路線バスで日本縦断
宮武和多哉 イカロス出版
路線バスによる日本縦断。稚内や根室から路線バスだけを乗り継いで鹿児島枕崎までたどり着けるのか。YouTube等ではユーチューバー達がチャレンジしているが、本書は2023年時点でのコースについて詳細に紹介している。本書では、定番ともいうべき稚内~枕崎コースの他、沖縄本島やその先の離島めぐりのバス旅行、枝線ともいうべき日本海縦断コース、四国一周、博多から長崎、日豊本線ルートなど、様々なバスルートが紹介されている。もちろん、これらのルートの全てが路線バスだけで縦断できる訳ではなく、長距離歩行を余儀なくされる区間や他の交通手段を使わざるを得ない区間もある。またバス路線は日々変わっているので、本書の情報が既に古くなっている地域もあるだろう。それでもバス縦断ルートを網羅的に紹介した本書はこれまでに類を見ない著作であり、そういった意味で本書の価値は大きい。中には「こんなバスルートがあったのか」と驚くようなルートも紹介されていたりする。
本書の魅力はバスルート以外にコラムの形で様々な地元の魅力を紹介している点もある。例えば鹿児島王将だとか枕崎のスーパーで買うカツオとか、マニアックなネタも盛り込まれている。そういった意味では単にバスルートの紹介だけではなく旅をより多角的に楽しめる著作といえよう。
コメント