

今回プレイしたシナリオは、シナリオ2「史上最大の決戦」。いわゆるヒストリカルシナリオで、関ヶ原の戦いを史実と同じ兵力で再現する。ちなみに本作には2種類の参戦判定表があり、東軍有利の参戦判定表①と西軍有利の参戦判定表②がある。今回はヒストリカル性を重視し、参戦判定表①を利用することにした。また筆者は東軍を担当した。
前回までの経過 --> こちら
5Turn


問題は大将。これはいわば「ベルクカッツェ」(古い・・・)のような存在で、死ぬとVPが多く取られるだけではなく、全軍崩壊につながるケースもある。例えば東軍の加藤嘉明、黒田長政、福島正則、細川忠興のうち2名が討ち取られると、東軍諸隊は戦意低下状態となり、射撃や白兵戦で不利な修正が適用されてしまう。つまり加藤嘉明の討死は、東軍にとって早くも「後がない」状態に追い詰められたということになる。
6Turn

これはかなり危険な行為と言えた。というのも、この状況下では、2d6で4以下を出せば東軍側につくものの、出目が10以上なら西軍側で参戦してしまうのだ。つまり確率的には五分と五分である。下手をすれば苦境に立っている東軍諸隊がさらなる苦境に陥るかもしれない。
しかしこのまま放置していても東軍にとって状況を好転させることは難しいだろう。既にVPでは10点近い差がついているので、東軍がVPで逆転するのは難しい。そうなるといずれは毛利が参戦することになる。毛利が参戦すれば、今まで中立を守っていた長曾我部、小早川、島津らの諸隊も自動的に西軍側で参戦することになる。そうなる前に手を打たなければならない。少々の危険を冒してでも・・・。
と言う訳で東軍プレイヤーが振ったダイス目はなんと「ピンゾロ」。
小早川秀秋は叫んだという。
「我ら内府様にお味方いたし、治部めらを討ち果たしまする」
まあこの話は半ばフィクションらしいのだが、そんなことはどうでも良い。この場面、まさに劇的な形で小早川隊が東軍側に寝返ったのだ。
「違う、違うぞ、金吾」
三成はそう叫んだだろう。しかしもう遅い。松尾山に布陣していた小早川隊は、続々と山を駆け下り、西軍の南翼を守る大谷刑部吉継の陣に殺到していった。
小早川隊の参戦で力を得た東軍部隊は西軍陣地に猛攻を加える。西軍部隊はなおも激しく抵抗し、前線を死守している。しかし兵力に劣る西軍部隊には後がなく、今やその戦線は破られようとしていた。
7Turn

前線では小早川隊が西軍大谷刑部の陣地に接触する。数に勝る小早川隊だったが、さすがに大谷隊は強かった。小早川隊は次々と撃破され、戦線を突破できる兆しはない。それでも数に勝る小早川隊は、大谷隊の両翼から包囲戦をしかけようとしていた。
といった所で今回のプレイは終了とした。このままプレイしても西軍の勝ち目は乏しいということである。確かに西軍はこれ以上兵力が増えないので、兵力に勝る東軍部隊によって潰されることになるだろう。
感想

本作で感心するのはコンポーネント的にはビッグゲームと言うサイズに近いゲームでありながら、ルールは極めてシンプルで、その場でインストしてもすぐにプレイできるほど簡単な点である。またスタックが禁止、しかもZOCから離脱できないルールのため、一旦接敵した後は両プレイヤーが小細工を弄する機会が少ない。交戦前の布陣や戦略が重要になるが、一旦戦闘が始まった後も意外なほどサクサクとゲームが進む。そして射撃戦や白兵戦の結果に一喜一憂し、武将の裏切りによって一発逆転がある。
ただ小早川や毛利の向背によって勝敗が決まってしまうので純粋に勝敗を争うゲームとしてはやや難がある。どちらかと言えば合戦の雰囲気に浸って楽しむゲームと考えた方が良いと思う。
ちなみにプレイ後の感想戦で「武将の裏切りが早すぎるのではないか」という意見が対戦相手から出された。確かに第3Turnにいきなり毛利が参戦するとか、逆に第4Turnに小早川が東軍につくとかすると、そこで決着がついてしまう。そうなると後は「消化試合」になるので、プレイを続ける意義がなくなってしまう。そう考えると、裏切りチェックはもう少し遅らせても良いかもしれない。
そこで以下のハウスルールを考えてみた。機会があれば試してみたい。
1) 参戦判定表を使うのは第6Turn以降とする
2) 第8Turn以降は参戦判定表で4回までダイスを振れるものとし、単一の陣営に対して同一Turnに2回までダイスを振れるものとする(1.の修正バランスをとるため)
あとこれも提案なのだが、西軍の主戦部隊(石田、宇喜多、小西、大谷)と東軍先鋒(福島、黒田ら)は、敵と接敵するまでは前方の敵から明らかに離隔するような移動は禁止、とした方が良いと思う。東軍が決戦を避けて後退し、家康本隊の参戦待ち、というのも何だかなぁ・・・。まあ「メッケルの関ヶ原」では、このルールの適用外としても良いかも・・・。
次回は是非決着がつくまでプレイしてみたいものである。








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