不毛地帯

不毛地帯1

山崎豊子 新潮文庫

不毛地帯1 何度か映像化された山崎豊子原作長編小説の第1巻。今回はAmazon Audibleで読んで(聴いて)みた。本作のテーマは高度経済成長期におけるビジネス戦争だが、第1巻では主人公が終戦直後にシベリアに抑留されて過酷な抑留生活を送る姿が克明に描かれている。敗戦という過酷な現実、国際協定を無視した悪辣なソ連側の扱い、さらには共産化による恐怖など、シベリア抑留の状況を「まるでそこにいたかのように」詳細に記している。筆者の筆力に感服する。本書はあくまでも小説なので現実とは異なる部分が当然あるのだが、小説とは思えないほどリアリティに満ちた作品であった。 続編を読む(聴く)のが楽しみである。

お奨め度★★★★

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