もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2024年02月

乳頭温泉は乳白色の温泉で有名な秋田でも人気の高い秘湯のひとつです。中でも「鶴の湯」は、乳頭温泉郷の中でも最も人気の高い温泉と言われており、日帰り入浴、宿泊入浴を問わず、多くの旅行者が訪れる全国でも有数の観光地のひとつです。

これまでにも乳頭温泉については何度か紹介してきましたが、今回、コロナ明けで3年ぶりに訪れてみました。その間、右足の怪我とか、個人的にも色々とありましたけど・・・。

公共交通機関を使って「鶴の湯」へ行く場合、主な交通手段はバスとなります。秋田新幹線の田沢湖駅から路線バスに乗ってアルパこまくさという所まで行くと、そこに「鶴の湯」からの送迎用マイクロバスが待機しています。ちなみに田沢湖駅からアルパこまくさへ向かうバスは、1~2時間に1本程度の頻度になります。田沢湖駅から「鶴の湯」までの所要時間は、バスの乗車時間だけなら1時間弱。待ち時間なども加味すると1.5時間ぐらいでしょう。

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温泉は混浴の露天風呂から端所別の内湯まで様々あり、いくつもの温泉を渡り歩くことができます。建物はいずれも木造で外部は黒く塗られており、真っ白な雪景色と黒の建物とのコントラストが見事です。さらに夜になるとオレンジ色でランプの灯りが点り、より一層幻想的な風景を醸し出してくれます。

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泉質は白濁して硫黄臭あり。野沢温泉や草津温泉ほど強烈な酸性ではありまんが、風呂から上がった後も結構温泉の匂いが体に残っています。また冬場に入ったこともあり、足の裏側でパリパリに固まっていた皮がポロポロと剥がれてきました。

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この宿で特筆すべきは食事の質。特に豪華なメニューではありませんが、秋田の田舎料理をたっぷりと出してくれます。特に岩魚の焼き魚、山の芋鍋は絶品。あまりの美味しさに、私は芋鍋を2杯もおかわりしてしまいました。

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朝食もまた格別。いぶりがっこや山芋、豆腐など、典型的な日本の和食なのですが、とにかくご飯が美味しい。このご飯のおかげで山菜類が凄く美味しく感じました。味噌汁も美味しかったですね。ここでもご飯を4杯おかわりしました。まるで学生みたいです(笑)。

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食事を終えて後は出発するだけ。チェックアウトした後、少し宿の周りを歩いてみました。雪が降ってきましたが、朝の「鶴の湯」も良かったです。

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ちなみに宿のスタッフさんと少し話をしたところ、旅行客が増えるのは「大人の休日クラブ切符」の発売時期とのこと。私が行った時はやや時期がずれていたので、それほど混むことはなかったです。



お奨め度★★★★★

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240107_SeasofThunder
Seas of Thunderは2023年に米国GMT社から出版されたSLGです。
テーマは、WW2における海軍戦略で、枢軸軍と連合軍の海上戦略を全世界規模で再現します。

1Turnは実際の2~3ヶ月に相当し、1ユニットは巡洋艦以上の艦艇1隻、又はそれ以下の小型艦数隻からなります。

今回は、1941年シナリオのプレイ風景を紹介する動画を作成してみました。



Seas of Thunder - Global Naval Warfare, 1939-45


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路線バスで日本縦断

宮武和多哉 イカロス出版

路線バスによる日本縦断。稚内や根室から路線バスだけを乗り継いで鹿児島枕崎までたどり着けるのか。YouTube等ではユーチューバー達がチャレンジしているが、本書は2023年時点でのコースについて詳細に紹介している。本書では、定番ともいうべき稚内~枕崎コースの他、沖縄本島やその先の離島めぐりのバス旅行、枝線ともいうべき日本海縦断コース、四国一周、博多から長崎、日豊本線ルートなど、様々なバスルートが紹介されている。もちろん、これらのルートの全てが路線バスだけで縦断できる訳ではなく、長距離歩行を余儀なくされる区間や他の交通手段を使わざるを得ない区間もある。またバス路線は日々変わっているので、本書の情報が既に古くなっている地域もあるだろう。それでもバス縦断ルートを網羅的に紹介した本書はこれまでに類を見ない著作であり、そういった意味で本書の価値は大きい。中には「こんなバスルートがあったのか」と驚くようなルートも紹介されていたりする。
本書の魅力はバスルート以外にコラムの形で様々な地元の魅力を紹介している点もある。例えば鹿児島王将だとか枕崎のスーパーで買うカツオとか、マニアックなネタも盛り込まれている。そういった意味では単にバスルートの紹介だけではなく旅をより多角的に楽しめる著作といえよう。



GJ88_表紙


「激闘!ロンメル軍集団」(以下、本作)は、Game Journal誌88号と付録ゲームで、 以前に紹介した「激闘!マッカーサー国連軍」 とほぼ同一のシステムを採用している。
本作のテーマは1942年末~1943年前半の北アフリカ戦線。
エルアラメインで敗北したロンメル軍がチュニジアへ向けて敗走する中、北アフリカ西部のモロッコ、アルジェリアに米英軍が上陸(トーチ作戦)。枢軸軍は東西から連合軍の挟撃を受けることになる。この危機的な状況下でロンメルは危機を打開して勝利をつかむことができるのか?
本作の基本システムは、「激闘!マッカーサー国連軍」と同じで、命令チットをカップに入れて、引いた命令チットに相当する司令部が活性化する。活性化した司令部は、指揮範囲内のユニットを活性化し、移動・戦闘させることができる。さらに特別活性化というルールがあり、司令部からではなく直接ユニットに命令を与えることも可能である。

今回、本作をVASSALでソロプレイしてみた。以下はその記録である。

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1Turn

序盤は両軍ともゆっくりと進撃する。飛行場を占領して制空権確保を図る。そのためにこのTurnに両軍の接敵はなかった。

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2Turn

両軍が接触。それぞれの先鋒部隊が敵主力の反撃を受けて後退を余儀なくされている。特にドイツ軍は戦線南部で攻勢を仕掛けて、英空挺部隊(2-3-6)を後退させていた。

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3Turn

イギリス軍が攻勢に出てきた。チュニジア領内エルケフ(LE KEF 2006)付近でドイツ軍2個部隊を捕捉したのである。いずれも高比率攻撃で一挙に殲滅し、枢軸軍の北方戦線は大穴が空いた・

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4Turn

GE_10PzD959チュニジアを守るドイツ第5装甲軍は英第1軍の攻撃を受けて危機に陥っていた。そのため兵力を整備し、戦線縮小を図る。そして貴重な機動打撃兵力である第10装甲師団(9-5-9)をチュニジア南部山岳地帯となるカセリーヌ(KASSERINE 1406)方面へ向けさせた。これは、トリポリ方面から撤退してくるロンメル麾下のドイツアフリカ装甲軍と共同作戦を取るためである。

そしてドイツ軍期待のドイツアフリカ装甲軍がついにマップ南端から姿を現した。彼らは海岸道路を北上した後、一転西に進路を転じ。カセリーヌ南方に向かう。ここで彼らは先の装甲2個師団と合流し、米第1軍が守る連合軍南翼に対して猛攻を加えた。

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US_1ACCB218最初に矢面に立ったのは、連合軍南翼を担当していた米第2軍団と自由フランス第19軍団である。自由フランス軍は1個軍団がスタックして強固な守りを固めていたので、ドイツ軍はその後方へ迂回し、アルジェリアとの国境に近いテレプテ(THELEPTE 1205)に対して攻撃を行った。同地を守るのは米第1機甲師団所属の連隊戦闘団。複数のドイツ軍装甲師団の攻撃を受けたこの連隊戦闘団は、ひとたまりもなく壊滅してしまう。米第2軍は慌てて戦線を再構築するが、果たして

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5Turn

ZChit_GE_Rommelロンメルチットで先手を取ったドイツ軍は、ガフサ(GAFSA 0906)南方の山岳地帯を守っていた自由フランス軍第19軍団麾下の2個師団を包囲しつつ、要域カセリーヌを守る英空挺部隊(2-3-6)を包囲殲滅した。

GE_PAAHQ_419さらに次に引いてきたチットがPAA(アフリカ装甲軍)である。ドイツ軍としては戦果拡大のチャンスであったが、さすがのドイツ軍も兵力不足が目立ってきた。史実におけるロンメルプランに従うのなら、このまま国境を越えてアルジェリアに侵攻する所だが、米軍を完全に撃破できるだけの兵力はない。ゲーム的に考えるのなら、サドンデス狙いではなく、時間切れでの勝利を狙うのが得策のように思える。

という訳でドイツ軍はアルジェリア方面ではなく、チュニジア北西部に布陣する英第1軍を攻撃目標とした。史実で言う所のアルニム攻勢である。チュニジアで限定的な勝利を得て連合軍の進撃を遅らせれば、ゲーム終了時でチュニジアが陥落することはないだろう。

ちなみにこの時点でドイツ軍の獲得した占領マーカーは37個に達しており、ゲームの長さは最短の8Turnまで縮まっていた。これ以上攻勢を続けて占領マーカーを追加確保する意味はほぼなかったといえる。

結局ドイツ軍はターラ(THALA 1606)を守る米第1歩兵師団(4-4-6)を攻撃し、これを後退させた。

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チュニジア方面を守るドイツ第5装甲軍も英第2軍に対して攻勢を仕掛ける。しかし、こちらは兵力不足のため、大きな戦果は上がらない

US_1AD848一方の連合軍もやられっぱなしではない。兵力を整備した米第2軍団はロンメル装甲軍に対して反撃を開始。特にGAFSA南方で包囲されている自由フランス第19軍団を救援すべく、米第1機甲師団(8-4-8)と第34歩兵師団(4-4-6)がドイツ軍第164歩兵師団(3-3-8)を包囲攻撃する。第164歩兵師団は損害を受けつつも後退していく

チュニジア北方に展開する英第1軍も強引に攻勢を仕掛け、増援に登場したドイツ軍ヘルマンゲーリング装甲擲弾兵師団(6-4-8)を後退させ、チュニスの前面まで進出した。

BR_7AD858そして本命。モントゴメリー麾下の英第8軍が、いよいよ登場してきた。チュニジア南東部の海岸地帯に陣地を構えてイタリア軍4個歩兵師団が防衛ラインを敷く。しかしモントゴメリー軍は、その第1防衛ラインであるマレット(MARETH 0413)ラインを突破。さらにイタリア軍の半数にあたる2個歩兵師団を撃破した。

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6Turn

GE_21PzD849モントゴメリー麾下の英第8軍が海岸線を守るイタリア軍を完全撃破し、チュニジアへ向けて突進する。ドイツ軍はチュニジア西方での攻勢を停止し、戦線を縮小する。 そしてロンメル麾下のドイツアフリカ装甲軍は英8軍の先鋒を叩いた。第8軍麾下の機甲師団2個のうち、英第1機甲師団(8-4-8)は損害を受けて後退し、第7機甲師団は後退路を防がれて包囲殲滅されてしまう。

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大戦果に沸くドイツ軍。しかしチュニジア西方から反撃に転じた英第1軍、米第2軍団が反転攻勢を行ってくる。

7Turn

GE_HGD648ロンメルが本国に帰っていた。時を同じくしてチュニジアの空を連合軍の航空部隊が覆った。ロンメル不在、そして連合軍の大攻勢が始まる。 制空権による2シフト、さらにパットン将軍の1シフトなどを利用して連合軍がドイツ軍部隊を各地で包囲撃破していく。ドイツ軍も突出してきた連合軍部隊に対して包囲反撃を試みるが、兵力不足、さらにはここに来ての出目の悪さなどもあり、連合軍に対して有効な打撃を与えられない。ドイツ軍の兵力が急激に減少したことにより、チュニジアにおける兵力バランスが急激に連合軍側有利に傾いていく。 Turn終了時には連合軍の先鋒がチュニジアの首都チュニスの前面に達し、アフリカにおけるドイツ軍は風前の灯火となった。

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8Turn

ZChit_US_Patton最終Turnである。しかし最早ドイツ軍に勝機はなかった。まず最初に引いたのはパットンである。米第2軍団がチュニス(TUNIS 2412)を包囲攻撃。一連の攻撃でドイツ第5装甲軍とアフリカ装甲軍の司令部が壊滅した。そしてチュニスはパントン軍が占領する。

続いて引いたのは英第1軍である。既にドイツ軍に残ったユニットは僅か2個。しかもそれらを活性化させる司令部はない。英軍部隊はドイツ軍の間隙をついてビゼルテ(BIZERTE 2711)を占領した。これにより連合軍はサドンデス勝利の条件を満たして勝利した。

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感想

いやー、面白いです。チット引きによって戦局が二転三転するので、そのドキドキ感が良い。出目やチット順によっては前回のようにドイツ軍がサドンデスで勝利すろこともあるし、逆に連合軍が兵力に物を言わせて勝利する場合もある。世間では「激闘、マッカーサー国連軍」の方が評価が高いようですが、こちらの「激闘、ロンメル軍団」も十分に評価するに値する作品だと思います。

最初に気になったのはドイツ軍の進撃ペースで、ドイツ軍がどんどん占領マーカーを取得して終了Turnを短くしていくので、これはドイツ軍楽勝ではないかと思いました。しかし占領マーカーの件はどうやら織り込み済みの様子。連合軍としては、あまり占領マーカーを気にせず、逆に最初から8Turn勝負(8Turnがこのゲームで最短の長さ)で出ても良いと思います。まあ、ドイツ軍としては、最低限8Turn勝負にまで持っていきたい所でしょうね。

いずれにしても面白いゲームなので、機会があればYouTube動画化も考えてみたいと思います。





ロンメル将軍_1943年チュニジア戦線


Game Journal 88-激闘ロンメル・マッカーサー Game Journal 67-激闘タイフーン電撃戦 カセリ-ヌ峠の戦い1943 ロンメルとアフリカ軍団戦場写真集

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US Navy Ships vs Japanese Attack Aircraft;1941-1942

Mark Stille Osprey

オスプレイの対決シリーズで、太平洋戦争前半期における日本海軍航空隊と米艦隊との対決を描いている。本書では、両者の対決に焦点を当てて、その実情について数値データに基づいて記している。真珠湾攻撃時の急降下爆撃隊は命中率20%以下であったこと。雷撃隊も命中率が50%に届かったことなど、日本人にとって意外なデータも含まれており、数値を見ているだけでも興味深い。(インド洋での「命中率80%以上」というのも結構眉唾です)。
本書では米側の対空装備の進歩についても解説している。米艦艇の装備について必ず取り上げられるのはVT信管とボフォース40mm機関砲だが、それ以外に本書では火器管制装置の重要性についても触れている。開戦当時米海軍が保有していた対空用FCSで最新のものはMk.33であった。しかしすぐに性能が不十分であるとみなされ、5インチ砲用のMk.37と40mm機関砲用のMk.51が開発された。中でもMk.51はシンプルな設計で1人でも操作可能であったが、高い実用性の性能を誇り、近接対空火器の威力発揮に大いに貢献した。実際、VT信管装備後であっても、米海軍の対空火器による撃墜数は。40mmまたじゃ20mm機関砲によるものが圧倒的多数を占めていたという。
例によって我々にとっても分かりやすい英文で書かれており、太平洋戦争における空母戦に興味のある向きには一読をお奨めしたい1作だ。

お奨め度★★★★

US Navy Ships vs Japanese Attack Aircraft: 1941–42 (Duel Book 105) (English Edition)


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