Red Storm(以下、本作)は、2019年に米国GMT社から発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1987年における東西ドイツ上空における航空戦闘である。実際に起こらなかった戦争を再現する本作は、一種の「仮想戦」ゲームといえる。ゲームシステムについては、 以前に記事や、以下の動画を参照されたい。



今回は、その中からシナリオRS12:Second Echelon Forcesをプレイしてみた。プレイスタイルは、VASSALを使った対人戦である。今回、私はNATO側を担当した。

前回までの展開は --> こちら

6Turn

イベントにより、先にF-16Aと交戦したばかりのMiG-23MLDがアボートした。
MiG-23Mの編隊とWGの西ドイツ空軍のF-4Fファントムが交戦した。BVR戦闘でMiG-23を1機撃破。しかしその後の空中戦で西ドイツ軍のF-4FはAbortしてしまう

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7Turn

RU_SA11_FWP側のSAM部隊が次々とミサイルを発射する。狙われたのはSEAD機、CAP機、そしてBQM-74無人機である。多数のミサイルが発射されたが、強力なスタンドオフジャミングにより命中弾はなし。

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8Turn

攻撃隊の前方を先行中のBQM-74無人機の編隊が次々とWP側のSAMに捕捉された。

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10Turn

BQM-74C 1機がSAMを食らって撃墜される。しかし、SAMに食われたのが囮の無人機であることは、まだWP側にはまだばれていない。

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11Turn

2機目のBQM-74CがSAMを食らって撃墜される。しかし、これまたばれていない。
MiG-23Mを米軍のF-4Eファントムが捕捉。AIM-7FスパローによるBVR攻撃によって1機を撃墜する。パイロットは脱出に失敗して戦死。本シナリオ両陣営通じて最初の有人機撃墜である。

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12Turn

「騙された、奴らは無人機だ」

EG_MiG21_PreussWP軍機甲部隊に近づくNATO爆撃編隊を叩くべく接近してきた東ドイツ空軍のMiG-21のパイロットが叫んだ。彼らが見たのは、中高度を悠然と飛ぶ米軍のドローン機、BQM-74Cチューカーの大編隊である。ただちに地上に情報が転送された。地上のWP側SAM部隊もパニックに陥った。なんせ今まで必死になって撃ち落していた目標が、何ら価値のない無人機だと気づいたのだから・・・。

US_F4_Denverしかし貴重な情報を伝えたMiG-21の編隊にも危機が迫っていた。米軍F-4Eファントム2機からなるDenver小隊が 右後方から接近してきたのである。距離5海里から発射されたAIM-7Fスパローの攻撃でMiG-21の1機が撃破され、そのままドッグファイトに突入した。ファントムとMiG-21で格闘戦性能はほぼ互角であったが、練度が段違いであった。MiG-21は2機とも撃墜され、ファントムは無傷であった。

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勝利を収めたDenver(ファントム)隊であったが、次の瞬間四方から対空射撃とミサイルを浴びせかけられた。短射程のSA-13赤外線誘導ミサイルが発射されたが、ファントムはフレアをまき散らしながら辛くもミサイルを躱した。

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RU_MiG23_Budarin先に1機を失っていたソ連軍MiG-23M小隊にも別のファントムが迫ってきた。先にAIM-7Fスパローミサイルによる攻撃で初戦果を挙げたMiller小隊である。MiG-23の後方から接近したファントムは、MiG-23を格闘戦に持ち込み、AIM-9Lサイドワインダーの攻撃で生き残った最後のMiG-23を撃墜した。米軍の損害は皆無である。

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13Turn

CA_CF18_BanksSEAD任務を担うカナダ空軍のCF-18ホーネット隊が、対空火器を制圧するために目標に突っ込んでいく。隠れていたSA-13赤外線対空ミサイルが発射されたが、ホーネット隊(Banks隊)はフレアを撒きつつ回避する(まるで「トップガン・マーベリック」の1シーンを見るよう。
低い高度の雲を突き抜け、大地をかすめて目標の対空陣地に近づくホーネットが、今まさに対地ロケット弾を発射しようとした時、対空砲火の弾幕射撃が目標を捉えた。ホーネットの1機が被弾して墜落(パイロットは戦死)、もう1機のホーネットも被弾して重大損傷を受けてヨロヨロと離脱していく。

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CA_CF18_Jasper別のホーネット隊は引き続いて突入する。ホーネット隊(Jasper隊)は先にミサイルを発射したSA-13部隊を対地ロケット弾で攻撃する。赤外線誘導の地対空ミサイル部隊は、スタンドオフジャマーや自己防衛用電子装置の妨害を受けないので、意外な強敵なのだ。ロケット弾の直撃を受けてSA-13部隊が壊滅したが、まだどこに敵の地対空ミサイル部隊が隠れているかはわからない。

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14Turn

CA_CF18_Jasper先にSA-13部隊を撃破したカナダ空軍のCF-18ホーネット隊(Jasper隊)は、先にBanks隊に大損害を与えた対空陣地に高速で突っ込んでいく。対空砲火が激しく打ち上げられる中、Jasper隊は砲火の中を突っ切って対空陣地に対して20mm機関砲による激しい銃撃を加える。対空陣地は制圧1の結果を受けて、少しだがその威力を減じた。そしてJasper隊は雨のような対空砲火を無傷で潜り抜けて無事離脱に成功した。

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CA_CF18_Dackしかし別のホーネット隊はそうはいかなかった。3番目に突入したDack隊は激しい対空砲火の中を目標に突進。隠れていたSA-13赤外線誘導ミサイルの伏撃は辛くも回避。しかし対空弾幕を躱しきれず、1機が被弾して撃墜されてしまう(パイロットは脱出して捕虜になる)。残った1機が対空陣地にロケット弾攻撃を浴びせるも、ロケット弾は目標を逸れた。

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カナダ空軍ホーネット隊の中で、最後に突入したのは、Boyle隊である。Boyle隊は、正面から打ち上げられたSA-11地対空ミサイルを強力な電子戦でねじ伏せ、激しい対空砲火もモノともせず見事な突入攻撃を見せた。ロケット弾の斉射で対空砲陣地に制圧2の結果を与え、これによって制圧値の合計は3になった。

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15Turn

カナダ空軍のSEAD隊は戦場離脱していく。彼らは全8機のうち2機を失い、1機が大破するという大損害を被ったが、WP側対空陣地に打撃を与え、後に続く攻撃本隊の攻撃を援護する役割を見事に果たした。それにしても、ARMなしでSEAD任務を行う過酷さを改めて感じた次第である。

[WG_Tornado_Lukas]SEAD隊の後方からはいよいよ攻撃本隊が目標上空に近づいてくる。低く垂れこめた雲が急降下爆撃や中高度からの精密誘導兵器による攻撃を阻害し、危険とは知っていながらもトーネード隊は地表をかすめるような超低空飛行で目標に近づくしかなかった。

トーネードが搭載しているのは、MW-1Bという特殊な兵器である。多目的ディスペンサーと呼ばれるこの兵器は、目標上空で多数(112発)の子弾をバラまき、それぞれの子弾が目標を撃破するというものである。戦車や装甲車両、対空火器の制圧に威力を発揮する。これを搭載した西ドイツ空軍のトーネードは、ソ連戦車隊上空でこれを発射。戦車隊に4打撃を与えた。

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つづく



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