチョコチョコ出てくるのは何とかならんか、と、思ってしまう。まあTurn Trackに注意書きが書かれているので、忘れることがないように配慮されていることは感心するが・・・。


英軍はテセルの森からさらに南下を試みるが、こちらには88mm砲が睨みを効かせているので前進するのはやや困難である。そこで攻勢の軸をポウデル川東岸地区に戻し、フォントネ村南の拠点に陣取るドイツ軍第2SS装甲師団に攻勢を仕掛けた。先に投入したファイアフライ戦車中隊を全力投入。パンターと4号戦車からなる第2SS装甲師団戦車部隊と激しい撃ち合いを繰り広げた。英軍戦車中隊は半数以上を失う大損害を被ったが、パンターと4号戦車各1個中隊を撃破し、その抵抗を排除に成功。攻撃目標の拠点を占領した。ドイツ軍の防御ラインは、ル・マレとローレを結ぶ線まで後退を余儀なくされる。

英軍はボウデル川の西岸と東岸の2正面で攻勢を仕掛ける。歩兵同士の接近戦では兵力に勝る英軍歩兵がドイツの戦車や装甲車を次々と破壊する。しかし肝心の突破は失敗し、戦線は動かない。


英軍は再三に渡る攻撃で、ル・マレ~テセル渡河点に布陣したドイツ軍の88mm砲を遂に撃破した。これでル・マレ~テセルの渡河点を占領した英軍は、ドイツ軍の左右の連絡線に楔を打ち込んだ。ドイツ軍はル・マレ~テセルの渡河点を放棄し、第2SS装甲師団はローレの村を守るように布陣。一方戦車教導師団は、対戦車火力を持つ装甲車を増援としてル・マレの少し南に後退して布陣する。

ドイツ軍にとって試練は続く。さらに上級司令部の命令で第2SS装甲師団の戦車中隊1個を他戦線へ転進させることとなった。対戦車火力がさらに減少するドイツ軍。ドイツ側の対戦車火力弱体化を見越した英軍は、シャーマン戦車2個中隊(ファイアフライ未装備)を増援に投入。機甲戦力の優越を背景にドイツ軍の防衛線を一気に突き破らんとする。英戦車の猛攻に対して、ドイツ側は75mm対戦車砲やパンター戦車、ヤークトパンター駆逐戦車が激しく応戦、英軍のファイアフライ戦車など数両を撃破したが、パンター戦車はステップロス。虎の子ヤークトパンターは17ポンド砲の伏撃を受けて撃破されてしまう。

戦況を優位に進めている英軍にちょっとした水入りが入った。雨によって地面が泥濘状態となり、部隊の機動力が殺がれてしまう。しかし英軍は攻勢の手を緩めない。

英軍の進撃速度が地面の泥濘により陰りを見せる。しかし泥の影響を受けにくい歩兵部隊がドイツ軍防衛ラインの隙をついて後方に進出。いわゆる浸透戦術で前線のドイツ軍拠点を孤立化させる。その後、戦車中心の部隊が包囲攻撃を仕掛けて拠点を潰す。歩兵はあくまでも浸透に徹し、攻撃は戦車が担当する。これはドイツ側の間接防御射撃に対抗するものだ。


