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Oceans of Fireは、2023年に米国Compass Games社から発売されたSLGである。
テーマは太平洋戦争で、3年8ヶ月に及ぶ大戦争を、1Turn=半年のスケールで再現する。
今回、その中から「太平洋戦争キャンペーン」(Pacific War Campaign Scenario)をプレイしてみることにした。
このシナリオは1941年12月の開戦時期~1945年9月までの太平洋戦争全体を全8Turnで再現する。ちなみに今回は第2Turn(1942年4月)から開始するセミキャンペーンシナリオをプレイすることにした。従って全7Turnのシナリオである。

世界を震撼させた大戦争の結末は如何に・・・

前回までの展開は-->こちら

6Turn(1944年4月~9月)

第1ラウンド

USA_43rdD_993米軍はビスマルク海で「カートホイール作戦」の後半戦を実施する。今回は空母6隻、戦艦4隻、基地航空隊約300機、地上兵力6個師団を投入し、ラバウル、アドミラルティ諸島、ニューギニア北岸一帯に上陸を敢行する。アドミラルティ諸島には殆ど守備隊がいなかったために陥落。ニューギニア北岸地区も米豪連合軍3個師団の猛攻を受けて疲れ切った日本第18軍2個師団は西部ニューギニア方面に後退していく。

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唯一奮戦を見せたのはラバウル方面で、第20師団が米軍2個師団の攻撃を受けつつも洞窟陣地に籠って粘り強く抵抗を続ける。

IJN_CV大鳳_龍鳳日本軍はこのTurnに大量の増援を得る。新鋭空母「大鳳」/「龍鳳」、改造空母「千歳」/「千代田」。これらの空母群以外に実に15個師団もの地上兵力が日本本土、満州、中国戦線に登場してきた。しかし日本軍名物「陸海軍の対立」は、決して多くはないCPの効率的な運用を妨げる。この対立は、実は米軍のスパイの暗躍に依る所が多かったのだが・・・。(米軍のカードプレイの結果である)。

IJN_NAV2そんな中、日本軍は兵力の再展開を進める。まず一旦パラオに退いた聯合艦隊主力をトラック環礁に再度前進させる。その兵力は空母8隻、高速戦艦4隻、重巡5ユニット(18隻)。つまり足の遅い戦艦群を除く、聯合艦隊の高速機動艦隊の全戦力をトラック環礁に集結させた。さらに合計21ポイント(約630機)の航空戦力をサイパン、トラック、パラオ、豪北に展開させる。水上戦力と空母戦力で米軍に劣る日本軍であったが、米側が基地航空兵力を活用できないトラックやサイパンといった島嶼戦で米艦隊に決戦を挑むというのが日本軍の戦力であった。

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その他には、ビルマ戦線には新たに2個師団を送り込んで英軍の進撃を迎え撃つ。沖縄やパラオ方面にも増援部隊を送り込んで島嶼防衛の強化を図った。

第2ラウンド

米軍は日本艦隊の集結基地であるトラック環礁を攻撃した。艦隊空母10隻、軽空母8隻、高速戦艦6隻を主力とする大機動部隊である。日本軍もトラック環礁の基地航空兵力と各種空母8隻、高速戦艦4隻その他の兵力で迎撃する。

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USN_CV12_CV18後にトラック沖海戦と呼ばれる戦いは激しい航空戦となり、米艦隊はベテラン空母「ヨークタウン」を失った。一方で日本軍もベテラン空母「瑞鶴」と新鋭空母「大鳳」、改造空母「龍鳳」「千代田」が沈没、空母「赤城」「翔鶴」、高速戦艦2隻その他が中小破した。

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さすがに日本艦隊はこのまま交戦を継続しても勝機は乏しいと判断し、戦闘終了と戦場離脱を画策した。輸送船団護衛の任務を持っていた米艦隊は、積極的な追撃戦を行わなかったため、日本艦隊は辛くも戦場離脱に成功した。

北部ニューギニアを制した米豪連合軍は西部ニューギニアに進入し、日本軍を撃破して同地一帯を占領した。しかし見捨てられたラバウルの守備隊はなおも抵抗を続けている。

IJN_CV飛鷹_隼鷹日本軍はトラック沖海戦で大損害を被ったため、艦隊の再編成を迫られた。シンガポールで英艦隊の動きを抑えていた「大和」以下の戦艦群は本国へ帰還し、空母機動部隊と合流する。「隼鷹」「飛鷹」の改造空母も本国に戻って艦隊に合流した。さらに南方各地に展開していた輸送船団も続々と本国へ帰還していく。

インド洋を抑えていた日本艦隊がシンガポールから姿を消したため、インド洋方面で活動を開始した。2個師団がインド洋を渡ってスマトラに上陸作戦を仕掛けてきた。スマトラを守る日本軍は弱体化した1個師団であったため、2個師団の英軍の攻撃を支えることはできず、スマトラは陥落の危機を迎える。

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ビルマ方面では日本本土から送られてきた2個師団が本隊に合流する。しかし英連邦軍の猛攻はすさまじく、日本軍の増援部隊も次々と撃破されていく。

第3ラウンド

USN_CVL1太平洋一帯では日米両軍の激戦が続いていたが、米軍はさらなる攻勢を仕掛けた。リフォージャー作戦。すなわちサイパン上陸作戦である。ベテラン空母「ホーネット」を含めた艦隊空母7隻、軽空母8隻からなる第58機動部隊は、マリアナ諸島一帯に激しい空襲を仕掛けた。サイパン、グアム方面には12ポイント(約360機)の日本陸海軍機が展開していたが、奇襲を受けて有効な反撃ができなかった。さらに米空母搭載機は37ポイント(約1100機)と3倍以上の優勢を保持しており、もとより勝負にならない。日本本土で待機していた聯合艦隊も、可動空母が僅か5隻、しかも艦隊空母が「加賀」1隻という状況では反撃もままならなかった。

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USN_CVA1マリアナ一帯の航空戦は米軍の一方的な戦いに終始し、同方面に展開していた日本機の半数以上が失われた。米軍の損害は殆どなく、一連の戦いを米パイロット達は「マリアナの七面鳥撃ち」と呼んで嘲笑したという。

米軍の上陸部隊は、第4海兵師団と第32師団の2個師団。日本軍は第53師団と海軍陸戦隊、第29師団の残余部隊等である。地上兵力はほぼ互角であったが、海空の支援を受けた米軍の猛攻により早くも日本軍は6戦力を失ってしまう。

その他の地域では、ラバウルと北西ニューギニアが陥落。トラック環礁ではなおも日本軍が抵抗を続けていたが、その抵抗も風前の灯火であった。

日本軍は戦艦8隻からなる艦隊に護衛された2個師団の陸兵をマレー、シンガポールに派遣した。弱小な英艦隊とはいえ、日本艦隊がいないと自由に振舞って面倒なことになる。とはいえ、空母戦力が先のトラック沖海戦で大損害を被った日本軍にとって、戦艦部隊の分派はかなり辛い所ではあったが・・・。

あとは数少ないCPを使って各地に地上部隊を派遣し、さらに沖縄に要塞構築を行った。サイパンが陥落すると、いよいよ日本本土が脅威にさらされることになる。

BR_Mountbatten英連邦軍はスラバヤを陥落させる一方、ビルマで5個師団による猛攻を仕掛ける。日本軍は弱体化した2個師団しかなく、最早ビルマの運命は風前の灯火であったが、シンガポールに進出していた日本軍第1南遣艦隊の戦艦8隻が海上から日本軍を支援し、何とか戦線崩壊は免れた。

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第4ラウンド

米軍はサイパン、トラックで攻撃を継続。トラックは遂に陥落するものの、サイパンの日本軍はなおも抵抗を続けている。
さらに米軍は西カロリンでも新たな攻勢に着手し、2個師団がパラオに上陸した。パラオには日本軍2個師団が守りを固めていたのが、米軍は日本軍の守備隊を徐々に圧迫している。

日本軍はビルマから主力部隊を撤退させ、ビルマ・タイ国境に2個師団を送り込んで防衛体制を固める。

Turn終了時点での日本軍のVPは19.5VP、資源ポイントは16である。VPについては、両軍ともサドンデスラインには到達せず、また第6Turnで終了する中期シナリオの勝利条件と比較しても、現時点では引き分けである。

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つづく




Carrier Battle - Philippine Sea もりつちブランド
機動部隊 マリアナ沖海戦-母艦航空隊の記録 The Philippine Sea 1944 太平洋の試練(下)-ガダルカナルからサイパン陥落まで