「アドミラルズウォー」(以下、本作)は、Canvas Temple Publishingが2018年に出版したSLGである。テーマはWW2の海上戦で、戦争全期間の全世界規模での海上作戦を戦略レベルで再現する。

今回、本作の中からPTO(太平洋戦役)のみを扱ったシナリオを対戦してみた。
筆者は連合軍を担当した。なおこのシナリオは第3Turnから開始し、第10Turnに終了する。

前回までの展開 --> こちら

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8Turn

このTurnから米軍に大規模な増援部隊が登場する。エセックス級正規空母3隻、インデペンデンス級軽空母5隻、その他からなる艦隊だ。この戦力を使って米軍は、中部太平洋一帯に対する大規模な侵攻作戦を実施する。

主攻勢はマリアナ諸島に対する侵攻作戦で、この作戦には正規空母5隻、軽空母2隻、戦艦5隻、重巡4隻が投入され、さらに上陸を担当する海兵隊が投入された。

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兵力に勝る米艦隊は空母2隻を失っただけで日本艦隊を一掃。残るは日本海軍の誇る戦艦「武蔵」ただ1艦なり。米戦艦5隻、重巡4隻の集中砲火が「武蔵」に降り注ぐ。

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「武蔵」も敢然と反撃を開始。その正確な砲火が米新鋭戦艦「アラバマ」を捉えた。真っ二つに折れた「アラバマ」は大火焔と共に轟沈していく。

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しかし「武蔵」も無数の砲弾を浴び、やがて力尽きてフィリピン海の海底にその姿を没し去った。

このTurn、連合軍はミッドウェー沖、マーシャル沖、ビスマルク海、マリアナ沖、アンダマン海の制海権を確保し、計13POCを獲得した。対する日本軍は、今や日本本土、インドネシアそしてベンガル湾を支配するのみで、獲得したのは8POC。その差がー5POCで、累積POCは12POCに減少した。

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9Turn

米軍にさらなる増援が加わる。正規空母4隻、軽空母3隻、高速戦艦2隻、その他だ。米軍はその戦力を2つに分けて、正規空母3隻、軽空母2隻、戦艦4隻、重巡3隻等からなるグループをインドシナに送り込んだ。

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この方面では、日本側基地航空兵力2個と米空母群の対決となり、米空母1隻が撃沈されたが、日本軍の基地航空部隊2個も制圧され、日本戦艦1隻も沈没。さらに海兵隊がフィリピンを奪回し、同方面の制海権を米軍が握った。

別の部隊。そしてこれこそが米艦隊の本命であるが、正規空母7隻、軽空母4隻、戦艦3隻、重巡2隻からなる米艦隊が日本本土を襲った。日本軍は新たに完成した正規空母「大鳳」をはじめとする各種空母5隻、基地航空隊3個、戦艦「大和」、重巡1隻でこれを迎え撃つ。

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戦いの規模としては今次大戦最大規模の空母決戦となり、米艦隊も正規空母2隻、軽空母1隻を失うという手痛い損害を被った。しかし兵力に勝る米艦隊はやがて日本艦隊を圧倒。日本近海の艦艇と基地航空兵力の全てを撃破し、同海域における日本軍の制海権を破壊した。

そして生き残った空母部隊が日本本土を空襲。呉軍港にいた空母「大鳳」と「瑞鶴」が完全損失。戦艦「大和」も多数の爆弾を受けて大破着底し、ここに日本海軍聯合艦隊は約70年の歴史に幕を閉じたのである。

空母天城


このTurn、連合軍はインドシアの制海権を確保し、計14POCを獲得した。対する日本軍は、ついに全ての海域の制海権を失ったので0POC。累積POCは-2POCとなり、ついに累積POCが連合軍側に傾いた。
この時点でPOCが日本にとってマイナスになったので日本軍の勝機はなくなった。従ってこの時点でゲーム終了とした。


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感想

前回のプレイでは、連合軍を担当して惨敗を喫したが、今回はその反省を生かすことがができた。すなわち連合軍は可能な限り空母損失を抑えつつハワイ~サモアラインを死守。日本空母の消耗と米空母の戦力強化を待って反攻に転じるというもの。またPOC値も安定的に推移できたのも良かった。
ただ今回は幸運に助けられた面もあった。第5Turnの日本軍によるベンガル湾攻勢の際、最後まで夜戦にならなかったため制海権を譲らなかったこと等がその代表だろう。この戦いでは英軍側に+3のDRMが適用されるので、夜戦になる確率は1/12に過ぎない。しかし確率1/12といえ複数回ラウンドを繰り返せば、いつかは夜戦になる。要はそれが早いか遅いかの違いだが、今回は日本空母艦隊が戦力を失う前に夜戦にならなかったのが連合軍にとって幸運だった。

今回、日本軍はベンガル湾とアラビア海に対して繰り返し攻撃を仕掛けてきた。後で聞いた話だと、ベンガル湾とアラビア海のPOCの高さ(それぞれ2と3)が狙い目だったとのこと。そのために珊瑚海方面への攻勢がやや弱かった感がある。ベンガル湾方面が日本海軍の主攻撃目標となるのは本作PTOシナリオでは避けられない展開だと思われるが、珊瑚海方面への攻勢も日本軍にとっては必要ではなかったかと思う。珊瑚海、さらにはサモアを日本軍が押さえていると、その後方のビスマルク海やインドシナ、インド洋は日本軍にとって安全地帯となる。そういった意味では、日本軍は珊瑚海や東太平洋方面に対しても攻勢を仕掛ける必要があるのではないかと思う。

ちなみに「アドミラルズウォー」はVITPに似ているが、細かい点で修正がかかっている。面白いのは潜水艦の扱いで、VITPでは潜水艦は敵艦を攻撃するための戦術兵器扱いだったが、本作では海域支配を打ち消すための戦略兵器として使用できる。潜水艦のユニット数も日米双方とも2ユニットに増えたので、両軍とも通商破壊戦と海上護衛戦を実施できるところが面白い。通商破壊艦が一転対艦襲撃艦にチェンジするところも面白い所だ。

他には基地航空隊の扱いがVITPと異なる点は前回の動画でも触れた通り。VITPではほぼ無敵だった基地航空隊が、本作では「夜戦になると自動撤退」というルールが追加されたので、条件付きだが水上艦でも基地航空隊に対抗できるようになった。現時点では基地航空隊についてVITPと本作のどちらが良いのかはまだ判断できない。

ちなみに「アドミラルズウォー」の本来のスタイルは、ATOとPTOをつなげてプレイするスタイルだ。これまではPTOのシナリオばかりをプレイしていたが、次回はATOとPTOをつなげてプレイしてみたいと思う今日この頃である。



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