左営軍区故事館は、台湾・高雄市左営区にある軍事博物館で、台湾の軍事史や左営地区の軍事的重要性を紹介する施設です。左営は、かつて日本海軍の拠点として整備され、その後も台湾海軍の重要な基地として発展してきました。この建物も、かつては台湾海軍の総司令部でした。
台鉄の新左営駅からバスも出ているみたいですが、今回は時間節約の意味から今回はタクシーを使いました。
入口には「鎮海靖疆」と書かれたプレートがあり、「鎮海」は左営地区のこと、「靖疆」とは海域と国土を守る海軍の職務を意味しています。
これは米ギアリング級駆逐艦を台湾海軍で運用した「陽型駆逐艦」のメインブリッジです。
これは左営港湾地区の模型です。このフロアでは、左営地区の地質的特徴や歴史について紹介されていました。
階段に2階に上がる途中には1945年1月に実施した米機動部隊による台湾地区への攻撃が紹介されていました。面白かったのは米空母の漢字表記で、地名や人名等の固有名詞は当て字(レキシントン=列星頓、ハンコック=漢考克號)、それ以外は同じ意味の言葉(エンタープライズ=企業號、ホーネット=大黄蜂號)になっていました。我々から見るとちょっと不思議な感じもしますが、カナ文化がない国だから当然といえば当然ですね。
[写真106-7]
2階には戦後の台湾と米軍との関係について触れています。1950~79年における米華蜜月時代の写真が掲載されていました。そして米中接近とそれに伴う米国と台湾の関係終了にも触れ(恨みがましい口調ではなく、いかにも淡々と説明していました)、最後に
「政治には永遠の友や永遠の敵などいないことと、自立自強が最善の政策であることを示しています」
と結んでいます。
さらに台湾海軍のかつて運用していた艦船や現用艦船の模型と写真が展示されています。現在台湾海軍の主力艦は、米キッド級駆逐艦の基隆級駆逐艦4隻、米ペリー級フリゲート艦の成功級フリゲート艦10隻、仏ラファイエット級フリゲート艦の康定級フリゲート艦6隻などです。
という訳で左營軍區故事館、如何でしょうか?
見学は無料でしかも中にあるQRコードを読み取ると日本語の解説を聞きながら回ることができます。最近はスマホを持たない方が珍しいので、こういうサービスは嬉しいですね
・左営軍区故事館




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