歴史群像2024年12月号
学研
特集はトラック島空襲。大きな艦隊戦闘がなかったので戦記では軽く扱われることの多い戦いだが太平洋の戦局に多大な影響を与えたこの戦い。本書では作戦の背景から作戦実施、作戦後の状況とその後の分析について、日米両軍の視点からこの戦いを描いたいている。さらに巻末で紹介されている関連書籍紹介も一見の価値ありだった。
第2特集はチャンネルダッシュ。いわゆるドイツ軍大型艦3隻によるドーバー海峡突破作戦である。この戦いの背景となった戦略状況やその評価について、両軍の陸海空の視点から分析している点が興味深い。
さらには厳島の戦いの記事では、長南政義氏による戦国戦史分析で、史の冴えわたる分析力が光る記事であった。
他には勝目純也氏による日本潜水艦艦長の分析記事も面白かった。艦長の年齢やハンモックナンバーと、実際の戦績や被害との分析記事である。潜水艦艦長の余りに多い損害に愕然としつつも、彼らの奮闘が生に伝わってくるようでもあった。
今回も読む所が多かった。
お奨め度★★★★
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