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「ジャブロー戦役」は1981年に当時のツクダホビーから出版されたSLGである。テーマは当時大ヒットしていたアニメ作品「機動戦士ガンダム」における地上戦闘である。タイトルは「ジャブロー戦役」となっているが、実際にはジャブロー戦だけではなく、TV版で描かれている様々な地上戦闘がシナリオ化されている。デザイナーは岡田厚利氏。本作以外にも多数のアニメゲームデザインを手がけたツクダブランドを代表するデザイナーの一人だ。

コンポーネントは両面印刷されたマップが合計3枚、カウンターシート1式、ルールブック、そしてチャートが1枚である。マップには「ガンダム」で主要な戦場になった砂漠、森林、市街地、そしてジャブロー周辺の熱帯雨林ジャングルとジャブローの地下空間が描かれている。シナリオ毎に使う地図が決まっているので必要に応じて地図をつなげていく。

カウンターは、作品中に登場したMS(モビルスーツ)や戦車、各種車輛がユニット化されている。さらにパイロットやMSの携行火器がユニット化されている。例えば主人公機ガンダムの場合、機体を表すユニット、パイロットであるアムロのユニット、ビームライフル、ビームサーベルが2本、シールドの計6個ユニットがスタックすることになる。だから時には巨大なスタックが積みあがることになる。

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ゲームシステムは、Avalon Hill社の「Squard Leader」のシステムを簡略化したものを採用している。Turn(本作の用語では「イニング」)の手順は、以下のようになっている。

・回復フェイズ
・準備射撃フェイズ
・移動フェイズ
・防御射撃フェイズ
・前進射撃フェイズ

移動ルールは一般的な陸戦ゲームと同じく移動力を消費するタイプ。ただしユニットのフェージング(向き)はない。また地形効果表が用意されておらず、地形コストがルールブックに記載されているのは(古いゲームとはいえ)不親切である。

射撃システムは命中判定と損害判定でそれぞれダイス(2d6)を振り、さらにその後に士気チェックが発生する場合がある。射撃の命中確率は結構高く、相手がアムロやシャアみたいな「回避バカ」じゃない限り、多くの場合命中を得るのは比較的容易だ。しかし命中したからといって撃破できる可能性はそれほど高くなく、 例えばガンダムのビームライフルがザクに命中した場合でも、パイロットの補正を考慮しなければキルできる確率は半分強である。

このあたりは筆者の感覚とちょっと違う所で、筆者としては「命中率はそれほど高くはないが、当たればキルするかしないかの二者択一」つまり「オールオアナッシング」方式が好みである。

白兵戦は射撃の代替手段として実施可能である。白兵戦は1対1で解決し、白兵戦を実施するMS同士の白兵戦値を比較する。白兵戦の結果は攻撃側又は防御側の損害として与えられる。従って一方的に相手に損害を強要できる射撃戦に比べると攻撃側のリスクは高い。実際にプレイしてみるとノーリスクの射撃戦と比べると白兵戦は挑みにくい。

シナリオは合計9本。全てがTV版で描かれた戦闘場面である。ほとんどがMS数機同士の戦いで、シナリオのプレイ時間は1時間以内である。例外は一番最後のシナリオ「ジャブロー攻防戦」。ジオン軍MS部隊が連邦軍本部ジャブローに降下し、それに対して連邦軍MS部隊が迎え撃つというものである。
今回プレイしたのは、この「ジャブロー攻防戦」である。

SetUp

連邦軍がマップ上に初期配置する。対空砲部隊はジャングル地域に配置し、その他のユニットは地下基地に配置する。連邦軍MS部隊は地下基地の出入り口付近に配置し、すぐに基地の外に飛び出せるように配置する。

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1Turn

ジャブロー攻略作戦開始。ジオン軍は計30機のモビルスーツを降下させる。他にアマゾン川を遡行するゾックと2機のゴックがジャブローを目指す。
降下中にドム1機がアマゾン川に着水して水没、ザク1機がジャブロー入口の崖に激突して失われる。
さらに対空砲火でザク4機とグフ1機が撃墜され、ザク2機が戦闘不能となった。損害が多かったのは装甲の脆弱なザク部隊で、降下した9機のうち、この時点で無傷で残っていたのは3機だけだった。

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2Turn

降下に成功したジオン軍モビルスーツはジャブローの入り口に向けて前進していく。それに対して連邦軍は、ガンダム以下数機のジムがジャブローの入口から森の中に出ていく。TVの画面では地下基地内で待ち伏せしていた連邦軍であったが、本作では勝利条件の関係上、連邦軍はジャングルに出て行かざるを得ない。

「あのモビルスーツ、赤いモビルスーツ、シャアじゃないのか?」
「さらに出来るようになったな、ガンダム」

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ガンダムとシャアのズゴックが距離5Hexで砲火を交える。ズゴックのビーム砲がガンダムをかすめたが、ガンダムに実害はなかった。

ジム隊とジオン軍モビルスーツ隊の激しい交戦。ジムの射撃によって2機のグフが爆散する。

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3Turn

ジャングルの中で両軍のモビルスーツ同士が激しい戦いを繰り広げる。ジオン軍の反撃によってジム2機が爆発し、さらに1機が戦闘不能となって後退していく。

一方前線に進出したカイ、ハヤトたち。

「ミハル、俺はもう悲しまないぜ。お前みたいな娘を増やさせないために、ジオンを叩く!徹底的にな」

と、怒りに燃えるカイの射撃でドム1機が爆散する。

「カイさん、やるな」

とハヤトも意気込むが、ドムのバズーカ弾がガンタンクを直撃。そのショックでハヤトは気絶してしまう。

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つづく



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