230103_18切符枕崎~稚内


日本の鉄道には聖地と呼ばれる場所がある。その1つが鹿児島県南西端に位置する枕崎駅。今一つが北海道最北端の稚内駅である。これらはJR線のそれぞれ南と北の終端点であり、全ての鉄路はこれらの駅と繋がっている(勿論例外もある)。
今回、この2つの聖地を青春18切符を使って乗り通してみた。

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旭川~名寄

今日は遂に稚内への最終行程である。旭川~稚内は、早朝6時過ぎに出発する列車と昼前後に出発して名寄で乗り換えるプランの2パターンがある。早めに出た方が現地到着も早いのだが、今日の所は宗谷本線の普通列車は定刻通り運転しそうだし、またホテルの朝食をパスするのも勿体ないと思ったので、昼前の出発プランとした。

少し遅く起きた朝の旭川駅。相変わらず雪が降り続いている。駅前のスタバが空いていたので、コーヒーを飲みながら約1時間時間を潰す。

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旭川駅に戻ったのは1100過ぎ。昨日から函館本線のダイヤが雪で大いに乱れている。特急列車の大幅遅延で旭川駅の特急ホームは客でごった返していた。正月のUターンラッシュと大雪が重なって旭川駅はパニック状態である。

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そんな日にワザワザ北に向かう物好きはいるのか。名寄行きの快速「なよろ1号」は新型H100系の1両編成。トイレがデカくて座席が少ないH100系なので、座る所が残っているのか少し心配ではあったが、幸い座席は十分に残っていた。

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快速列車は定刻通りに旭川駅を発車。雪に沈む旭川市街を横目に見ながら列車は宗谷本線を北に向かう。塩狩峠では雪の峠道を新型車両は苦もなく駆け抜ける。峠を抜けると平野部に出て、大雪に沈む和寒、剣淵、士別といった集落を抜けていく。終点名寄にはほぼ定刻の1250頃に到着。名寄の町も大雪に埋もれていた。

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名寄~稚内

名寄駅前の食堂が空いていたので食事をとる。駅に戻って時間を潰していると、駅構内にラッセル車が入線してきた。これはチャンス。入場券200円を買って構内に入り、ラッセル車の写真を撮る。

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名寄1459発の稚内行きはキハ54系1両編成。私にとっては今よりも若かった頃に道東や道北を旅した時に愛用していた車両だ。乗客は8名ぐらい。途中の音威子府までに半数の4名が下車した。

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音威子府で約1時間の長時間停車がある。遅れていた特急「サロベツ」にここで追い抜きを食らう。夕方から夜にかけて雪景色の中で停車するディーゼルカーは実に美しい。

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先行する特急列車が遅れているため、音威子府を30分遅れで発車。やれやれ、やっと発車したか、と思って車内でノンビリしていた。外はもう真っ暗で何も見えない。天塩中川を過ぎたあたりで列車が急停車した。どうやら鹿とぶつかったらしい。ヤレヤレ。
鹿が車体に挟み込んでしまったとかで、処置にかなり時間がかかってしまった。保安要員を呼んだりなんやらして、2時間ほどしてようやく復旧したのが2100頃。この分では一体いつ稚内に着けることやら。

発車したと思ったら束の間、次の次の雄信内駅で対向車待ちの長時間停車。一体いつになったら稚内に辿り着けるのやら・・・。考えてみたら、この列車が単線区間で立ち往生していたのだから、旭川方面に向かう上り列車も立ち往生していた訳で。ということは、この駅で退避して対向列車をやり過ごすのも仕方がないことだ。それにしても、この雄信内駅。昔風の駅舎があって興味深い。

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3時間以上遅れて雄信内駅を発車。ようやく稚内へ向けたラストランが始まる。稚内に着いたのは2300少し前。駅前はライトアップされていたが、町全体は吹雪の中で静かに佇んでいた。

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ちなみに稚内駅前にあるコンビニは23時閉店なのでギリギリで閉店した後だった。これで今日は晩飯抜きが決定した。地吹雪の吹き荒む中、まるで雪山登山を彷彿させるような状態。とにかく転倒しないように注意しながら、宿に辿り着く。
飯抜きなので腹ペコだったが、とにかく無事に旅をやり遂げたのは良かった。

つづく