2025年09月
【伝説の国産SLG】ボードゲーム「ジャブロー戦役」徹底紹介!【1】
「ジャブロー戦役」は1981年に当時のツクダホビーから出版されたSLGである。テーマは当時大ヒットしていたアニメ作品「機動戦士ガンダム」における地上戦闘である。タイトルは「ジャブロー戦役」となっているが、実際にはジャブロー戦だけではなく、TV版で描かれている様々な地上戦闘がシナリオ化されている。デザイナーは岡田厚利氏。本作以外にも多数のアニメゲームデザインを手がけたツクダブランドを代表するデザイナーの一人だ。
コンポーネントは両面印刷されたマップが合計3枚、カウンターシート1式、ルールブック、そしてチャートが1枚である。マップには「ガンダム」で主要な戦場になった砂漠、森林、市街地、そしてジャブロー周辺の熱帯雨林ジャングルとジャブローの地下空間が描かれている。シナリオ毎に使う地図が決まっているので必要に応じて地図をつなげていく。
カウンターは、作品中に登場したMS(モビルスーツ)や戦車、各種車輛がユニット化されている。さらにパイロットやMSの携行火器がユニット化されている。例えば主人公機ガンダムの場合、機体を表すユニット、パイロットであるアムロのユニット、ビームライフル、ビームサーベルが2本、シールドの計6個ユニットがスタックすることになる。だから時には巨大なスタックが積みあがることになる。
ゲームシステムは、Avalon Hill社の「Squard Leader」のシステムを簡略化したものを採用している。Turn(本作の用語では「イニング」)の手順は、以下のようになっている。
・回復フェイズ
・準備射撃フェイズ
・移動フェイズ
・防御射撃フェイズ
・前進射撃フェイズ
移動ルールは一般的な陸戦ゲームと同じく移動力を消費するタイプ。ただしユニットのフェージング(向き)はない。また地形効果表が用意されておらず、地形コストがルールブックに記載されているのは(古いゲームとはいえ)不親切である。
射撃システムは命中判定と損害判定でそれぞれダイス(2d6)を振り、さらにその後に士気チェックが発生する場合がある。射撃の命中確率は結構高く、相手がアムロやシャアみたいな「回避バカ」じゃない限り、多くの場合命中を得るのは比較的容易だ。しかし命中したからといって撃破できる可能性はそれほど高くなく、 例えばガンダムのビームライフルがザクに命中した場合でも、パイロットの補正を考慮しなければキルできる確率は半分強である。
このあたりは筆者の感覚とちょっと違う所で、筆者としては「命中率はそれほど高くはないが、当たればキルするかしないかの二者択一」つまり「オールオアナッシング」方式が好みである。
白兵戦は射撃の代替手段として実施可能である。白兵戦は1対1で解決し、白兵戦を実施するMS同士の白兵戦値を比較する。白兵戦の結果は攻撃側又は防御側の損害として与えられる。従って一方的に相手に損害を強要できる射撃戦に比べると攻撃側のリスクは高い。実際にプレイしてみるとノーリスクの射撃戦と比べると白兵戦は挑みにくい。
シナリオは合計9本。全てがTV版で描かれた戦闘場面である。ほとんどがMS数機同士の戦いで、シナリオのプレイ時間は1時間以内である。例外は一番最後のシナリオ「ジャブロー攻防戦」。ジオン軍MS部隊が連邦軍本部ジャブローに降下し、それに対して連邦軍MS部隊が迎え撃つというものである。
今回プレイしたのは、この「ジャブロー攻防戦」である。
SetUp
連邦軍がマップ上に初期配置する。対空砲部隊はジャングル地域に配置し、その他のユニットは地下基地に配置する。連邦軍MS部隊は地下基地の出入り口付近に配置し、すぐに基地の外に飛び出せるように配置する。1Turn
ジャブロー攻略作戦開始。ジオン軍は計30機のモビルスーツを降下させる。他にアマゾン川を遡行するゾックと2機のゴックがジャブローを目指す。降下中にドム1機がアマゾン川に着水して水没、ザク1機がジャブロー入口の崖に激突して失われる。
さらに対空砲火でザク4機とグフ1機が撃墜され、ザク2機が戦闘不能となった。損害が多かったのは装甲の脆弱なザク部隊で、降下した9機のうち、この時点で無傷で残っていたのは3機だけだった。
2Turn
降下に成功したジオン軍モビルスーツはジャブローの入り口に向けて前進していく。それに対して連邦軍は、ガンダム以下数機のジムがジャブローの入口から森の中に出ていく。TVの画面では地下基地内で待ち伏せしていた連邦軍であったが、本作では勝利条件の関係上、連邦軍はジャングルに出て行かざるを得ない。「あのモビルスーツ、赤いモビルスーツ、シャアじゃないのか?」
「さらに出来るようになったな、ガンダム」
ガンダムとシャアのズゴックが距離5Hexで砲火を交える。ズゴックのビーム砲がガンダムをかすめたが、ガンダムに実害はなかった。
ジム隊とジオン軍モビルスーツ隊の激しい交戦。ジムの射撃によって2機のグフが爆散する。
3Turn
ジャングルの中で両軍のモビルスーツ同士が激しい戦いを繰り広げる。ジオン軍の反撃によってジム2機が爆発し、さらに1機が戦闘不能となって後退していく。一方前線に進出したカイ、ハヤトたち。
「ミハル、俺はもう悲しまないぜ。お前みたいな娘を増やさせないために、ジオンを叩く!徹底的にな」
と、怒りに燃えるカイの射撃でドム1機が爆散する。
「カイさん、やるな」
とハヤトも意気込むが、ドムのバズーカ弾がガンタンクを直撃。そのショックでハヤトは気絶してしまう。
つづく
書籍紹介「ミッドウェー戦記」
ミッドウェー戦記
亀井宏 講談社文庫
太平洋戦争の帰趨を決したミッドウェー海戦を、日本側視点で克明に描いた戦記ドキュメントである。その最大の魅力は、戦場の当事者たちからの丹念な取材をもとに、現場の空気や混乱、意思決定の迷走を臨場感をもって描き出している点にある。戦後数十年を経てもなお、関係者の証言を地道に集めた労力には、素直に敬意を表したい。
本書は日本側の視点に重点を置きながらも、アメリカ軍の動向や状況についても一定のリサーチがなされており、戦記としての客観性を保とうとする姿勢も感じられる。ただし、アメリカ側の攻撃隊に関する描写では、やや粗雑なまとめ方が見受けられたのが残念だった。「飛行時間4時間以下のものが多数含まれていた」という記述には、出典や調査方法に対する疑問が湧く。どの資料をもとに、どの部隊を指しているのか明示されておらず、練度不足と一括りにしてしまうのは、戦記としての緻密さを損ねているように思われた。
また、本書では通俗的に語られがちな「運命の五分間」--つまり日本空母艦上での攻撃隊が発進直前状態であり、あと5分あれば被爆前に全機発進できたという物語構造--に対し、懐疑的な立場を取っている点が興味深い。実際には、「運命の5分間」はフィクションで、3空母被爆時点で攻撃隊の準備は全く終わっていなかったのが真相であり、通説に流されない著者の視点には好感が持てる。しかし一方で、空母「赤城」「加賀」「蒼龍」が相次いで被爆する描写には、かえって「運命の五分間」を想起させるような場面描写が混ざり、読者としては若干の違和感を覚えた。せっかくの批判的な視点が、演出によって中和されてしまっているように感じたのである。
それでも本書は、戦記として十分に読み応えがあり、当時の空母戦の実態や、海戦における人間ドラマを描き出す点においては非常に優れている。特に、被爆した日本空母や重巡の艦内で繰り広げられた悲惨な戦闘場面の描写は、決して英雄賛美に陥ることなく、凄絶な戦争の一断面として読者の胸に迫る。
『ミッドウェー戦記』は、戦史に興味を持つすべての読者に一読を勧めたい優れた記録文学である。部分的には検証の甘さや演出過剰と感じられる点もあるが、全体としては当時の空気と現場の緊張感を鮮烈に伝える、貴重な一冊である。
お奨め度★★★★
横浜関内「饂飩頑陣 別邸」の肉鶏天うどんで味変を楽しむ
横浜・関内にあるうどんの名店「饂飩頑陣 別邸」。食べログ「うどんEAST 百名店」にも選ばれた実力派です。今回いただいたのは、看板メニューの「肉鶏天うどん(890円・冷)」。特盛まで無料という太っ腹なサービスも魅力。
まず目に入るのは、たっぷりの豚肉と大きな鶏天。豚肉は甘辛く味付けされ、だしとの相性は抜群。鶏天は衣サクサク、中はふっくらジューシーで、食べごたえ満点。青ねぎとおろし生姜が全体を引き締め、さっぱりとした後味も演出します。
麺は極太でモッチモチ、冷たいつゆとの組み合わせが最高です。関西風のすっきりとしただしは、旨味がしっかりしており、肉の脂や天ぷらの香ばしさと見事に調和。最初の一口から箸が止まらなくなります。
途中で生卵を投入すると、ここで味に大きな変化が。甘辛い肉やだしに、まろやかなコクが加わり、まさに“味変”の楽しさを実感。生卵が無料というのも嬉しいポイントで、最初から入れずに途中投入がおすすめです。
最初は素材の力、途中でだしと具材の一体感、そして生卵での味変という三段構え。価格、ボリューム、味、全てにおいて満足できる一杯でした。うどん好きはもちろん、ガッツリ派にもおすすめです!
お奨め度★★★























