2023年08月
「ASL - Advanced Squad Leader」(MMP)のプレイ動画を紹介します
「ASL - Advanced Squad Leader」(以下、本作)は、1985年に米国Avalon Hill社が発表し、1999年以降はMMP社が販売しているシミュレーション・ウォーゲームです。本作のテーマは1930年代後半~50年代前半までの地上戦闘で、1Hex=40m、1Turn=2分間のスケールで再現します。1ユニットの単位は、歩兵が1個人から1個分隊まで、火砲と車両はそれぞれ1基、1両です。
ASLは単独のゲームではなく、コアとなるルールの他に様々なモジュールがあり、ヨーロッパや太平洋、北アフリカ、中国大陸、さらには朝鮮半島など、様々な戦場を描いています。登場する軍隊も、独ソ米英はもちろん、日仏伊やルーマニア、フィンランド、北朝鮮軍や韓国軍、中国国民党、同共産党などもユニット化されています。
今回、ASLのプレイの例を紹介した動画を作成しました。
ASLの世界は膨大であり、今回の動画はその中のほんの一部を紹介したに過ぎません。しかしこの動画がASL普及の一助になれば幸いです。
夏の北海道旅行【2】
今回は礼文島で最も美しいと言われている桃知コースを歩いた時の記録です。
残念ながら天気は曇り。夏の礼文島はなかなか快晴の日には恵まれません。
しかし林道の近くに咲く花々は、本州では2000~3000メートル級の高山でしか見られない貴重な花々です。
特にエーデルワイスの名で知られているレブンウスユキソウは、夏の礼文島を彩る可憐な花で、この花を見るために多くの人がこの島を訪れます。
礼文島桃知コースはこれまでも何度か紹介してきましたが、今回は同行した人のアドバイスやGoogleレンズの助けを借りて可能な限り花の名前を特定してみました。勘違いなどがあれば、どしどし指摘してください。まだまだ修行中の身なので・・・。
「No Retreat!」をプレイする【1】
「No Retreat!」(以下、本作)はWW2における独ソ戦をキャンペーンレベルで描いたシミュレーションゲームだ。独ソ戦のキャンペーンとしては、The Russian Campagin(以下、ロシキャン)が有名だが、本作の1Turnは2ヶ月でロシキャンと同じ。1Hexは約100km、1ユニットは枢軸陣営が軍規模(8~12万人)、赤軍側は方面軍規模(13~21万人)になっている。いずれもロシキャンよりも一回り大きい。
システムは基本的には移動・戦闘を繰り返すタイプ。ただしカウンターブローといって敵側のプレイヤーターンに反撃できる仕組みがある。またイベントカードを使う所も特徴的で、イベントカードは兵站や軍需資源をも表しており、イベントカードを消費することで部隊を再建したり鉄道輸送できたりする。
今回、本作のキャンペーンシナリオを対人戦で試してみた。
1Turn(41年6月)
第1Turnの攻撃パターンはほぼ決まっている。特別ルールで枢軸軍は決まった目標しか攻撃できないからだ。包囲攻撃を受けて2ユニット(WestとSouthWest)が壊滅。1ユニットが後退を強いられた。そしてリガとミンスクが陥落し、VP2点を献上した。ソ連軍Turnに壊滅したユニットをカード2枚支払って復活させた。ソ連軍は極端な後退は行わず、南方戦線はオデッサからプリピャチ湿地東端まで戦線を引き(キエフは放棄)、北方戦線は森林地帯を使って防御ラインを強いた。
結果論になるが、この時、北方で下がり過ぎたことが後から思えば失敗であった。側面迂回を恐れてペイプシ湖(L.Peipus)の後方まで撤退したが、冷静に移動力を計算すると、ペイプシ湖の南に隣接した森林地帯に布陣してレニングラードへの地積を確保するのが定石だと思う(ただし「参謀本部」カードで移動力を増やした場合に備えて、ペイプシ湖北側も押さえておく必要はある)。こうしておけば、レニングラードの要塞化が間に合うので、ドイツ側もレニングラード攻略に苦慮することになっただろう。
このあたりは経験の差が出たと言わざるを得ない。
2Turn(41年7-8月)
前Turnの配置ミスによる影響が出てしまった。ドイツ軍は北方におけるソ連側の消極的防御を突いてレニングラードまであと2Hexと迫った。レニングラードの危機を感じたソ連軍は、慌ててレニングラード前面に歩兵部隊で防衛線を敷いたが、ドイツ軍もソ連軍の弱点を見逃す訳もなくカウンターブローを仕掛けてソ連軍防衛線を撃破。レニングラードへの道が開けてしまう。中央ではスモレンスクが陥落したが、次のTurnが泥濘なのでモスクワが落ちる心配は取りあえずなし。南方ではキエフが陥落。オデッサにも枢軸連合が迫ったが、こちらはソ連側の守備隊が奮戦してオデッサを死守した。
3Turn(41年9-10月)
このTurnは泥濘である。泥濘のTurnは戦闘後前進が1Hexに制限されるので、ドイツ軍の電撃戦が封じられる。しかしレニングラードは一歩守りが間に合わず、ドイツ軍がレニングラードに接敵し、3-1攻撃を実施。「ハインツ・グデリアン」カードで戦闘結果を強制的にDRにしてレニングラードが陥落した。ちょっと悔しい。
南方でもオデッサが陥落してしまう。
4Turn(41年11-12月)
このTurnは降雪である。ドイツ軍の攻撃は左へ1シフト。ドイツ軍は3ヶ所で攻撃を実施し、モスクワ北方の要域カリーニンが陥落。南方ではドニエプロペトロフスクが陥落する。ソ連軍は冬季反攻を実施。カリーニンへ前進してきたドイツ第3装甲軍(6-6)を攻撃した。最初の年の冬季Turnはソ連側の攻撃に右1シフトのボーナスがつく。その甲斐もあり、ドイツ第3装甲軍をステップロスさせた。ドイツ軍に与えた最初の損害である。
5Turn(42年1-2月)
年が変わって1942年。今年の冬は特に寒い(枢軸軍の攻撃は左2シフト)。この機会にソ連軍は「ヒトラーの攻撃命令」カードを使ってドイツ軍に対して計3ヶ所の強制攻撃を強いた。さらにソ連軍は南方戦線で反撃を実施。ハリコフ北方を守るドイツ軍歩兵軍を撃破し、ハリコフのドイツ軍スタックを包囲した。
6Turn(42年3-4月)
春の目覚め。長かった冬が終わり、春を迎えたロシアの大地は泥に沈んだ。両軍とも泥濘の中をドロドロになりながら戦う。ハリコフ周辺では包囲されていたドイツ軍は包囲輪を解放するために反撃を実施した。さすがに個々の戦闘ではドイツ軍は強力で、ハリコフの包囲輪が解放されてしまう。このTurnからソ連軍は1ユニットをフリーで戦力強化できるようになる。早速ソ連軍最強の第1打撃軍(ショックアーミー)(8-2)を編制し、モスクワ北方での反撃作戦に投入した。ドイツ軍と相打ちでショックアーミー初陣で昇天。まあ復活可能だから良いだけどね。
つづく
書籍紹介「歴史群像2023年8月号」
歴史群像2023年8月号
学研
特集はマリアナ沖海戦。これまで何度も取り上げられてきたテーマだが、今回は主に米側からみたマリアナ沖海戦について宮永忠将氏が解説している。これまであまり触れられなかった米海軍における飛行機乗りと非飛行機乗りの対立などにも触れ、米海軍はマリアナ戦で勝利するまでの過程を細かく解説している。
あと面白かったのはフランス空軍史。WW1では世界最強の空軍を築き上げたものの、WW2ではドイツの電撃戦を前に脆くも敗れ去ったフランス空軍の歴史とその敗因について古峰文三氏が鋭く解説している。
他にも熊本城攻防戦の後半、徳川と武田の戦いにおける高天神城攻防戦、ウクライナ戦争における作戦術など、興味深い記事が満載であった。
お奨め度★★★★
歴史群像 2024年2月号[雑誌] - 中東戦争航空戦1948-73
歴史群像 2023年12月号[雑誌] - 特集:日本機動部隊
歴史群像 2023年10月号[雑誌] - 特集:ドイツ空軍の東部戦線
歴史群像2023年8月号[雑誌] - 特集:マリアナ沖海戦