もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2025年08月

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Aircraft Carrier Victorious

David Hobbs Seaforth Publishing

Aircraft Carrier Victorious
英海軍空母「ヴィクトリアス」。WW2時には英海軍最新鋭の装甲空母として数々の戦いで武功を挙げ、戦後は2度に渡って改造を受けてジェット機時代にも対応し、1968年に退役するまで複葉のソードフィッシュからジェット艦載機のバッカニア攻撃機まで、様々な航空機を運用した。
本書は「ヴィクトリアス」の艦内図面を分析し、新造時の状況からジェット化対応後、さらに1960年代の改装後までの同艦の内部を細かく解説している。本書には「ヴィクトリアス」の断面図が数多く掲載され、それを読み解くのは結構厳しい。特にKindle版では、図面の詳細な部分が粗くスキャンされてしまっているので、重要な部分が読めなくなっている。本書をしっかりと読みたい方は、Kindle版ではなく紙版の入手した方が良い。
英空母の研究家にとっては有益な内容だが、それ以外の人にとってはあまり価値のない著作と言える。

お奨め度★★★


Aircraft Carrier Victorious WW2世界の空母-完全ガイド イギリス海軍の護衛空母 大西洋、地中海の戦い
The Squadrons of the Fleet Air Arm The British Fleet Air Arm in the World War 2 The British Pacific Fleet

写真18

雨粒がフロントガラスを打つ音を聞きながら、私は慈恩の滝の駐車場に車を停めた。山あいにある滝の周辺は、雨に洗われたばかりの新緑が艶やかに濡れ、霧が流れるように木々の間を漂っている。傘を差し、足元の濡れた石段を慎重に下りていくと、やがて滝の轟音が耳に届き始めた。

慈恩の滝は、まるで天から真っ直ぐ降りてくるような直瀑だ。滝壺を見下ろす遊歩道まで近づくと、雨と滝のしぶきが区別できないほど細やかな水の粒が宙を舞い、頬を濡らす。滝の裏側を歩ける道に入ると、岩肌に反響する水音が一層深くなり、自然の息遣いに包まれたような心地になる。雨の中の滝はどこか神秘的で、人の気配を吸い込んでしまいそうな静けさをたたえていた。

写真15

滝を後にする頃には、空が次第に明るくなりはじめていた。傘を畳んで車を走らせ、次の目的地・豊後森機関庫へと向かう。道中、濡れたアスファルトに映る空の色が、少しずつ青く変わっていくのを眺めながら、気持ちも晴れていく。

豊後森の町に入ると、遠くに半円形のコンクリート構造物が見えてきた。かつての蒸気機関車の時代を支えた豊後森機関庫である。雨上がりの空の下、古びたコンクリートの質感が一層渋みを増して見える。扇形の庫内に向かって伸びるレールは、まるで時代の記憶が今もここに続いていることを示しているようだった。

写真16

機関庫前の広場には、保存された蒸気機関車「9600型」が静かに佇んでいた。濡れた鉄の表面が光を帯び、まるで今にも再び煙を噴き上げて走り出すかのような存在感がある。背後に広がる玖珠の山々も雨に洗われ、すっきりとした緑を見せていた。

写真17

雨に濡れた慈恩の滝と、雨上がりの空に映える豊後森機関庫。どちらも静かで、しかし確かに語りかけてくる風景だった。自然の力強さと人の営みの記憶――その両方に触れた旅は、短いながらも心に深く残るものとなった。


日本観光列車ガイド2025 日本のすごい鐵道 るるぶ大分 別府 湯布院 くじゅう'26 まっぷる 大分・別府 湯布院'26

250831_2025年7-8月の注目ゲーム

シミュレーション・ウォーゲーム愛好家の皆さま、お待たせしました!
本動画では、2025年7月~8月に発売された最新のボードウォーゲームを中心に、海外・国内問わず注目作をまとめてご紹介します。

戦史に基づいたリアルな作戦級・戦術級ゲームから、独自のシステムが光る話題作まで、今春リリースの主要タイトルを一挙にチェック!



ソロモン夜襲戦 欧州海域戦 海空戦南太平洋1942 FOX TWO!!
コマンドマガジン Vol.184『中国農場の戦い』 Game Journal 96-決戦!幕末維新:鳥羽・伏見の戦い&田原坂の戦い

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華麗なる一族

山崎豊子 新潮文庫

華麗なる一族(合本)
山崎豊子の『華麗なる一族』は、単なる財閥一家の物語ではなく、父と子の断絶、欲と権力にまみれた社会構造、そして「正しさ」が踏みにじられる理不尽な現実を鋭く描いた壮絶なドラマである。

本作を読んで最も強く印象に残ったのは、万俵大介という人物の非情なまでの冷酷さと、人間としての薄汚さである。彼は一見、経済人としての手腕に優れ、家族を養う責任ある父のように見える。しかしその実態は、自己保身と権力維持のために、血の繋がった子すらも手段として使い捨てる男である。息子・鉄平の心からの訴えに耳を貸すこともなく、むしろその真っ直ぐさを疎ましく思い、追い詰めていく姿は、あまりにも非道だった。

さらに、愛人・相子の存在が万俵家をさらに歪めていることも見逃せない。相子は本来、家に仕える身であるはずが、大介の後ろ盾を得て居丈高に振る舞い、万俵家の「女主人」然とした態度で家族を支配していく。正妻・寧子を見下し、娘たちには遠慮なく口を出し、何より鉄平の存在を最も嫌悪し、徹底して排除しようとするその態度は、もはや「図々しい」を通り越して「邪悪」ですらあった。

一方、鉄平は本作の中で最も誠実で、最も現代的な価値観を持った人物である。ものづくりの現場を大切にし、社員や社会への責任を真剣に考える姿には、読者として深く共感せずにはいられない。しかし、彼のまっすぐな生き方は、利権と打算に満ちた万俵家の論理にはそぐわず、最終的に彼は父や社会の都合によって追い詰められてしまう。その結末はあまりに理不尽であり、読み終えた今も胸に重くのしかかっている。

『華麗なる一族』は、華やかな表舞台の裏にある暗部を描いた作品だが、そこに込められた人間ドラマは普遍的である。金や権力を持つ者が正義になってしまう世界で、「正しさ」とは何なのか――鉄平の苦悩と悲劇を通じて、読者に深く問いかけてくる。読むほどに怒りと悲しみが湧き上がる、まさに“壮絶”な一冊だった。

お奨め度★★★★


華麗なる一族(合本) 華麗なる一族(上) 華麗なる一族(中) 華麗なる一族(下)
沈まぬ太陽1-5 不毛地帯1~5 白い巨塔1 二つの祖国1


Blue Water Navy Blue Water Navy(以下、本作)は、米Compass Games社が2019年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは1980年代における西半球全域を舞台とした米ソ両陣営の海上戦闘で、実際のは起こらなかった第3次世界大戦を扱った仮想戦ゲームだ。

今回は1989年戦術奇襲シナリオをVASSALでプレイした。うp主はNATO軍を担当する。

前回までの展開は-->こちら

3日目(2Turn前半)

US_FTR_F14_Kenビスゲー湾の米空母部隊に対してまたもやソ連軍の長距離爆撃隊数十機が飛来してきた。F-14トムキャットの編隊がこれを迎え撃ち、20機以上を撃墜した。生き残ったソ連爆撃機は大量の対艦ミサイルを発射してきたが、米艦隊の対空ミサイルがこれを迎え撃ち、その大半を撃墜・無力化した。しかし数発の対艦ミサイルが防御網を突破し、2隻の米駆逐艦に命中した。

US_STK_A6_S米艦隊はさらに北上して英本土西方海域に到達し、ノルウェーを進撃中のソ連軍地上部隊に対して攻撃隊を発進させた。ここでゲームの話をすると、本作ではノルウェーと南欧に対して爆撃や巡航ミサイル攻撃を行うことでWP軍の進撃を一定期間ストップさせる効果がある。具体的には3Hit与えると1Turn前進がストップし、6Hitなら2Turn、9Hitなら3Turnストップする。このゲームの勝利条件はWP軍による西欧の支配又はその阻止なので、WP軍の進撃をストップさせることは重要である。
WP軍の進撃をストップさせる方法は色々あるが、ノルウェーと南欧地区に対しては上記に示した空爆による阻止が可能。中欧と南欧に対しては補給物資を揚陸することでWP軍の進撃をストップさせることができる。逆に言えば、WP軍が西欧を支配するためには、大西洋を渡ってくるNATOの輸送船団を阻止しなければならない。

閑話休題。空母3隻からなる攻撃隊はノルウェー南部地区に対して乾坤一擲の攻撃を実施したが、今一つダイス目が振るわずにヒット数は3Hitにとどまった。何とか1Turn進撃を停められる打撃になる。

写真06


[US_SSN_Sturgeon]アメリカ東岸沖では、米対潜部隊が米本土東岸沖で行動中のソ連SSBN(弾道ミサイル原潜)を追いかけていた。これまではスパイ活動や米側のミスによって1隻のSSBNも撃沈できなかったが、カウンターインテリジェンスによってスパイ活動を抑え込むことでついにSSBNを追い詰めた。バミューダ東方海域で米スタージョン級の攻撃型原潜がソ連ヤンキー級SSBNのグループを捕捉し、3隻のヤンキー級SSBNを撃沈した。

4日目(2Turn後半)

米空母部隊はなおもノルウェー南部に航空攻撃を行う。今度は攻撃が成功し6Hitの追加打撃を得た。さらに潜水艦から発射された巡航ミサイルも命中し、さらに1Hitを追加した。

[FR_CV_Fosh]大西洋を東へ進むNATOの増援船団に対してソ連軍の長距離爆撃機編隊が襲いかかった。フランス空母「フォッシュ」を発進したF-8クルセイダー戦闘機がこれを迎え撃ったが、1960年代の戦闘機で超音速爆撃機を阻止する力はなかった。船団を守る護衛艦艇の対空ミサイルが頼みの綱であり、ソ連機の発射した対艦ミサイルの大半を撃墜したが、防空網をすり抜けた数発のミサイルが護衛艦隊に命中し、2隻を撃破した。

写真08


感想

今回は時間の関係でここで一旦終了とした。またルールミスがいくつか見つかったので仕切り直しをしたいという気持ちがあったこともある。
今回の対戦で判明したことは、1989年シナリオではソ連の潜水艦だけではなくソ連長距離爆撃機の存在も大きな脅威になることである。長距離爆撃機の脅威から艦隊を守るためには、空母戦力を結集して空からの攻撃に備えるしかない。しかし一方で空母が集結してしまうと、大西洋に散在する味方輸送船団全てに防空の傘を提供できなくなる。
今回のプレイでは、ソ連爆撃機が船団を無視して米空母に拘ってくれたため、船団に被害が及ぶことはなかった。しかし次回のプレイでは当然船団を攻撃してくるだろうし、場合によってはNATOの対艦ミサイルテクノロジーをスパイ活動で盗んできて、対艦ミサイルの威力を高めてくる可能性もある。
対抗手段としてはイージス艦による防空火力強化が考えられる。イージス艦は強力な対空火力を持っているが、如何せん対空火力を持続的に発揮できない欠点がある(すぐに弾切れを起こす)。そこで想定されるソ連長距離爆撃機による攻撃を1度だけ耐えることを目標とする。一旦ミサイル攻撃を凌いだら、空母の傘の下に入ってジブラルタルに近づいていく。一番怖いのはビスゲー湾で、ここを狙ってソ連の爆撃隊が飛来してきた場合、最大36火力の対艦ミサイルが飛んでくる。それに耐えるためには、イージス艦の対空ミサイルを再装填しておき、対空火力を30火力ぐらいまでは高めておけば、大規模なミサイル攻撃にもある程度耐えられよう。とはいえ、果たしてどこまでうまくいくのか、やってみなければわからないが・・・。



Blue Water Navy Game Journal 81-米中激突:現代海戦台湾海峡編
ソ連/ロシア原潜建造史 ソ連/ロシア空母建造史 F-14 トムキャット 世界の名機シリーズ スペシャル エディション Tu-95/142ベア

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