もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

2025年11月

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ベートーヴェン捏造-名プロデューサーは嘘をつく

かげはら史帆 河出文庫

ベートーヴェン捏造: 名プロデューサーは嘘をつく
本書は、音楽家ベートーヴェンの秘書であったアントン・シンドラーが行った「会話帳」の改ざんや破棄に迫るノンフィクションである。会話帳とは、耳の聞こえなくなったベートーヴェンが筆談で用いた貴重な史料であり、彼の思想や日常を伝える重要な記録であった。しかしシンドラーは、自分の立場を高めるため、また「苦悩する天才」という英雄像を強調するために、会話帳の多くを削除・改変し、さらには虚偽の解釈を広めていった。本書は、その捏造の実態と影響を明らかにし、ベートーヴェン像がどのように歪められてきたのかを解き明かしている。
読んでいて最も衝撃を受けたのは、交響曲第5番の副題「運命」がシンドラーの捏造であったというくだりである。私は長年、「運命の扉を叩く音」という逸話とともにこの曲を聴いてきた。しかし、それが根拠のない作り話だったと知った瞬間、今まで当然のように受け入れていた音楽史の常識が音を立てて崩れ落ちた。
シンドラーの行為は、歴史を私物化し、後世の人々を欺いた重大な過ちである。いかに彼の演出がベートーヴェンの名声を高め、広める役割を果たしたとしても、その行動を肯定することはできない。真実を意図的に歪めた以上、彼の行為は批判されるべきだ。
ただし、シンドラーという人物自体には強い興味を抱いた。彼は自らの才能や業績ではなく、偉大な芸術家に寄り添うことでしか自己を証明できなかった。その姿は哀れであると同時に、人間の弱さや執着心を象徴する存在でもある。ベートーヴェンを利用しつつも、その人生をすべて彼に捧げてしまったシンドラーの姿には、否定しきれない人間的な魅力があった。
この本は、ベートーヴェンの実像を知る手がかりであると同時に、私たちが「真実」と信じるものがいかに脆く、また人間の意図に左右されやすいかを教えてくれる。歴史における事実と虚構の境界を考えるうえで、非常に示唆に富む一冊であった。

お奨め度★★★★

ベートーヴェン捏造: 名プロデューサーは嘘をつく 歴史学ってなんだ? 戦史 七年戦争 フリードリヒ大王の指揮 フリードリヒ大王
ナポレオンの戦役(Les Batailles de Napoleon) ナポレオン フーシェ、タレーラン 情念戦争1789-1815 皇帝ナポレオン第1巻 ナポレオン戦線従軍記

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いつも秋になると出かける北海道の大雪山系。
今年の秋山も大雪山系の赤岳(2,078m)へ。紅葉の名所として名高い銀泉台を起点に歩いてきました。

銀泉台から出発

例年この時期は大雪湖レイクサイトからシャトルバスが運行されていて、シャトルバス利用で銀泉台に入るのがパターンなのですが、今年はシャトルバスの運行が土休日のみとなり、平日は一般車が銀泉台の駐車場に直接上がるパターンになりました。ただし途中の道路が幅員が狭く離合が困難な場所が多いので、時間帯を決めて上り専用、下り専用で運行されるようです。この方式は有難い。

層雲峡に前泊し、宿を5時過ぎに出発。車で約20分の大雪防災センター近くの分岐に着いたのは0540頃。ゲートが開く6時前まで車内で待機します。

6時前にゲートが開いたので、車で山道を登っていきます。距離約15km、所要時間約30分で銀泉台の駐車場に到着。そこでトイレなどの準備を整えて出発したのは6:30頃でした。まだ空は曇っていましたが、登山口周辺からすでにナナカマドやダケカンバが色づき、山全体が秋の装い。出発直後から気分が高まります。

第1花畑

赤岳登山口から急な登りを10分間ほど登ると、いきなり眼前に紅葉の絶景が出現します。これが有名な銀泉台の紅葉で、北海道の大雪地方を代表する紅葉風景です。天気が曇り気味なのがやや残念ですが、それでも美しい紅葉が広がっています。

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さらにそこから山道を登っていき、30分ほど歩いた所が第1花園です。ここは銀泉台の紅葉を真上から眺められるポイントで、赤岳登山コースの中でも屈指の絶景ポイントです。夏には高山植物が咲き乱れる場所ですが、秋には一面が黄金色と深紅の世界に変わり、草紅葉が斜面を染め上げていました。

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駒草平から第三雪渓へ

さらに岩のゴロゴロする歩きにくい登山路を少しずつ上がっていき、第2花園、奥の平を過ぎると、視界の広がる気持ちの良い高原地帯に出ます。ここが駒草平。その名のとおり夏にはコマクサが咲く台地で、この時期は赤や黄色のグラデーションが鮮やかに広がっていました。ここから見上げる赤岳の姿は堂々としていて、山頂への期待が高まります。

ここから歩いてやがて前方に見えてくるのが第三雪渓。さすがに秋になるともう雪は見えませんが、斜面上に赤や黄色の斜面が広がり、曇り空ながらも美しいコントラストを見せていました。

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赤岳山頂へ

第三雪渓からは急な登り坂になり、息を喘ぎながら登り切った所が第四雪渓。ここは第三雪渓のような派手さはありませんが、草紅葉が美しい場所です。そこからさらに歩いて最後の急登を登り切れば。そこが標高2,078mの赤岳のピークになります。生憎空は灰色の雲に覆われていましたが、遠方に錦秋の大雪山が見えていました。天候に恵まれなくても、ここに立てた喜びは格別です。

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青空に映える紅葉

下山を始め、再び駒草平に戻ってきた頃、ついに青空が顔を出しました。雲が切れて光が差し込むと、紅葉が一気に鮮やかさを増して輝き出します。思わず足を止め、その美しさに見入ってしまいました。

あまりの感動に、第三雪渓まで引き返して紅葉を撮り直すことにしました。太陽の光に照らされて青空の下に光り輝く紅葉は、やはり曇り空とは違った魅力がありました。

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第1花園まで戻ってきた時、折り悪く下から霧が上がってきたので霧が晴れるまでベンチで休憩しました。霧が晴れたタイミングで第1花園と銀泉台で青空を背景に美しい紅葉写真をたっぷり撮影しました。

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下山と余韻

銀泉台の駐車場に戻ったのは13時15分。往復およそ6時間半。最初は曇り空にやや残念な気持ちもありましたが、最後に青空と紅葉の共演を堪能できて、まさに大満足の山行となりました。

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コマンドマガジン Vol.185『ガザラの戦い』
2025年10月発売の『コマンドマガジン185号/ガザラの戦い』を徹底紹介! 
本作はSPIの名作「Four Battles in North Africa」シリーズの一作をベースに、コンポーネントを一新させた新版です。
この動画では、ゲームの基本システムと、内容物を詳しく解説します。

第二次世界大戦・北アフリカ戦線の混沌とした戦いを再現する本作の魅力を、ぜひご覧ください!




コマンドマガジン Vol.185『ガザラの戦い』 コマンドマガジン Vol.182『クルセーダー作戦』 NO RETREAT2
ロンメルとアフリカ軍団戦場写真集 ロンメル将軍 副官が見た「砂漠の狐」 「砂漠の狐」回想録 エル・アラメインの決戦: タンクバトル2

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Clash of The Carriers

Barrett Tillman Dutton Caliber

Clash of the Carriers
本書は、太平洋戦争における最大級の空母決戦「マリアナ沖海戦」を題材としたノンフィクションである。本書は「マリアナの七面鳥撃ち」と揶揄されるほど一方的な戦いの実相を、緊張感あふれる筆致で描き出している。
まず印象的なのは、米軍と日本軍の戦力差が数字以上に克明に示されている点だ。航空機の性能、レーダーや戦術の差、そして何よりパイロットの練度。この三つの要素が積み重なって、日本側の敗北はほとんど必然であったことがよく理解できる。読んでいて痛感するのは、日本の空母部隊が「艦隊」と呼ぶにはあまりに脆弱で、訓練不足の搭乗員たちを戦場に送り込まざるを得なかった悲劇である。
また、本書の魅力は戦術や戦略の分析だけにとどまらない。著者は米軍パイロットの証言を多く取り上げ、空戦の緊迫感を生々しく描写している。雲を突き抜けながら敵影を探す緊張、撃墜の瞬間の興奮、そして仲間を失う悲しみ。単なる「戦果の記録」ではなく、戦争を戦った人間たちの体温を伴った物語として読ませる力がある。
一方で、日本側の記録や視点は限られており、その点ではやや偏りを感じる。日本側から見た「なぜ負けたのか」「何を守ろうとしたのか」という掘り下げが少ないため、読者によっては物足りなさを覚えるかもしれない。しかし、それを補って余りあるのが、戦場の臨場感と米軍側の組織的戦力運用の描写である。
総じて、『Clash of the Carriers』は戦史に詳しくない読者でも楽しめる読み物であり、同時に空母戦の本質を理解するうえで欠かせない一冊だと感じた。マリアナ沖海戦が「日本海軍航空戦力の終焉」であったことを、改めて強く印象づけられる。

お奨め度★★★★

Clash of the Carriers The Fast Carriers: The Forging of an Air Navy マリアナ沖海戦-母艦航空隊の記録 連合艦隊: サイパン・レイテ海戦記
海空戦南太平洋1942 Carrier Battle - Philippine Sea Pacific War

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川崎駅から歩いてすぐ、ふらっと立ち寄れる「元祖油堂 川崎駅前店」。食券を買って席につけば、ほどなくして油そばが目の前に。まず印象的なのは、その見た目の美しさ。整った盛り付けは、シンプルながらどこか品があり、箸を入れる前から期待が膨らみます。

麺をよく混ぜてひと口。モチモチした食感とタレのコクがしっかり絡み合い、最初は素直に「美味しい」と思わず頷いてしまう。ところが食べ進めるにつれ、少しずつ味が単調に感じてきます。そこで出番となるのが卓上の調味料。

胡椒をひと振りすればピリッと引き締まり、青のりを加えればふわっと香りが広がる。さらに魚粉を混ぜ込めば、一気にパンチの効いた味わいに変化。味変を重ねるたびに新しい表情を見せてくれる一杯は、最後まで飽きさせません。

そして気になったのが「追いメシ」。残ったタレにご飯を投入してかきこむ裏ワザ的な食べ方ですが、今回は残念ながら見送り。次こそは必ず挑戦したいところです。

見た目の華やかさから始まり、シンプルな旨味、そして調味料での変化。川崎駅前で油そばを楽しむなら、ここ「元祖油堂」で決まりかな?

お奨め度★★★

・元祖油堂 川崎駅前店

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