日本の鉄道には聖地と呼ばれる場所がある。その1つが鹿児島県南西端に位置する枕崎駅。今一つが北海道最北端の稚内駅である。これらはJR線のそれぞれ南と北の終端点であり、全ての鉄路はこれらの駅と繋がっている(勿論例外もある)。
今回、この2つの聖地を青春18切符を使って乗り通してみた。
前回までは-->こちら
福島~米沢
青春18切符だけを使って日本縦断を試みる場合、福島から山形、秋田を経由して青森に至る奥羽本線は、重要ルートの1つと言える。東北地方の幹線ルートは、いうまでもなく福島~仙台~盛岡~青森と繋がる東北新幹線ルートである。しかしこのルートは、途中区間である盛岡~青森間がJR線ではなく第3セクター線になっていて18切符では乗車できない(例外的に青森~八戸間は18切符での乗車が可能)。従って18切符だけで東北地方を縦断しようとすれば、どうしても奥羽本線経由のルートを通らざるを得なくなる。ただし、今回使っている「北海道&東北パス」では、18切符とは違って盛岡~青森間の第3セクター線が利用可能である。
今回は一応「青春18切符による旅行」という建前なので、可能な限り18切符準拠のルートを利用することにしたい。だから奥羽本線経由で青森を目指す予定だ。ただ、この路線は豪雪地帯としても有名で、大雪による遅延や運休は日常茶飯事。従って可能な限り奥羽本線経由を目指すが、悪天候時のエスケープルートとして盛岡経由のルートも考慮しておくこととした。
0804福島発の米沢行きは2両編成。事前に調べてきた運行情報によると、秋田地区の羽越本線と五能線で強風による遅延・運休の可能性があるとのこと。ただ。奥羽本線は今のところは特に障害等はなさそうだ。そこで当初の予定通りこの列車に乗ることにした。
福島市内では雪がなかったが、福島~山形県境付近の吾妻山系はさすがに豪雪地帯と言われているだけのことはあり、一面雪景色状態であった。列車から見る分には美しい景観だけど、線路の保線作業の皆さんにとっては忌々しい景観なんdろうなぁ・・・
米沢~山形
米沢駅には0900頃に到着。雪は降っているが、普段の物凄い雪景色に比べると、やや大人しい感じがする。米沢発9839の山形行きに乗る。米沢~山形間は比較的都市化が進んでいるので、福島~米沢間で見たほどの物凄い景観はない。それでも赤湯温泉付近では、雪に白く染まる温泉街を上から見下ろすことができる。
山形には1030頃に到着。取り敢えずここまでは順調だった。
山形~新庄
乗り換えまで時間があったので、駅ビルのスタバでお茶を飲む。次の新圧行きは1130発。2両編成ロングシート。帰省ラッシュと重なっているので車内は結構混んでいた。天童でかなり空いたが、それでも座席が埋まるぐらい。ロングシートなので、車窓撮影もままならず。しかも雪によって列車は遅れ気味。終点新荘には約10分遅れの1300丁度ぐあいに到着した。
新荘~秋田
新庄駅では昼食を取る予定にしていたが、お目当ての蕎麦屋が閉まっていた。仕方がないので、コンビニで購入した駅弁を食べる。新庄からは1336発の秋田行きに乗る。ロングシート2両編成。やはり混んでいた。帰省ラッシュと重なっているから仕方がないか。新幹線との接続遅れで発車が約10分遅れる。
ロングシートでかつ混雑している車内では、観光気分を味わえる訳もない。途中の湯沢や十文字で半分以上降りて車内はかなり空いてきたが、それでも乗ってくる客もいる。横手、大曲と過ぎ、秋田の手前の羽後境駅で対向列車待ちの長時間停車。これでさらに列車が遅れる。
結局、秋田には定刻から約25分遅れの1640頃。次の青森行きには間に合う時間だったが、秋田駅でノンビリする時間はもうない。
秋田~青森
今日のラストランナーは、秋田発1650の青森行きである。例によってロングシートの3両編成。雪の舞うホーム上を、慎重に歩いて列車に乗り込む。この列車もそこそこ混んでいたが、帰省客というよりは秋田駅周辺から家路に向かう人たちがメインなように思える。デカイ荷物を持った客もいたが、どちらかと言えば軽装の若者が目立つ。
周囲はもう真っ暗なので、車窓風景は何もない。とにかく退屈な旅が続く。3時間以上の乗車を経てようやく青森に到着。本州最北端の県庁所在地は、雪に埋もれていた。
つづく
コメント