Twilight Struggle(以下、本作)は、米GMT社が2005年に発売したシミュレーションゲームだ。本作は、WW2終了直後から1989年冷戦終結までの約30年間にわたる約半世紀の冷戦時代を扱う。全10Turnなので、1Turnは実際の4~5年間に相当する。プレイヤーは米ソそれぞれの首脳を演じる。2014年には完全日本語版も発売されており、日本でもプレイし易くなった。
本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介しているので、そちらを参照されたい。
今回は、本作を対戦してみた。筆者はアメリカ陣営を担当する。以下はその記録である。
1Turn(1945~1948年)


そういった事情もあってか、ソ連側プレイヤーじゃ「欧州の特点獲得」カードを早々に使った来た。手札がバレているから、早めに使っておこうという訳であろう。この段階では両陣営とも欧州での優勢を得ていないが、ソ連が「主戦場国」であるポーランドと東ドイツを支配しているのでソ連プレイヤーは2点を獲得した。
一方の、アメリカプレイヤーである筆者は、アジア重視で、日本、フィリピン、オーストラリアを支配下においていく。さらに韓国、イランの支配を広げていく。ソ連側はアフガニスタンとパキスタンを支配してきたので、こちらとしてはヨルダンとイランを支配下に置いた後、「中東の特点獲得」カードを使って得点を獲得した。この時期、中東情勢はアメリカの一方的な支配状況だったので、アメリカ軍が計6点を獲得。勝利得点では、一気に逆転した。

2Turn(1949~1952年)
ヘッドラインはアメリカが「オリンピック」、ソ連が「核兵器禁止条約」である。いずれのカードもあまり影響のないカードだ。このTurnは両陣営のクーデター応酬合戦となった。まずアメリカがパキスタンで軍事クーデターを起こし、強力な親米軍事政権を確立した。しかしソ連側もフィリピンでクーデターを成功させた後、さらに引き続いてパキスタンでも軍事クーデターを強行。パキスタンの右派政権を打倒してパキスタンは再び騒乱状態とした。

その間、エジプトでは、ナセル大統領就任によってソ連の影響力が強まり、さらにイタリアでは共産党が活発化してきた。ソ連はいよいよ西側諸国の本陣であるう西ヨーロッパに対して影響力を行使し始めたのである。
対するアメリカは、西ドイツの地盤を固める一方、フランスへも影響力を行使してその地盤固めを行う。
3Turn(1953~1956年)

仕方がないので、こちらとしては「中東の特点獲得」カードを使用し、得点固めを行う。この時期、ソ連もエジプトを拠点として中東のプレゼンスを確保しつつあったものの、イスラエル、イラン、サウジアラビアという三大国を支配下としているアメリカの優位は動かない。アメリカは4点をさらに得点した。
宇宙開発分野では、ソ連がアメリカに追いついてきた。アメリカに引き続いて人工衛星の打ち上げに成功したソ連は、次に打ち上げられたスプートニク2号で初めてライカ犬を宇宙に送り込んだ。有人飛行に先立つ動物を使った宇宙飛行の分野で、ソ連がアメリカに先んじたのである。
慌てたアメリカは、ハムという名のチンパンジーを宇宙に送りこみ、なんとかソ連に追いつこうとする。しかしソ連の宇宙開発はアメリカの予想を上回る速度で進展し、遂には人類初の有人宇宙飛行を成し遂げた。
宇宙空間で国家の威信をかけた熾烈な宇宙開発競争が続く中、ソ連は東南アジアに食指を伸ばし、ベトナム、タイに共産政権を樹立した。さらにフィリピン、インドネシア、マレーシアにも共産政権を広げていく。まさにドミノ理論を地で行くような展開であった。
4Turn(1957~1960年)
現時点での得点はアメリカの9点で、未だにアメリカ有利の状態が続いている。全般情勢を見ると、アジアでは極東地域ではアメリカが押さえているけど、東南アジアはほぼ共産陣営が支配を固めつつあり、アメリカが恐れた「ドミノ理論」を地で行くような展開となっている。 アフリカでもソ連の勢力浸透が進んでおり、赤化が進んでいる。主戦場であるヨーロッパでは、アメリカがイタリアでの共産党政権を打倒したけど、イベリア半島がソ連人民戦線勢力の伸長により赤化が進んでいる。
アメリカが大きく勝っているのは南米一帯で、この辺りはアメリカの支配一辺倒である。

アメリカが混乱する中、ソ連は南米地区にも浸透を図るべく、まずチリに影響度を置いて来た。アメリカ側も対抗上、アルゼンチンを固める。
そしてアメリカは、「ニクソン訪中」カードを使用。このカードを使ってチャイナカードをソ連軍プレイヤーから奪った。アメリカ外交会心の一撃である。
つづく








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