Simulation War
Philip Sabin BloomSbury
約6年ぶりに読み返してみた。本書は主にマップや駒といったアナログなツールを使うシミュレーション・ウォーゲームについて論じた著作である。本書は3章構成からなり第1章はTheoryでウォーゲームについての一般的な定義。第2章はMechanicsでウォーゲームのメカニズム(Turn、Hex、ZOC等一般的なウォーゲームの仕組み)について語っている。第3章はSampleということで、著者が学生教育用に作成したいくつかのウォーゲームの紹介記事になっている。
本書で興味深い点は、第2章ウォーゲームのメカニズムで、TurnやHex、ZOCの概念について、単にその内容を紹介するだけではなく、なぜそのようなメカニズムが必要なのかといった必要性を事細かに説明している点である。さらにリサーチや勝利条件についても触れ、ウォーゲームのリサーチは双方向性であるとしている点は興味深い。
他にもウォーゲームの複雑さに対する懸念や戦争を娯楽として扱うことの後ろめたさなど、我々自身も日々感じていることについて筆者が論じている点は興味深い。ウォーゲームを本格的に研究したい人にとっては有益な著作だと断言できる。
お奨め度★★★★
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