
軍事研究2023年11月別冊-ウクライナ戦争大反撃戦
ミリタリー・ジャパン・レビュー
2022年2月に開始されたウクライナ戦争は、開戦から1年半以上経過した2023年10月の段階でも終局の兆しはない。当初電撃的にウクライナ制圧を試みたロシア軍は、ウクライナ軍の果敢な反撃にあって予想以上の損害を被った。しかしロシア軍はウクライナ南東部に侵攻し、未だに同国の一部を支配し続けている。出口の見えない状態に陥ったウクライナ戦争。
本書は、現在までのウクライナ戦争の様相を作戦と兵器システムの両面から分析した内容になっている。作戦面では、今日までのロシア・ウクライナ両軍の戦いや今後の予測、そして2023年6月に開始されたとされるウクライナ軍による大反撃作戦とその顛末について記されている。また兵器システムについては、NATOから供与された新鋭戦車群、ロシア・ウクライナ両軍が使用している旧ソ連製の陸戦兵器、航空戦力、ミサイル、ドローン等についても触れられている。
現代進行形の戦いだけに十分な情報が得られている訳ではなく、記事の多くは推測やカタログ的な内容にとどまる場合が多い。それでも現在進行中の事態について理解を深めるという意味では良い著作といえる。
お奨め度★★★
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