Air & Armor(以下、本作)は、米国Compass Games社が2024年に発表したSLGで、テーマは1980年代における西ドイツでの地上戦だ。元々は米国West End社が1985年に発売したゲームで、今回の作品はオリジナルから約40年後に発売されたリメイク版になる。
基本システムについては、以下の動画で既に紹介済なので、ご覧頂きたい。
今回プレイしたシナリオは、シナリオ11.Forward Deffenceである。このシナリオは、開戦当日前進防御でソ連軍の阻止を図る米第3歩兵師団に対してソ連軍の自動車化狙撃兵師団2個が突破を図るというものだ。ソ連軍が米軍の第1線を突破すると、予備として控置されていたソ連軍第79親衛戦車戦車師団が登場する。これが登場すると彼我の戦力比が3:1になり、米軍としては甚だ不利な状況になる。従って米軍としては万難を排してソ連軍の第1波を前線で阻止する必要がある。
今回のプレイはVASSALでのソロプレイとした。
前回までの展開は --> こちら
6Turn
ソ連の偵察部隊が米軍の砲兵陣地を発見した。直ちにMiG-27の1個中隊が攻撃の為に飛来したが、激しい対空砲火によってソ連側攻撃編隊は撃退されてしまう。
先に敵中に降下したソ連第900空中突撃大隊はシュヴァインフルト市街地に向けて突撃を開始し、市街地の一角を占領した。
これに対して米第3旅団はブレッドレーの3個中隊をシュヴァインフルトに派遣し、第900空中突撃大隊のこれ以上の進撃を阻止せんとする。
ソ連軍戦線右翼を担当するソ連第57親衛自動車化狙撃兵師団は、米第2,3旅団に対してさらなる突撃を敢行するも、例によって米軍の激しい防御砲撃を受けてその攻撃を阻止されてしまう。彼らの任務は米軍砲兵部隊の砲火を引き付けるのが任務だったが、そのために大損害を被り、第57師団はその攻撃力をほぼ失った。
ソ連軍戦線左翼からは予備兵力のソ連第79親衛戦車師団がついに戦線に登場した。米第1旅団のエイブラムス戦車大隊をソ連軍は戦車1個連隊で攻撃するも、米軍の長距離砲による反撃を受けてソ連戦車連隊は半数近くの兵力を失ってしまう。
それでもソ連軍は残存戦車と砲兵火力でエイブラムスを攻撃するが、エイブラムスは後退によって損害を回避した。さらにソ連軍の自走砲部隊は米軍の対砲兵射撃を受けて壊滅してしまう。
7Turn
夜になった。夜間になるとヘリを含めた航空機が一切使えなくなる。また夜間にはNATOの戦車、歩兵戦闘車の火力が2倍になる。NATOとしては夜間に反撃して戦果を拡張したい。
先手を取ったNATO側は、米第1旅団が活性化し、M1エイブラムス2個大隊(6ステップ)でソ連第79親衛戦車師団所属のT-80戦車連隊を攻撃する。ソ連側の先制射撃によってM1エイブラムス2ステップを失ったが、M1側の反撃によってT-80戦車5ステップが撃破され、1個戦車連隊が事実上壊滅した。
一方、西側の戦線では、ソ連第57親衛自動車化師団が偵察によって米第2旅団の司令部を探知した。BM-27重ロケット砲の集中砲撃で米第2旅団司令部が壊滅。第2旅団は一時的に麻痺状態となった。
とはいえ、そのチャンスを生かすはずのソ連第57親衛自動車化師団もほぼ壊滅状態であり、戦果を拡張することができなかった。
勝利条件に関わりがあるソ連第79親衛戦車師団はマップの南半分に布陣した。これによりソ連軍はギリギリで勝利条件を満たす可能性が出てきた。
8Turn
最終Turnである。この時点で勝利条件を確認する。
サドンデス勝利条件は、ソ連側はマップの南端からの突破、米軍はソ連軍をマップの北半分に押しとどめること。現時点では両方とも達成できそうにない。
サドンデス以外の条件としては、ソ連側はゲーム終了時点で第79親衛戦車師団の1個連隊が崩壊せずにマップの南半分に位置するごとに5VP。米軍はゲーム終了時点で崩壊状態ではない旅団1個につき5VPとなる。なお、このシナリオでは敵ステップ除去によるVPはない。
現時点では、ソ連軍は第79親衛戦車師団の4個連隊のうち1個連隊が崩壊状態で、残り3個連隊がマップの南半分に進入している。従って獲得したのは15VPである。一方の米軍は3個旅団が全て崩壊していないので15VPである。従ってこのまま終了すれば引き分けになる。
今回先手を取ったのは米軍である。
米軍の狙いは、ソ連第79親衛戦車師団のいずれかの連隊を崩壊状態にして勝ち逃げするパターンである。しかし何たることか。偵察に全て失敗。事前砲撃で弱らせた後、戦車部隊を突進させる計画はこの時点で破綻してしまった。夜戦能力の高い米戦車であったが、さすがに無傷のソ連軍連隊に対して1個大隊程度の兵力で攻撃をするのは無謀である。電子戦に期待する手もあったが、失敗した時のダメージが大きいので諦めた。
勝敗には直接は関係ないが、ソ連第39親衛自動車化狙撃兵師団の1個連隊を米第1旅団のM1エイブラムス部隊が攻撃し、これを撃破した。
ソ連軍も虎の子第79親衛戦車師団を温存し、第39親衛自動車狙撃兵師団の残存部隊で米第2旅団のエイブラムス部隊を攻撃する。米第2旅団は司令部が撃破されていたので砲兵支援や予備移動を使えない。米第2旅団を崩壊させればソ連軍がシナリオに勝利できる。
しかしソ連軍の攻撃はあと一歩及ばず。米第2旅団は崩壊を免れた。
最終的にはソ連軍15VP、米軍15VPで引き分けとなった。
感想
このシナリオ、個人的にはかなり米軍側に肩入れしてプレイしてみたが、結果は引き分けであった。もしソ連第79親衛戦車師団の到着がもう少し早く、さらに第900空中突撃大隊を厭らしく投入してれば、米軍はもっと難儀しただろう。そういった意味でこのシナリオはソ連側がかなり有利なシナリオではないかと思う。
米軍側としては、とにかくソ連軍をマップ北半分に押しとどめること。部隊の温存よりも土地の確保を重視すべきということか。あと航空兵力をもっと積極的に利用すべきであった。これはソ連側も同じだが、航空戦力をかなり余らせた状態でゲームを終えてしまった。夜間に航空兵力を使えることを途中まで失念していたのも痛かった。第4Turnぐらいから航空兵力の積極利用を考えるべきであった。
それにしてもAir & Armorは奥が深いゲームである。ルール量は多いものの基本概念はそれほど複雑なゲームではないので、プレイは十分に可能だ。とはいってもルールが多いのは確かなので、慣れと準備が必要なゲームであることは確かだ。個々のシナリオも良く練られていて、どのシナリオをプレイしても十分に楽しめる。冷戦時代の機械化戦闘を作戦戦術級でプレイできる稀有な作品なので、まだまだプレイしてみたいゲームだ。








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