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前回の 「破壊の戦士」 に引き続き、1981年オリジンズ、トーナメントシナリオをプレイする。2回目に選んだのは「北方軍集団最初の危機」。1941年6月25日、開戦から4日目のダウガヴァ川。快進撃を続けるドイツ軍の前に現れた謎の重戦車KV-1。ソ連戦車の反撃を阻止できるかドイツ軍。
ソ連軍の兵力はKV-1重戦車3両、T26S、BT5が各2両の計7両。そして支援の歩兵である。

Soviet_KV_tank_2


対するドイツ軍は3号戦車が3両の37mm対戦車砲1門、そして切り札の88mm高射砲が1門。そして支援の歩兵である。

ソ連軍の勝利条件は戦車3両以上を盤の西端から突破させること。ドイツ軍はその阻止である。
私はドイツ軍を担当した。

TS01


初期配置

このシナリオでは、ドイツ軍は車両に乗った状態で初期配置しなければならない。マップの各地に戦車とハーフトラックを散開配備させてソ連軍を待ち受ける。

写真08


1Turn

前半

ソ連軍はBT5軽戦車を先頭に立てて戦線左翼を突いてきた。戦線左翼に布陣していた3号戦車2両が砲塔を回してソ連戦車を迎え撃つ。ベテラン戦車長(9-2)の指揮する3号戦車が腕の冴えをみせてBT5軽戦車に命中弾を与えた。爆発炎上する。BT5。しかし喜びも束の間。ドイツ戦車の前面には、正体不明の重戦車が近づいて来た。

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後半

3号戦車が正面から迫る正体不明の重戦車に50mm徹甲弾を命中させた。しかし正体不明の重戦車は、至近距離から徹甲弾を食らっても平然としている。

「こいつは化け物か」

驚愕するドイツ戦車兵。その横に布陣したドイツ歩兵が正体不明の重戦車に激しい銃撃を浴びせる。ハッチオープンで外部を視察していたソ連戦車兵は、慌ててハッチを閉じる。

1両の3号戦車がソ連軍戦車の目の前を走り抜けて後方に布陣する。ソ連戦車の防御砲火がドイツ戦車の狙う。45mm徹甲弾が3号戦車の側面に命中したが、3号戦車はなんとか耐えた。危機を脱したドイツ軍3号戦車は後方に再展開する。

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2Turn

前半

ソ連軍は戦車戦力の優越を生かして大きく前進してくる。戦線左翼の林道からは、T26S重戦車が歩兵の支援を受けてゆっくりと前進。戦線右翼では、正体不明の重戦車2両が平野部を大きく前進してくる。

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後半

ドイツ軍の反撃。
戦線左翼の林道では、ドイツ軍歩兵が林を抜けてソ連戦車に爆薬攻撃を仕掛ける。ドイツ兵の接近に気づいたソ連歩兵がドイツ兵に近接射撃を浴びせかける。至近距離からの銃撃を受けたドイツ兵は一瞬怯んだが(+1の士気チェック)、ドイツ兵は辛くも耐えた。さらにT26Sが主砲と機銃でドイツ兵を迎え撃つが、ドイツ兵もこれを躱して爆薬を投げ入れる。ドイツ兵の投擲した大型爆薬がT26S戦車を吹き飛ばした。

戦線右翼を前進してきた正体不明の重戦車(後にKV-1と判明)に対しても、大型爆薬を持ったドイツ歩兵が近づいていく。KV-1は至近距離に近づいたドイツ歩兵に対して主砲と機銃で迎え撃つ。KV-1の76mm砲がドイツ歩兵の至近距離で炸裂。数名が断片を受けて負傷したが(+2の士気チェック)、ドイツ兵の士気は衰えず(士気チェック成功)。そして投擲した爆薬がKV-1の至近で炸裂。さすがのKV-1もたまらず擱坐してしまう。

中央の村落では、至近距離からBT5の放った45mm徹甲弾が3号戦車の後面に命中した。さすがに至近距離から放たれた45mm徹甲弾が車体後方から命中したからたまらない。3号戦車は撃破炎上してしまう。

戦線後方では、増援で登場した88mm高射砲が展開を終了。後方の守りを固める。

写真12
写真13

3Turn

前半

既に戦車3両を失っていたソ連軍。残り4両の戦車のうち、3両が盤外突破しないと勝てない。そこでソ連軍は残った戦車を盤端に向けて突進させることにした。

最初に動き始めたのは、T26S戦車である。戦線左翼を前進してきたT26Sに対して88mm砲が火を噴いた。しかし移動中の目標に対しては対戦車砲がなかなか命中しなかった。

別のKV-1も道路を伝って盤外突破を目指す。一気に盤端に向かうKV-1に対して距離2Hex(80m)から37mm対戦車砲が火を噴いた。37mm砲の威力ではKV-1の重装甲を撃破するのは至難の技だったが、今回は幸運の女神がドイツ軍に微笑んだ。
2d6で4以下が出れば。KV-1を撃破出来た所だ。出目は4。撃破率と同じ出目の場合、戦車は50%の確率で撃破となり、残り50%の確率で戦車自体は生き残る。ただ生き残った場合でも戦車は走行不能になるので、突破することはほぼ不可能になってしまうのだが・・・。
今回はソ連側にとっては幸いにも撃破は免れ走行不能となった。しかし動けないKV-1は、最早座り込んだアヒルでしかない。その向こうでは強力無比な88mmが、目標を求めて砲身をこちらに向けようとしていた。

先にドイツ軍3号戦車と交戦し、至近距離からの射撃で3号戦車1両を葬ったBT5も、突破を達成すべく盤端へ向かう。その途中にドイツ軍歩兵の真横を通過したBT5。ドイツ歩兵は対戦車防御戦闘を行う。このシナリオはバルバロッサ作戦初期なので、まだパンツァーファウストのような便利な対戦車火器は存在しない。歩兵は自らの体や手榴弾等の武器で戦車を止めるしかない。今回はドイツ兵の奮戦によってBT5は走行不能になってしまう。

この時点で勝利の可能性が殆どなくなったソ連軍の投了でゲーム終了となった。

写真14


感想

先にプレイした 「破壊の戦士」 の時にも感じたが、ASLに比べるとルールが大雑把な感じは否めない。その分サクサクとプレイできるのは良い点だとは思うが、違和感を感じる部分もある。どちらが良いとは一概に言えないが、ASLをもう少しシンプルにしたぐらいが丁度良いのではないだろうか。

このシナリオに関して言えば、元々は「クレシェンドオブドゥーム」用のシナリオであったため、「クロスオブアイアン」のルールだけではプレイできない部分がある。このシナリオについては無線機に関するルールだ。ソ連戦車は無線機を持たないため移動に制約がかかるのだが、今回ルール内容が不明だったため、無線機ルールは採用しなかった。その分、ソ連側に有利に働いたことは否めない。

いずれにしても「クロスオブアイアン」は面白い。やはりこの種のゲームはシナリオの選択が重要だと感じた。今回プレイしなかったシナリオの中にはプレイしてみたいと思うシナリオがいくつもあった。是非機会を見つけてプレイしてみたいと思う。




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