もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2025年06月



Clash of Carriers(以下、本作)は、1944年6月に戦われたマリアナ沖海戦をテーマとしたSLGだ。この戦いはマリアナ諸島、特にサイパン島の攻防を巡って戦われた日米空母機動部隊同士の艦隊決戦であった。結果はよく知られている通り日本艦隊の惨敗。日本側渾身の攻撃は米戦闘機隊を中心とする防空網に阻まれて大損害を被り、殆ど戦果を挙げることがなかった。一方の日本艦隊は米潜水艦の攻撃によって虎の子の正規空母2隻を失い、さらに米空母機の追撃によって改造空母1隻を失うという大損害被ってしまう。この戦いは日米の空母機動部隊が曲がりなりにも互角の戦いを演じた最後の機会となり、その後のレイテ沖海戦で囮の役を演じた日本空母機動部隊はここに事実上壊滅することになる。

本作は、2023年に米国LPS社のゲーム付雑誌Against the odds誌58号の付録ゲームとして出版されたもので、デザイナーは戦史研究家としても著名なMark Stille氏である。ゲームシステムは氏の前作であるImperial Sunsetを踏襲したものとなっていて、基本的なシステムはほぼ前作と共通している。


本作には3本のシナリオが用意されているが、今回はその中から一番史実に近いHistorical Scenarioをプレイしてみた。筆者は日本軍を担当した。なお、Clash of Carriersについては、以下の動画でも紹介しているので、よろしければご覧頂きたい。



前回までの展開 --> こちら

4Turn(1944年6月18日夕刻)

ついに米艦隊を攻撃圏内に捉えた。距離300海里(12Hex)。攻撃距離ギリギリだったが、9隻の空母からは稼働機全機が発進していく。その数は400機以上。真珠湾攻撃を上回る大攻撃編隊だ。

攻撃隊が狙ったのは、米艦隊の中でも最南端に位置していたTG58.1である。空母「ホーネット」「ヨークタウン」「ベローウッド」「バターン」を中心とし、重巡3、防空巡2、駆逐艦4戦隊(16隻)からなる部隊だ。幸い米艦隊が分散していたため護衛戦闘機はCAPのヘルキャット隊と互角の戦いを演じ、攻撃隊の大半はTG58.1に突入していた。これは大戦果必至。誰もが固唾を飲んで行方を見守っていたが・・・。

写真05


USN_BelleauWD攻撃の戦果は失望すべきものであった。日本機の全力攻撃によって辛うじて軽空母の1隻「ベローウッド」を撃沈することには成功したものの、日本軍の戦果は僅かにそれだけであった。幸い対空砲火による損害も大したものではなく、CAP機の損害と含めても損失が5ステップに済んだのがせめても救いであった。

その後の展開

攻撃を終えた日本艦隊は、闇夜に紛れて撤退を図る。実戦では考えられないが、ゲーム上の勝利条件を考えれば、このまま全力で逃げるのが日本艦隊にとっては最良の策である。結局日本艦隊は殆ど無傷で戦場離脱に成功し、マリアナ沖海戦は、日本艦隊の「ささやかな勝利」という結果になった。

結果

日本軍のVP

・撃沈:軽空母1:10VP
・生き残った日本艦隊:正規空母3、軽空母6:33VP
・合計:43VP

連合軍のVP

・航空機2ユニット除去:1VP
・合計:1VP


日本軍の決定的勝利

感想

あくまでもゲーム上での勝利だが、勝ったからよかったとしよう。今回米空母はサイパンから9Hexのラインギリギリに布陣していたが、これは愚策だと個人的には思っている。

米軍としては日本軍をサイパン近海に引きずり込み、撤退を困難にしてから叩くのが得策。そのためにも決戦は6月19日までひっぱり、そこで史実通り日本軍の攻撃を迎え撃つ。今回の結果の如く軽空母1隻程度の損害は覚悟する必要があるが、一旦攻撃を凌げばあとは全力で追跡すればよい。特に移動制限がなく、かつ足の速いTG58.1、TG58.4なら毎Turn平均1.5hexのペースで距離を詰められる。さらに潜水艦を使って日本艦隊の退路を塞いでおけば、翌20日の早朝には日本艦隊を5~6Hexの距離に捕捉できるだろう。この距離なら米空母機でも十分に攻撃可能距離なので、全力攻撃を仕掛ける。TG58.1とTG58.4だけの攻撃力ならやや不安はあるが、それでも正規空母1隻ぐらいは仕留められるだろう。あるいは複数の艦に損害を与えて足を止めれば、後続するTF58本体による追撃も期待できる。

もし米軍がギリギリの勝利に持ち込むために期待する戦果は、史実よりもやや多い正規空母2隻、軽空母2隻程度の撃沈になるだろう。その程度の戦果を残せば、仮に自軍が軽空母1隻を失ってもギリギリで勝てる。史実よりも厳しいのは、軽空母1隻分を賄う必要があるのと、史実のような「七面鳥撃ち」が本作では再現が難しいからだ。戦闘システムを一瞥した日本軍プレイヤーは、史実のような分散攻撃が愚策であることを一瞬で見分けるだろう。

とまあゲーム上の勝敗を考えれば色々と検討の余地があるが、これがマリアナ沖海戦のシミュレーションかと言われれば、疑問を感じざるを得ない。史実の日本軍がたかが軽空母1隻の撃沈で満足して撤退することは考えられず、もし今回のような結果になれば、当然戦果拡大を求めて戦場に留まっていただろう。しかしゲーム上での日本軍は、今回のプレイ例が示す通り、自身の航空攻撃力が米機動部隊の防空網に対してあまりに無力であることを知っている。だから最小限の戦果でも満足して戦場を離脱するというのが合理的な選択肢になるのだ。

「史実の指揮官が知り得なかった情報をプレイヤーが知っている」

つまるところ、シミュレーション・ウォーゲームの普遍的な命題が本テーマのゲーム化の前に立ちはだかっていたというのが結論ということになるのだろう

九七艦攻



Carrier Battle - Philippine Sea 海空戦南太平洋1942 Pacific War
マリアナ沖海戦-母艦航空隊の記録 The Philippine Sea 1944 Aleutians, Gilberts and Marshalls, June 1942-April 1944 帝国海軍搭載機総ざらい(1) 2017年 06 月号

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戦藻録[新漢字・新かな版]上

宇垣纏

戦藻録(上)
戦藻録は、連合艦隊参謀長として山本五十六を支えた宇垣纏海軍中将が記した戦時日誌である。昭和16年の開戦直前から、終戦の日に特攻出撃する直前まで、3年10カ月にわたり書き続けられた日記で、本書ではその貴重な日誌が現代の漢字・仮名で読みやすく再現されている
この上巻では、開戦直前から1942年12月までの時期を描いている。開戦前は開戦に至る不安感や覚悟が赤裸々に綴られており、開戦後は真珠湾攻撃の成功から第1段階作戦での成功で日記の筆致も快調。「アメリカはこれだからダメなんだ」的な記述が目立つ。一方ミッドウェーでの敗戦からガダルカナル戦で苦戦が続くようになると、次第に筆致も重くなり、「このままではダメだ」的な発言が目立つようになる。とはいっても第1次ソロモン海戦や南太平洋海戦で大戦果が報じられると「これでアメリカも顔色なし」的な強がりも目に付く。開戦後1年目に記した日記には、「過去1年間の戦果は、撃沈戦艦11、空母11、巡洋艦46・・・」等と記されており、現在の目から見ると過大な戦果に惑わされている様が描かれている。
その他本書で興味深い記述としては、潜水艦の沈没事故が非常に多いこと。日記の期間だけでも数隻の潜水艦が事故で失われている。また第24戦隊(「報国丸」「愛国丸」)への期待が大きいこと、甲標的への期待が大きいこと、それに対して、現在もてはやさている「零戦、大和」に対しては意外なほど冷淡で、特に零戦に対する礼賛や期待は皆無。いわゆる「零戦無敵」伝説の出所は、むしろ戦後の出版物に大きいことが伺える。
いずれにしても本書は第1級の太平洋戦争史料であり。単なる記録ではなく真実の記録として貴重な存在である。

お奨め度★★★★★

戦藻録(上) 戦藻録(下) 運命の夜明け ニミッツの太平洋戦史
Pacific War 海空戦南太平洋1942

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高知県西部にある土佐久礼駅。特急列車も止まるこの駅から徒歩5分ほどの所にあるのが久礼大正町市場です。何度か取り上げている「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」で大々的に宣伝している魚介市場で、これがなかったら注目度はもっと低かったと思います。

久礼大正町市場について最初の感想は、「思ったよりも小さいな」
小さい通りに面した入口から入って約100mの筋が1本、その両サイドに魚介類を扱うお店が並んでいるといった感じです。正直、あまりの小ささにちょっと愕然

写真010
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時間が2時過ぎだったので、閉まっている店もいくつかあり、その中から選んだのが「浜ちゃん」という食堂です。

写真008

ここでは主にカツオ料理を出してくれるのですが、その中から定番ともいうべき「カツオのタタキ定食」を注文しました。税込1200円です。

大きめに切ったカツオが6切れ入っていて、まずその大迫力に驚く。あとはご飯と味噌汁と小鉢が1つというシンプルな構成。これぞ漁師メシという感じがして期待が高まります。

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カツオを食べると、まずその食感にほっこり。噛み応えがあるカツオの身が甘くておいしい。醤油をつけてご飯に乗せると、これぞ最高のご飯メニューです。ご飯の方も個人的には好みであるやや硬めの炊き加減で、カツオとの相性も抜群。これは本当に美味しいカツオに出会った感じがします。

写真007

場所的には高知県西部とやや不便な所ですが、公共交通機関を使っての訪問も比較的容易なので、機会があれば一度訪ねてみて下さい。

・久礼大正町市場
・市場のめし屋 浜ちゃん

お奨め度★★★★




日本観光列車ガイド2025 まっぷる 高知 四万十 足摺24 るるぶ高知 四万十(2024年版) 高知鰹のたたき(縦横比に注意)


第二次世界大戦・バルジの戦いをテーマにした傑作ウォーゲーム「The Last Gamble: Designer Signature Edition」。その背後には、長年にわたりアルデンヌ攻勢を追い続けてきたデザイナー、Danny S. Parkerの執念と知見があります。
本動画では、彼が手掛けてきた歴代のバルジ戦ゲームの系譜をたどりながら、「The Last Gamble」のゲームシステムや注目ポイントを丁寧に解説。ウォーゲームファンはもちろん、バルジ戦の歴史に興味がある方にもおすすめの内容です。






バルジ大作戦 (ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第4号 第2版)
バルジ大作戦 バルジの戦い(上) バルジの戦い(下) パンタ-vsシャ-マン: バルジの戦い194

250330a_四国旅行4日目

春の四国旅行4日目です。この日も前日に続いて晴天に恵まれました
この日は高知へ移動し、観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」での移動を楽しみつつ、高知グルメを堪能します

今回の見どころ

 ・「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」による旅行
 ・美しい春の土讃線
 ・久礼大正町市場で食べる絶品のカツオ
 ・高知「ひろめ市場」で食べるグルメと思わぬ出会い

最後までお楽しみいただける内容となっています!
チャンネル登録&コメントもぜひお待ちしています!

今日紹介した観光地・グルメスポット
・久礼大正町市場
・市場のめし屋 浜ちゃん




日本観光列車ガイド2025 まっぷる 高知 四万十 足摺24 るるぶ高知 四万十(2024年版) 高知鰹のたたき(縦横比に注意)

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