もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2025年02月

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「フリートシリーズ」- 世界の海を舞台にした冷戦時代の海戦シミュレーション!

アメリカ海軍とソ連海軍が全世界の海の覇権を巡って激突する。「フリートシリーズ」は、艦隊編成、空母戦闘、潜水艦戦、上陸作戦、補給線維持など、本格的な現代海戦の要素をすべて詰め込んだウォーゲームだ。

各ターンは「潜水艦」「水上艦」「航空戦力」の3フェーズに分かれ、プレイヤーはどのフェーズを実行するかを選択。索敵と情報戦が勝敗のカギを握り、敵艦隊を見つけられなければ攻撃すらできない。核兵器や補給のルールを導入すれば、よりリアルな戦略的思考が求められる。

フリートシリーズは以下の5本のゲームよりなる
 ・Sixth Fleet:シリーズ第1作で地中海における米ソの対決を扱う。フリートシリーズの基本を詰め込んだ作品だ
 ・2nd Fleet:シリーズ第2作目で北大西洋~ノルウェー海での米ソの対決を扱う。索敵ルールと戦闘ルールが詳細になり、より細かい戦闘を再現可能となった
 ・7th Fleet:シリーズ第3作目で極東水域での米ソの対決を扱う。海空自衛隊も登場し、日本が主要な戦場になる。潜水艦の非脆弱性を表すため索敵ルールを改訂し、よりリアルなプレイが可能となった。フリートシリースのシステムがほぼ完成した作品
 ・5th Fleet:シリーズ第4作目でインド洋での戦いを扱う。CRTに改訂が加えられ、米ソの最新鋭潜水艦が戦列に加わった。空母「トビリシ」も登場する
 ・3rd Fleet:シリーズ最終作でベーリング海、カリブ海、英本土周辺での戦いを描く。今までの作品で扱っていなかった海域を扱っている。

各ゲームにはそれぞれ12本前後のシナリオが含まれており、簡単なものから徐々にステップアップできるようになっている。また個々のゲームは完全に独立しているため、個別のゲームとしてプレイ可能だ




Blue Water Navy Game Journal 81-米中激突:現代海戦台湾海峡編
海上自衛隊「空母」 いずも&かがマニアックス 海上自衛隊 護衛艦メカニズム図鑑 イカロスMOOK アメリカの航空母艦資料写真集 Cold War Submarines

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半沢直樹2

池井戸潤 講談社文庫

半沢直樹2
第2巻では有名な黒崎検察官と大和田常務が登場する。TVを見ていなかった私も、片岡愛之助演じる黒崎検察官と香川照之演じる大和田常務は知っていた。ストーリーはホテルへの融資を巡る銀行内の不正問題で、例によって半沢直樹を追い落とそうとする黒崎や大和田に対し、半沢が返り討ちにする様が心地よい。ただ半沢の反撃が有効過ぎて、ちょっと敵が可愛そうな気がする。オチがわかってしまうのも難点かな?。もう少し半沢が苦しむような展開も見てみたい気がする。

お奨め度★★★


半沢直樹1 半沢直樹2 下町ロケット(1) 下町ロケット(2)
陸王 空飛ぶタイヤ 俺たちの箱根駅伝(上) 俺たちの箱根駅伝(下)

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Imperial Sunset(以下、本作)は、ゲーム付雑誌であるAgainst the Odds誌の付録ゲームで、2006年に発売された作品だ。
テーマはレイテ沖海戦。1944年10月下旬にフィリピン近海で行われた日米の艦隊決戦である。この戦いは、世界の戦史史上最大規模の海戦と言われており、戦闘艦艇が両軍合わせて約300隻、航空機は約2000機が参加した。戦い自体は連合軍の大勝で、日本側の連合艦隊はこの戦いでほぼ壊滅し、以後作戦能力を失った。日本軍はこの戦い以降、特攻作戦を主体として戦い続けることになる。

本作は、レイテ海戦のほぼ全体を再現するSLGで、1Hex=25海里、1Turn=6時間、1ユニット=巡洋艦以上1隻、駆逐艦以下数隻、航空機は10~30機程度というスケールになっている。システムはダミーを併用したチットプルで、タスクフォース別に活性化チットが用意されていて、引いて来たタスクフォースが活性化するというもの。ちなみにこのシステムのおかげで、ダミーを使用しているにも関わらずダミーによる兵力隠匿の効果はあまり大きくはない(索敵自体の発見率も結構高い)。



航空戦や水上戦闘はオーソドックスなシステムになっているが、一応戦闘ボードを使用するシステムになっているので、戦闘解決にはそこそこ時間がかかる。また艦船ユニットの損傷はヒットポイント方式だが、命中数に応じて艦そのものの能力が低下するようになっていて、能力低下をログシートに記録する方法となっている。だから若干のペーパーワークが発生する。

今回、本作をプレイしてみることにした。本作には3本のシナリオが用意されているが、今回は最初のシナリオである「歴史的シナリオ」をプレイした。このシナリオは10月24日~26日の3日間の戦いを扱うシナリオである。既に栗田艦隊は米潜2隻の奇襲によって重巡3隻を失っている状況である。筆者は連合軍を担当する。

なお、「歴史的シナリオ」以外のシナリオは「仮想シナリオ」と「キャンペーンシナリオ」がある。
「仮想シナリオ」は日本軍(主に小沢艦隊)に史実以外の兵力が加わるというもので、ダイス目にもよるが、日本軍にとって最良の場合は、小沢艦隊に「雲龍」「天城」「隼鷹」「龍鳳」が加わる。これだけ加わると小沢艦隊の戦力はマリアナ沖海戦に近い規模になり、単なる囮部隊以上の活躍が期待できるようになる。
「キャンペーンシナリオ」は、シナリオの開始日が10月23日からとなる。そのため「愛宕」「高雄」「摩耶」はまだ健在であり、栗田艦隊はパラワン水道付近からスタートすることになる。


SetUp

まずセットアップから混乱した。栗田艦隊主力がなんとフィリピン東方海上に初期配置されているのだ。他にも増援輸送部隊等の配置も結構目茶苦茶で、史実無視の配置となっている。プレイヤー2人で頭を抱えたが、Against the Odds誌のHPから辛うじてエラッタを見つけ出し、正しい位置にセットアップできた。雑誌付録ゲーとはいえ、初期配置から間違っているというのは、ちと悲しい。

エラッタの参照先:https://www.atomagazine.com/errata/errata_is.pdf

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10月24日

史実ではシブヤン海海戦が発生し、戦艦「武蔵」が沈没した日である。米軍も日本機の反撃によって軽空母「プリンストン」を失っている。

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IJN_BB_Musashiゲーム展開もほぼ史実同様に進んだ。最も西に進んでいたシャーマン少将麾下のタスクグループ38.3(TG38.3)は、シブヤン海に向っていた栗田艦隊を攻撃する。さらにボーガン少将のTG38.2も攻撃に加わる。米軍機は「大和」よりも少し対空火力の弱い「武蔵」に攻撃を集中し、数次に渡る攻撃の末、ようやく「武蔵」を撃沈した。それにしても7隻もの空母が集中攻撃を加えたにもかかわらず、戦艦1隻を仕留めるのがやっとということで、改めて戦艦の強大な防御力に驚きを禁じ得なかった。

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USN_CVL_Langleyしかしフィリピンの陸上基地に近づき過ぎた米機動部隊に対して、日本側も基地航空部隊が全力を挙げて反撃を行う。米軍の誇る防空戦闘機はなぜか威力を発揮せず、日本側の攻撃編隊は易々とシャーマン隊に襲いかかった。米艦隊自慢の対空砲火もここでは何故かスカばかり。米機動部隊は軽空母「ラングレー」を撃沈され、ミッチャー中将の旗艦空母「レキシントン」にも3発の爆弾が命中してしまう。「レキシントン」はギリギリで作戦続行可能な状況だったが、もう1度攻撃を受けると、ヤバい状況であった。

このゲームでは、米軍の場合でもCAPや対空砲火はあまりアテにならない。それでもCAPでの撃破率を少しでも高めるため、可能な限り最大火力(20火力)で迎撃できるよう、CAP機には5ユニット以上の戦闘機を当てておきたい。

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10月25日

史実とは異なり、栗田艦隊はシブヤン海からサンベルナルディノ海峡を突破して来なかった。その代わり、ミンダナオ島北方に迂回し、スリガオ海峡経由でレイテ島を目指したのである。史実で志摩艦隊が通過したコースにほぼ等しい。日本軍の狙いは、兵力を集中してスリガオ海峡突破を狙っているのだろう。
対する米艦隊は、第38機動部隊の再編成を行う。すなわち従来の空母3群を、空母2群、戦艦1群に再編成した。各空母群には5隻ずつの空母を配置し、戦艦6隻と護衛部隊を抽出して水上打撃部隊を編制した。

「第34機動部隊はいずこにありや?、全世界は知らんと欲す」

で有名な「第34機動部隊」である。

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USN_BB_W_Virginia夜明けと共に日本艦隊はスリガオ海峡に突入してきた。栗田艦隊の戦艦4隻、重巡7隻、軽巡2隻、駆逐艦13隻である。スリガオ海峡を守っているのは、オルデンドルフ少将麾下の第79機動部隊で、戦艦6隻、重巡4隻、軽巡1隻、駆逐艦20隻である。米戦艦はいずれも旧式戦艦で、しかも「ミシシッピー」を除く全ての戦艦は真珠湾攻撃で日本機の攻撃を受けた艦であった。

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IJN_DD_Div17戦艦の隻数で勝る米軍は砲撃戦を有利に進めた。多数の命中弾を受けた「長門」と「金剛」が大破し、重巡「利根」「筑摩」「熊野」が沈没、「鈴谷」も大破し、「羽黒」も重大な損傷を被った。しかし1万メートル以上の大遠距離から放たれた酸素魚雷が米戦艦群を捉えた。「ウェストバージニア」に多数の魚雷が命中し、彼女にとって2度目の、そして最後となる「死」を迎えた。「メリーランド」「カリフォルニア」にも数本の魚雷が命中して大破。「テネシー」も中破してしまう。砲撃の損害も加えて米戦艦の中で無傷で残ったのは「ミシシッピー」ただ1隻だけであった。

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つづく

Carrier Battle - Philippine Sea ソロモン夜襲戦 海空戦南太平洋1942
レイテ沖海戦 「大和」艦橋から見たレイテ海戦 Leyte: June 1944 - January 1945 The Battle of Leyte Gulf 23-26 October 1944
レイテ戦記1 レイテ戦記2 レイテ戦記3 レイテ戦記4

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青春18きっぷを片手に、日本を縦断する鉄道旅に出かけました!今回の旅の出発地点は、九州の最西端「たびら平戸口駅」。目指すのは日本最東端の駅がある北海道の「根室駅」。西から東へ、約3000kmを列車でつなぎながら、日本の魅力を再発見する冒険が始まります。

旅のテーマは「温泉と鉄道」。各地で名湯の温泉宿に宿泊しながら、ローカル列車で移動します。車窓から見える風景や、地域ならではのグルメ、心温まる出会いなど、旅先で感じたリアルな体験を余すところなくお届けします。

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さらに各地の温泉やグルメ、さらには地元の人との出会いなど、様々な魅力を紹介します。

旅の5日目は、自宅から再スタートです




一生に一度は行きたい温泉100選 行きたい!残したい!すごい温泉100 青春18きっぷで行こう '24~'25 日本観光列車ガイド2025

PacWar


「Pacific War」(以下、本作)は、2022年に米国GMT社が発売したSLGである。テーマは太平洋戦争全域で、1941年12月に始まる太平洋戦争を、1戦略Turn=1ヶ月、1Hex=約100マイル、1ユニット=大隊~軍(基本は師団)、主力艦1隻、巡洋艦2隻、駆逐艦以下数隻、航空機は1ユニット=十数機~約100機というスケールで再現する。

今回プレイしたシナリオは、Campaign Scenarioの1つであるガダルカナル攻防戦。これは1942年8月における米軍のウォッチタワー作戦開始から翌年2月の日本軍によるガダルカナル撤退直前までの約半年間に渡る戦いを扱っている。筆者は連合軍を担当した。

前回までの展開 --> こちら

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1942年9月

9月6日、9月最初の作戦で主導権を握ったのは日本軍であった。ラバウルから重巡、軽巡、駆逐艦に護衛された3個大隊の上陸部隊がガダルカナル島に近づいてくる。ガダルカナル島には既に米海兵隊の基地航空部隊が進出していたが、ラバウルから飛来する日本機の迎撃に忙しく、接近してくる日本艦隊を攻撃する余裕がない。もっとも、微々たる兵力しか持たない在ガダルカナルの米海兵航空部隊が、強力な日本艦隊相手にどこまでダメージを与えられたかは甚だ疑問があるのだが・・・・。

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日本艦隊の接近を知った米艦隊は、直ちにヌーメアから空母部隊を出撃させる。しかしこの時の米艦隊の諜報状態は最悪の「奇襲」であったため、米空母の出撃は後手に回ってしまう。どうせ艦隊を出撃させても間に合わないのだから、ここは日本軍の好きにさせておいて、後に主導権を取り返して反撃した方が得策だったかもしれない。

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日本艦隊は、米潜水艦の攻撃をものともせずガ島近海に突入した。日本艦隊の艦砲射撃によって、頼みの綱である米海兵師団がまさかのモラル崩壊(確率10%)を起こしてしまう。これはヤバイ。士気の大小が大きくものをいう本作の陸上戦闘において、士気崩壊は致命的ともいえる。幸いにも日本軍が上陸戦で最悪の目である9を出してしまったので米海兵隊の士気阻喪は致命傷とはならなかったものの、それでも日本軍3個大隊によるガダルカナル上陸を許したことは痛恨の極みであった。

日本艦隊が去った後、ようやくガダルカナル南東海域に近づいてきた米機動部隊がガ島上空に攻撃隊を放つ。上陸戦に生き残った海軍陸戦隊相手に爆弾の雨を降らせるも、海軍陸戦隊はモラルチェックに耐えて元気ハツラツ。モラル崩壊した米海兵隊との対比が辛い。

日本軍の作戦が終わったのが9月21日である。ただちに米軍も作戦を発動。ヌーメアから第2海兵連隊を積載した輸送駆逐艦(APD)に重巡、駆逐艦等の護衛を付けて出撃させる。輸送船団はガダルカナル近海で日本潜水艦の雷撃により輸送駆逐艦1隻を失うも、残った兵力は無事ガダルカナル上陸に成功した。

上陸した米海兵連隊はただちに日本軍の守備隊を攻撃。この攻撃は兵力差もあって成功し、日本軍の守備隊は撃破された。

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上陸作戦や地上移動に伴う強制攻撃の発生は、GMT版で大きく改正された部分である。このあたり英文ルールを慎重に読み進める必要がある。筆者が理解した所によれば、地上部隊と戦闘との関係は以下の通りである。
 (1)元々両軍の地上ユニットが同一Hexに存在していて、活性化した地上ユニットが存在する場合は、2つの選択肢がある。1つはそのまま攻撃を実施しBCMを1つ消費すること。もう1つは戦闘しない代わりに活性化した地上ユニットはその場で非活性化状態になること。
 (2)敵地上ユニットしか存在していないHexに活性化した地上ユニットが進入した場合は、戦闘実施が義務
 (3)既に敵味方の地上ユニットが存在しているHexに活性化した友軍地上ユニットが進入した場合は、攻撃する・しないは活性化した側が選択できる。ただしいずれの場合もそのHexに進入したことによるBCM消費が発生する。
ここまでなら問題ないのだが、31.1E項でこのような不気味な文言が出てくる。
「もしいずれかのプレイヤーが強襲上陸作戦を実施した場合、攻撃が義務付けられる」
(If either side is conducting an amphibious assault in a hex, that player’s units must attack regardless of whether the assaulting units belong to the Operation or Reaction player.)

ここで問題になるのは「強襲上陸」の解釈で、23.8.3項によれば、「敵ユニットが存在するヘクスに下船する場合は全て強襲上陸になる」とされている。もしこの解釈通りなら、ガダルカナルに「下船」する部隊は全て「強襲上陸」を行うことになってしまい、特に兵力に劣る日本軍は増援を送り込むことすらままならなくなってしまう。

この点については、Board Game Geek等でも議論されており、既に友軍の存在するHexに下船する場合は上陸戦闘扱いせずに強制攻撃を免除した方が良いのではないか、という意見が多かったように思う。実は筆者もその意見に賛成で、既に友軍が存在するHexに「下船」する場合には上陸戦闘扱いではない方が良いように思う。
この点については、特にガダルカナルシナリオにおいては重要な部分であり、可能なら事前に対戦相手と調整した方が良いと思う。

追記:その後の調査で、上記についてはエラッタがあり、既に味方ユニットが存在するHexへの揚陸時は強制戦闘にならないことが判明した。


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1942年10月

このTURN、日本軍は指揮ポイント65点を得る。史実での「10月攻勢」があった時期で、本シナリオでは日本軍にとって最大規模の攻撃が可能になる。ちなみにその後の指揮ポイントは、11月=30p、12月=15p、1月=15pで、ジリ貧になっていく。

この時期、日本軍は当然の如く大攻勢を発動した。空母6隻、駆逐艦6ユニット(36隻)に護衛された輸送船団がトラック環礁を出撃する。輸送船団には第2師団が乗船しており、さらに精鋭1個大隊、工兵2個大隊が駆逐艦に分乗している。

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この月、連合軍の諜報組織は最悪の状況にあり(4段階のうち最低のレベル1)、迎撃態勢は奇襲になった。米潜水艦が日本艦隊を発見したのはガダルカナル北北西100マイルまで近づいた時であり、既に迎撃の機会を失していた。

日本空母から攻撃隊が発進し、ガダルカナル島を襲う。迎撃戦闘機がこれを迎え撃つが、数と練度に勝る日本空母機の敵ではなく、カクタス飛行隊は大損害を被ってしまう。

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夜になって日本艦隊がガダルカナル島に接近し、激しい艦砲射撃を加えてきた。一度は士気回復した米第1海兵師団が、この艦砲射撃によってまたもや士気阻喪してしまう。えーい、士気値8で本作最強の米海兵隊が情けない。

そして日本軍第2師団がガダルカナルに上陸する。彼らは無事上陸に成功し、島内に橋頭保を築いた。作戦を終えた日本艦隊はガダルカナルから撤退していく。それを米潜水艦が待ち伏せする。空母「翔鶴」「瑞鶴」にそれぞれ魚雷1~2本を命中させたが、両艦共撃沈するには至らず。対空砲火と合わせてレベル2のエリート航空部隊に4ステップ(約60機)を失わしめたのが唯一の戦果であった。

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感想

今回のプレイで一番意識したのは、Victory Games版との比較であった。
まずシナリオについては、指揮ポイントのスケジュールが変更になった。全体的には利用可能な指揮ポイントがやや増えた。これは嬉しい改訂だと思う。従来のVictory Games版では、利用可能な指揮ポイントが少なすぎて史実とはかけ離れた規模のショボい部隊しか運用できなかった。現行版でも指揮ポイントが少なめなので史実規模の作戦実施は難しいが、少しは「裕福な」作戦が実施できるようになった。

ルール的には潜水艦ルールが大きく変わった。本文でも触れたがVictory Games版の潜水艦ルールは個人的に全然評価していなかったので潜水艦ルールの改訂は歓迎すべきところだが、今回の改訂ルールでも潜水艦はまだまだ強力過ぎるように思える。この辺りはキャンペーンシナリオで再評価したい所だ。

それからVictory Games版の違いで大きい点は、新たなシナリオだ。Victory Games版では、戦闘シナリオ5本、作戦シナリオ8本、キャンペーンシナリオ6本、戦略シナリオ2本だったが、現行版ではそれぞれ8本、12本、9本、5本と大幅に増えている。中でもインド洋作戦を扱った作戦シナリオ「Indian Ocean Adventure」、中部太平洋方面での米機動部隊の反攻作戦を扱ったキャンペーンシナリオ「War in the Central Pacific」、そして1942年半ばからスタートする戦略シナリオは興味深い。機会があればプレイしたい所だ。

Victory Games版オーナーにとってGMT版を購入するかどうかは微妙な所だが、価格的には2万円弱とコンポーネントの規模に比して比較的安価なので、購入しても損はないと思う。



Carrier Battle - Philippine Sea 海空戦南太平洋1942
空母瑞鶴戦史:ラバウル航空戦 太平洋の試練(下)-ガダルカナルからサイパン陥落まで ガダルカナル戦記(3) ガ島航空戦(上)

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