表紙


NO RETREAT! 「No Retreat!」(以下、本作)はWW2における独ソ戦をキャンペーンレベルで描いたシミュレーションゲームだ。独ソ戦のキャンペーンとしては、The Russian Campagin(以下、ロシキャン)が有名だが、本作の1Turnは2ヶ月でロシキャンと同じ。1Hexは約100km、1ユニットは枢軸陣営が軍規模(8~12万人)、赤軍側は方面軍規模(13~21万人)になっている。いずれもロシキャンよりも一回り大きい。

今回、本作のキャンペーンシナリオを対人戦で試してみた。

前回までの展開は -->こちら

7Turn(42年5-6月)

RU_Sevpol3ロシア平原は再び夏になった。機動力を回復したドイツ軍は、ウクライナの大地を疾走する。
ドイツ軍の一部は要域セヴァストポリを攻撃すべく、ペレコープを守るソ連軍要塞守備隊に対して攻撃を行う。大兵力を集めて総攻撃を仕掛けるドイツ軍であったが、実は要塞部隊は通常攻撃では絶対に死なない。それを打ち破る唯一の方法は「列車砲」カードを利用することだが、それを見越したソ連側は「列車砲」カードを手元にキープしたまま手放さない。これでセヴァストポリを守り切れば、サドンデス負けはない筈だ。そう思っていた。

ところがである。ドイツ軍は別の方法を仕掛けてきた。ペレコープ地峡前面でカウンターブローを仕掛けてきたのだ。さしもの要塞部隊であってもカウンターブローに対しては打って出ざるを得ない。当初「要塞部隊はカウンターブローを仕掛けられても反撃不要」と思っていたのでちょっと面食らったが、ルールを読むと確かに要塞部隊もカウンターブローを強いられる場合があるとのこと。これによってペレコープ前面を守る要塞部隊はステップロスを強いられてしまい、セヴァストポリの守りは風前の灯火となった。ヤバイ。

ここで本作ぺの勝利条件について説明したい。本作の勝利は基本的にはVPの大小によって決まる。ただしこれとは別にサドンデスの勝利条件があり、5ヶ所ある重要拠点のうち3ヶ所をドイツ軍が支配した時点でドイツ軍がサドンデス勝利する。重要拠点はケーニヒスベルク、レニングラード、モスクワ、スターリングラード、そしてセヴァストポリである。ケーニヒスベルクはドイツ領内だし、レニングラードは既に陥落済。残り3ヶ所のうち1ヶ所でもドイツ軍が落とせばドイツ軍がサドンデス勝利する。セヴァストポリが全ロシアの運命を握っている。

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8Turn(42年7-8月)

ロシアの真夏である。セヴァストポリは風前の灯火かとも思えたが、何故かドイツ軍はペレコープに対する追撃を行わず、ロストフ方面へ向けて攻勢を仕掛けてきた。これによってセヴァストポリ陥落の危機は一時的に避けることができたが、ドイツ軍はウクライナを東委に突進。ドンバス手前まで前進してきた。
さらに北方では要域ツーラをドイツ軍が占領し、モスクワにもドイツ軍は肉薄する。

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9Turn(42年9-10月)

ペレコープ地峡のソ連軍は再び要塞部隊にパワーアップした。これによってセヴァストポリは再び難攻不落の要塞となる。

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10Turn(42年11-12月)

RU_5GdTk8-42年目の冬が来た。ロシア名物冬季反攻である。昨年よりもパワーアップしたソ連軍部隊が猛烈な反撃を行う。
カリーニンをソ連軍が奪回。
ウクライナ平原ではソ連第1打撃軍とこれまたソ連最強の第5親衛戦車軍がドイツ軍防衛線に突進する。ドイツ軍も兵力を集中して迎え撃つが、ソ連軍はそれを撃退してドニエプル川河畔まで進出してきた。しかしソ連軍の戦線は伸び切っており、そこに隙が生まれる。

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11Turn(43年1-2月)

GE_2Pz7-6ドイツ軍はハリコフ周辺で反撃に転じてきた。史実での第3次ハリコフ戦の再現だ。調子にのって突出してきたソ連軍の第1打撃軍、第5親衛戦車軍はドイツ軍の包囲攻撃を受けてしまう。3個軍は包囲下で壊滅し、さしものソ連軍もその損害の大きさに唖然としてしまう。

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12Turn(43年3-4月)

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春である。泥濘である。
このTurnが「潮目の変更」になる。この段階でドイツ軍が達成したVPが合計され、それがソ連軍が達成すべき勝利条件になる。つまり「潮目の変更」の段階でドイツ軍が大きなVPを達成していればソ連軍が勝利するために必要なVPのボーダーラインが跳ね上がり、逆に達成VPが小さければソ連軍のボーダーラインが低くなる。これは戦争初期にドイツ軍が東方へ進撃させるための動機付けとなる。
今回ドイツ軍が達成したVPは計9VP。ソ連軍が現時点で獲得したVPが計7VPである。つまりソ連軍はあと3VP稼ぐだけで勝利ラインをクリアする。この時点でほぼ勝利を確信したソ連軍なのであった。

もう1点。このTurnを境として「列車砲」カードが使えなくなる。これによってセヴァストポリが陥落する可能性がさらに小さくなり、ソ連軍としては「もう勝った」気分になっていた。

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13Turn(43年5-6月)

3年目の夏がきた。ソ連軍はツーラとカリーニンを奪回した。これでソ連軍の獲得したVPは9VPになり。ボーダーラインを達成した。これで負けはなくなったと感じたソ連軍であった。

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つづく

NO RETREAT! NO RETREAT2 独ソ電撃戦 (ジャパン・ウォーゲーム・クラシックス第6号)
Barbarossa - Army Group Center Game Journal 67-激闘タイフーン電撃戦