
落日

湊かなえ ハルキ文庫

湊かなえという作家の名前を知ったのは登山雑誌だったと思う。確か趣味が登山という小説家ということで紹介されていた。それ以来氏の著書を読んだことはなかったが、Amazon Audibleで紹介に上がっていたので聞いてみた。本書には2人の主人公が登場する。1人は長谷部香、新進気鋭の女性映画監督。もう1人が甲斐千尋。映像作品の脚本家で、年齢は香より少しだけ下という設定。2人とも30前後の設定だったと思う。ストーリーは、15年前に起こった一家殺人事件を軸に進められる。引きこもりの高校生が妹を殺害し、さらに自宅に放火して両親を殺害したというのが事件の概要だ。2人の女性は過去の事件を追う中で、中高生の複雑な心理描写、大人たちの歪んだ愛情表現などが生々しく描かれている。そして次第に明らかになっていく事件の概要と共に、登場人物が複雑に絡み合ってきて、ラストにつながってくる。
とまあ、こんな感じの本。
読んでいてそこそこ面白く、またドロドロした心理描写は興味深かった。
お奨め度★★★




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