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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは--> こちらのページ をご参照下さい。
また入手方法は-->こちら をご参照願います。
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自作の空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。自分で作ったゲームだが、個人的にも気にいっている作品である。まずリアリティとプレイアビリティのバランスが良い。メインの作戦シナリオの場合、1日で終わらせるのはやや苦しいが、2日あれば楽にコンプリートできる。また仮に1日でも決着の見える所までは行けることが多いので、1日プレイでも十分に満足できる。
ディテールも手頃で良い。空母艦載機の三大スターである艦戦、艦爆、艦攻がそれぞれ役割と特徴を持っているので、その使い道が悩ましい。艦隊編成についても空母戦力を集中して対空防御を強化するか、または分散配備して被害極限と敵による索敵を混乱させるか、といった選択肢でも悩める。
主役以外の基地航空隊や水上打撃部隊もそれぞれ役割を持っていて、空母航空作戦の中でこれらを有機的に機能させていく所も良い。
今回、久しぶりに本作のメインシナリオである「Op.6 南太平洋海戦」を対戦プレイすることになった。今回、私は日本軍を担当する。また選択ルールは全部採用することにした。
前回までのあらすじ-->こちら
零戦隊の奮戦によってほぼ全戦力を保ったまま米機動部隊上空に辿り着いた攻撃隊であったが、ここで米機動部隊の猛烈な対空砲火に晒されることになった。特に凄まじい威力を発揮したのが、米空母「エンタープライズ」と2隻の新鋭戦艦に装備されていた40mm機関砲である。これは戦後に知ったのだが、「エンタープライズ」と新戦艦に搭載されていた40mm機関砲はスウェーデンのボフォース社製のもので、この海戦の直前に「エンタープライズ」と新型戦艦、そして防空軽巡に搭載されたという。この砲は遺憾ながら我々が使っていた対空機関砲よりも数段強力ものであり、そのため攻撃隊は多大な出血を見ることになった。
対空砲火の犠牲になったのは、艦攻7機と艦爆9機の計16機にも及び、敵戦闘機による被害も合わせると20機の艦攻、艦爆が帰らなかった。攻撃隊長の村田少佐も真っ先に米空母に突入し、対空砲火によって撃墜され、帰らぬ人となった。
しかし攻撃隊は犠牲に見合う戦果を上げた。艦攻隊は村田少佐自らが放った魚雷1本を含む計4本の魚雷を「エンタープライズ」に撃ち込んだ。魚雷命中を受けて速度の落ちた「エンタープライズ」に艦爆隊が殺到し、6発以上の250kg爆弾を「エンタープライズ」に叩き込んだ。
4本の魚雷と多数の爆弾を受けた「エンタープライズ」は、艦全体が炎に包まれて洋上に停止した。ミッドウェーで日本空母を見舞った悲劇が、今形を変えて「エンタープライズ」に降りかかったのである。日本機による攻撃は約10分間で終了したが、攻撃終了後10分を経たずして「エンタープライズ」は総員退艦が発令された。そして攻撃終了後約1時間で「エンタープライズ」は海中に没したのである。
「敵空母1隻大破炎上中、撃沈ほぼ確実」
攻撃隊からの朗報が届く、
「まだだ、敵はまだ1隻空母が残っている」
歓喜に沸く参謀達を前に私は彼らを窘めた。そしてその米空母部隊に対して、関少佐率いる第2次攻撃隊が近づいていたのである。
第2次攻撃隊も編成自体は第1次攻撃隊と同じであった。しかし彼らは大きなミスを犯してしまった。村田少佐が攻撃した敵と同じ艦隊を攻撃してしまったのである。「エンタープライズ」隊の南方約30海里には、空母「ホーネット」を中心とする機動部隊が遊弋していたのだが、彼らは「ホーネット」隊に気づかず、先に第1次攻撃隊が攻撃したのと同じ敵機動部隊を攻撃してしまったのである。
第1次攻撃隊の零戦隊が奮戦してくれたお蔭で、第2次攻撃隊に向ってくる敵戦闘機は少ない。そのため攻撃隊本隊は殆ど無傷のまま敵艦隊上空に達した。
「全軍突撃せよ」
指揮官機から命令が飛ぶ。彼らは殆ど沈没寸前の「エンタープライズ」を無視して無傷の敵空母を探した。しかし見つからない。そこで彼らが狙ったのは、マッシブな船体を持つ新鋭戦艦「ワシントン」であった。ノースカロライナ級の2番艦「ワシントン」は、40cm砲9門という強力な火力と最大速度28ノットを誇るアメリカ海軍自慢の新鋭戦艦である。その装甲防御力は僚艦「サウスダコタ」よりも劣る面があり、我が「大和」と比べると砲火力と装甲防御力で劣る艦であったが、それでも1942年現代で世界最強級の戦艦の1つであった。
「ワシントン」の前後左右から日本側の攻撃隊が殺到する。一方、「ワシントン」の対空砲火がそれを迎え撃つ。僚艦「サウスダコタ」や他の重巡、駆逐艦も激しい対空砲火を浴びせかける。次々と炎に包まれて撃ち落とされていく日本機。一部の雷撃機は激しい対空砲火を嫌って重巡「ポートランド」を狙ったが、魚雷は躱された。
攻撃隊は多大な犠牲を強いられつつも「ワシントン」に魚雷1本と爆弾2発を命中させた。しかし「エンタープライズ」とは違って分厚い装甲を誇る戦艦「ワシントン」にとってこの程度の損害は大したことはなかった。爆弾命中によって一部の対空火器が破壊されたものの、機関部は無事であり、最大28ノットの発揮も可能だった。
一方で攻撃隊の損害は凄まじいものになった。艦攻隊は半数の9機が撃墜され、帰還した機体も半数が被弾によって使い物にならなかった。艦爆隊も15機を失い、艦攻、艦爆は半数以上を失った。艦爆隊長関少佐、艦攻隊長今宿大尉も帰らなかった。
やがて攻撃を終えた攻撃隊が母艦に帰ってきた。攻撃隊の被害を知った機動部隊司令部は慄然としたという。第1波、第2波合わせて144機が出撃したが、帰還した時に使用可能機として残ったのは、零戦41機(出撃機54機)、艦爆18(同54機)、艦攻13(同36機)で、合計72機。出撃機の半数が使用可能として残った計算になるが、艦攻・艦爆は出撃機90機のうち、使用可能として残ったは31機に過ぎなかった。機動部隊の対艦攻撃力は、僅か1回の攻撃によって1/3にまで減ぜられたのである。
さらに私は前進部隊に命じて「隼鷹」を前進部隊の指揮から外し、機動部隊の指揮下に入れた。ただし「隼鷹」は機動部隊本隊とは300海里以上離れていたので、敵空母を攻撃圏内に捉えるのは午後以降になりそうだ。
同じ頃、ブイン基地を発進した戦爆連合の攻撃隊がガダルカナル島の米軍飛行場を攻撃したものの、F4FやP-38といった敵戦闘機の激しい抵抗によって大きな損害を被ったという報告が入った。ガダルカナル島の米軍もなかなかしぶとい。
午前12時少し前に機動部隊から報告が入った。空母「翔鶴」が敵機の攻撃を受けて被弾したらしい。幸い戦闘航行に大きな支障はないようだが、この攻撃が敵空母艦載機によるものとのこと。これは戦後に判明したのだが、この攻撃は米空母「ホーネット」を発進した戦爆連合34機によるものらしい。上空援護の零戦がグラマン戦闘機との空中戦に巻き込まれている間に敵機が戦闘機の防衛ラインを突破し、機動部隊本隊を爆撃したとのこと。この時は対空砲火が敵機の約半数を撃退してくれたので「翔鶴」の被弾は1発で済んだが、もし対空砲火が仕事をしてくれなければ危ない所だった。
つづく
「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは--> こちらのページ をご参照下さい。
また入手方法は-->こちら をご参照願います。
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自作の空母戦ゲーム「海空戦、南太平洋1942」(以下、本作)。自分で作ったゲームだが、個人的にも気にいっている作品である。まずリアリティとプレイアビリティのバランスが良い。メインの作戦シナリオの場合、1日で終わらせるのはやや苦しいが、2日あれば楽にコンプリートできる。また仮に1日でも決着の見える所までは行けることが多いので、1日プレイでも十分に満足できる。
ディテールも手頃で良い。空母艦載機の三大スターである艦戦、艦爆、艦攻がそれぞれ役割と特徴を持っているので、その使い道が悩ましい。艦隊編成についても空母戦力を集中して対空防御を強化するか、または分散配備して被害極限と敵による索敵を混乱させるか、といった選択肢でも悩める。
主役以外の基地航空隊や水上打撃部隊もそれぞれ役割を持っていて、空母航空作戦の中でこれらを有機的に機能させていく所も良い。
今回、久しぶりに本作のメインシナリオである「Op.6 南太平洋海戦」を対戦プレイすることになった。今回、私は日本軍を担当する。また選択ルールは全部採用することにした。
前回までのあらすじ-->こちら
1Turn(10月25日0600)(つづき)
我に倍する敵戦闘機に対して零戦隊は果敢に挑戦していく。零戦隊の奮戦によって村田少佐麾下の艦攻隊は1機も損じることなく米機動部隊上空に達した。しかし艦爆隊の方は数機のグラマンに食いつかれて2~3機が火を噴いて落ちていく。護衛の零戦も撃墜15機を報じたものの、3機の未帰還機を出した。零戦隊の奮戦によってほぼ全戦力を保ったまま米機動部隊上空に辿り着いた攻撃隊であったが、ここで米機動部隊の猛烈な対空砲火に晒されることになった。特に凄まじい威力を発揮したのが、米空母「エンタープライズ」と2隻の新鋭戦艦に装備されていた40mm機関砲である。これは戦後に知ったのだが、「エンタープライズ」と新戦艦に搭載されていた40mm機関砲はスウェーデンのボフォース社製のもので、この海戦の直前に「エンタープライズ」と新型戦艦、そして防空軽巡に搭載されたという。この砲は遺憾ながら我々が使っていた対空機関砲よりも数段強力ものであり、そのため攻撃隊は多大な出血を見ることになった。
対空砲火の犠牲になったのは、艦攻7機と艦爆9機の計16機にも及び、敵戦闘機による被害も合わせると20機の艦攻、艦爆が帰らなかった。攻撃隊長の村田少佐も真っ先に米空母に突入し、対空砲火によって撃墜され、帰らぬ人となった。
しかし攻撃隊は犠牲に見合う戦果を上げた。艦攻隊は村田少佐自らが放った魚雷1本を含む計4本の魚雷を「エンタープライズ」に撃ち込んだ。魚雷命中を受けて速度の落ちた「エンタープライズ」に艦爆隊が殺到し、6発以上の250kg爆弾を「エンタープライズ」に叩き込んだ。
4本の魚雷と多数の爆弾を受けた「エンタープライズ」は、艦全体が炎に包まれて洋上に停止した。ミッドウェーで日本空母を見舞った悲劇が、今形を変えて「エンタープライズ」に降りかかったのである。日本機による攻撃は約10分間で終了したが、攻撃終了後10分を経たずして「エンタープライズ」は総員退艦が発令された。そして攻撃終了後約1時間で「エンタープライズ」は海中に没したのである。
「敵空母1隻大破炎上中、撃沈ほぼ確実」
攻撃隊からの朗報が届く、
「まだだ、敵はまだ1隻空母が残っている」
歓喜に沸く参謀達を前に私は彼らを窘めた。そしてその米空母部隊に対して、関少佐率いる第2次攻撃隊が近づいていたのである。
第2次攻撃隊も編成自体は第1次攻撃隊と同じであった。しかし彼らは大きなミスを犯してしまった。村田少佐が攻撃した敵と同じ艦隊を攻撃してしまったのである。「エンタープライズ」隊の南方約30海里には、空母「ホーネット」を中心とする機動部隊が遊弋していたのだが、彼らは「ホーネット」隊に気づかず、先に第1次攻撃隊が攻撃したのと同じ敵機動部隊を攻撃してしまったのである。
第1次攻撃隊の零戦隊が奮戦してくれたお蔭で、第2次攻撃隊に向ってくる敵戦闘機は少ない。そのため攻撃隊本隊は殆ど無傷のまま敵艦隊上空に達した。
「全軍突撃せよ」
指揮官機から命令が飛ぶ。彼らは殆ど沈没寸前の「エンタープライズ」を無視して無傷の敵空母を探した。しかし見つからない。そこで彼らが狙ったのは、マッシブな船体を持つ新鋭戦艦「ワシントン」であった。ノースカロライナ級の2番艦「ワシントン」は、40cm砲9門という強力な火力と最大速度28ノットを誇るアメリカ海軍自慢の新鋭戦艦である。その装甲防御力は僚艦「サウスダコタ」よりも劣る面があり、我が「大和」と比べると砲火力と装甲防御力で劣る艦であったが、それでも1942年現代で世界最強級の戦艦の1つであった。
「ワシントン」の前後左右から日本側の攻撃隊が殺到する。一方、「ワシントン」の対空砲火がそれを迎え撃つ。僚艦「サウスダコタ」や他の重巡、駆逐艦も激しい対空砲火を浴びせかける。次々と炎に包まれて撃ち落とされていく日本機。一部の雷撃機は激しい対空砲火を嫌って重巡「ポートランド」を狙ったが、魚雷は躱された。
攻撃隊は多大な犠牲を強いられつつも「ワシントン」に魚雷1本と爆弾2発を命中させた。しかし「エンタープライズ」とは違って分厚い装甲を誇る戦艦「ワシントン」にとってこの程度の損害は大したことはなかった。爆弾命中によって一部の対空火器が破壊されたものの、機関部は無事であり、最大28ノットの発揮も可能だった。
一方で攻撃隊の損害は凄まじいものになった。艦攻隊は半数の9機が撃墜され、帰還した機体も半数が被弾によって使い物にならなかった。艦爆隊も15機を失い、艦攻、艦爆は半数以上を失った。艦爆隊長関少佐、艦攻隊長今宿大尉も帰らなかった。
やがて攻撃を終えた攻撃隊が母艦に帰ってきた。攻撃隊の被害を知った機動部隊司令部は慄然としたという。第1波、第2波合わせて144機が出撃したが、帰還した時に使用可能機として残ったのは、零戦41機(出撃機54機)、艦爆18(同54機)、艦攻13(同36機)で、合計72機。出撃機の半数が使用可能として残った計算になるが、艦攻・艦爆は出撃機90機のうち、使用可能として残ったは31機に過ぎなかった。機動部隊の対艦攻撃力は、僅か1回の攻撃によって1/3にまで減ぜられたのである。
2Turn(10月25日1000)
損害は大きかったがそれでも敵空母を1隻仕留めたのは大戦果である。ここは戦果を拡大するチャンスだ。私は機動部隊司令官に対して追撃による戦果拡大を命じた。命令を受けた機動部隊は、敵機の攻撃によって大破した「鈴谷」に駆逐艦の護衛をつけて後方に下がらせる一方、機動部隊は南下して残敵を追った。さらに私は前進部隊に命じて「隼鷹」を前進部隊の指揮から外し、機動部隊の指揮下に入れた。ただし「隼鷹」は機動部隊本隊とは300海里以上離れていたので、敵空母を攻撃圏内に捉えるのは午後以降になりそうだ。
同じ頃、ブイン基地を発進した戦爆連合の攻撃隊がガダルカナル島の米軍飛行場を攻撃したものの、F4FやP-38といった敵戦闘機の激しい抵抗によって大きな損害を被ったという報告が入った。ガダルカナル島の米軍もなかなかしぶとい。
午前12時少し前に機動部隊から報告が入った。空母「翔鶴」が敵機の攻撃を受けて被弾したらしい。幸い戦闘航行に大きな支障はないようだが、この攻撃が敵空母艦載機によるものとのこと。これは戦後に判明したのだが、この攻撃は米空母「ホーネット」を発進した戦爆連合34機によるものらしい。上空援護の零戦がグラマン戦闘機との空中戦に巻き込まれている間に敵機が戦闘機の防衛ラインを突破し、機動部隊本隊を爆撃したとのこと。この時は対空砲火が敵機の約半数を撃退してくれたので「翔鶴」の被弾は1発で済んだが、もし対空砲火が仕事をしてくれなければ危ない所だった。
つづく
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