「現代海戦台湾海峡編」(以下、本作)は、2021年にGame Journal誌81号の付録ゲームとして発売された。テーマは台湾を巡る米中の海上戦闘で、1Hex=50~60km、1Turn=4時間、1ユニット=艦船1隻のスケールで描いている。
前回は 動画で本作の概要を紹介した。
そこで今回はソロプレイ形式で本作のゲーム展開を追ってみたい。
また前回の動画で間違えていたルールについても、今回は正しいルールで再戦したいと思っている。
1Turn(開戦1日目0500~0800)
共産側の台湾侵攻部隊が中国本土東岸の港湾から続々と出撃していく。台湾海軍は共産側との直接交戦を避けて台湾東方海上に出撃。同方面で対潜戦を実施する。対潜戦は地味だが、台湾海軍だけで共産側水上部隊と戦っても壊滅することは避けられない。一方、後半登場する米空母機動部隊にとって共産側水上部隊は左程脅威にならず(イージス艦の対空火力が強力なため)、それよりは共産側原潜部隊の方が脅威が大きい。だからまず危険度の高い共産側潜水艦を可能な限り排除しようとするのが台湾海軍の意図である。一方、今回の主役というべき米第7艦隊は、強襲揚陸艦「アメリカ」を主力とする海兵揚陸部隊が佐世保を出撃。空母「ロナルド・レーガン」を基幹とする空母機動部隊がグアム方面から台湾を目指す。
2Turn(開戦1日目0900~1200)
共産側基地空軍が、台湾東方で台湾水上部隊を捉えた。対艦ミサイル攻撃でフリゲート艦3隻を撃破。一気に台湾側水上戦力が半減した。一方、米海軍原潜「ハワイ」が南大東島沖で共産側潜水艦「遠征38号」(元級)を攻撃。これを撃破した。
3Turn(開戦1日目1300~1600)
米原潜がさらに戦果を挙げた。ベテランのロサンゼルス級原潜「コロンバス」が、共産側潜水艦「遠征24号」(宗級)を撃破。また台湾海軍の旧式潜水艦「海龍」が共産側潜水艦「遠征32号」(元級)を撃破し、一矢を報いた。共産側は揚陸部隊1部隊が台湾北部の基隆に上陸。最初の地歩を築いた。
4Turn(開戦1日目1700~2000)
米原潜がさらに共産側潜水艦1隻を撃破した。基隆近海では、台湾空軍が大規模な航空攻撃を実施して反撃。共産側の052C型ミサイル駆逐艦「鄭州」を撃沈した。
5Turn(開戦1日目2100~2400)
第5~6Turnは夜間Turnになる。夜間Turnは航空機の能力が制約される。基隆に共産側の第2波上陸部隊が上陸した。さらに別の船団が台湾南部の高雄地区に近づく。
6Turn(開戦2日目0100~0400)
共産側の上陸部隊が高雄地区にも上陸した。高雄に向かう第2波上陸部隊に対して台湾空軍が攻撃。護衛の052D型ミサイル駆逐艦「南寧」を撃破した。この時点で状況を整理すると、共産側の上陸作戦はほぼ順調に推移。共産側上陸部隊は完全に無傷で台湾に上陸した。台湾海軍はほぼ壊滅。わずかに駆逐艦1隻と潜水艦1隻が作戦行動可能な状態であったが、そのうちの駆逐艦1隻は燃料不足のため高雄港に緊急帰還した。
米第7艦隊の空母打撃部隊は、空母「ロナルド・レーガン」、イージス巡洋艦1隻、イージス駆逐艦3隻、補給艦1隻で南西諸島付近を航行中。台湾近海まであと数時間の距離に迫っていた。また佐世保を出航した強襲揚陸部隊は、強襲揚陸艦「アメリカ」、イージス駆逐艦3隻、ドック型揚陸艦2隻で沖縄那覇港に入港し、台湾方面進出への機会を伺っていた。
つづく
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