幻の本土上陸作戦
中津海法廣 祥伝社
NHK鹿児島放送局が太平洋戦争末期に計画されたオリンピック作戦(南九州上陸作戦)の実像を追ったドキュメンタリーである。本書はまず南九州に対する米軍の激しい空襲について、その被害者を探し出してインタビューする所から始まる。そして米軍の激しい空襲の目的が南九州への上陸作戦(オリンピック作戦)にあったとし、その全貌を明らかにする。その中で米軍がオリンピック作戦で毒ガスの広範な使用を企図していたこと、さらには最大9個の原子爆弾を「戦術核兵器」として使用しようとしていたことを明らかにする。その背景には、硫黄島や沖縄戦での予想を超える米兵の死傷者数と、本土決戦で日本側が行うであろう狂信的な抵抗に対する米軍の恐れがあったとし、「憎しみの連鎖が戦争を無慈悲なものにした」としている。
全般的に筆者の「戦争に対する憎しみ」が全面的に出て少し辟易する面もあるが、インタビューと記録を元に本土決戦の全貌を明らかにしようとする試みは評価したい。
お奨め度★★★
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