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「人類が、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎた。地球の周りの巨大な人工都市は、人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。
宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。この一ヶ月あまりの戦いで、ジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。人々は、みずからの行為に恐怖した。戦争は膠着状態に入り、八ヶ月あまりが過ぎた」


ぴぴぴーん、「ガンダム、大地に立つ」

という訳で、懐かしのガンダムゲームをプレイしてみた。今回選んだのは、ツクダホビーが1981年に発売した「NewType」(以下、本作)である。

本作は、宇宙空間でのモビルスーツ戦に特化したヘクス式ウォーゲームで、ツクダ初期ガンダム・シミュレーションシリーズの1作となっている。メーカー側での難易度設定は「6」となっているが、今読むとルール自体はシンプルで、口頭説明でも十分プレイ可能と思われる。

ゲームの流れは、先攻側移動、両軍射撃、後攻側移動、両軍射撃という手順になっていて、移動後に両者が射撃を行う点が特徴的だ。射撃時の命中修正が結構多く、武器の命中修正、パイロットによる修正、目標側の回避性能、彼我の速度、相対位置によって修正を受ける。この命中修正の面倒さがゲームの難易度を上げている感はある(理解できれば、それほど悩むことはないのだが、計算がちょっと面倒に感じることはあるかもしれない)。

移動で特徴的なのはフェージング(向き)の概念と最小直進距離の概念である。前作JABROでは地上戦だったこともあっていわゆるフェージングの概念がなかったのだが、今回は宇宙でのドッグファイトということでフェージングの概念が取り入れられている。最小直進距離とは、その機体が旋回するまでに必要な直進距離の意味で、要するに「一定のHex数分前進しないと向きを変えることができない」ということ。高速機ほど最小直進距離が長く設定されていて、いわゆる慣性の影響を間接的に表現している。なお、最小直進距離は「TurnからTurnへの持ち越し」が可能なのでプロットが必要になる。うp主は速度と残最小直進距離をExcelで管理したが、便利な世の中になったと思う。

本作がJABROから変更された点で重要な概念として、ユニットにIDが導入された。要するにJABROの時には「ジムは全部GM」だったのが、本作では「GM1、GM2、GM3、・・・・」という感じで区別されるようになった。これは地味だが素晴らしい改善点で、JABROで問題だった「スタックの山問題」が、これにより一気に解消された。実際、このゲームにはMS本体以外に武装がユニット化されているのだが、「武装ユニットって必要ないんじゃね?」と思うぐらいである。

あとはガンダムとGファイターのドッキングとか、エルメスのビットとか、そんな特殊ユニットについてルールがあるが、正直面倒だと思う。ドッキングはとにかく、エルメスとかが出てこないシナリオの方が面白いんじゃないかと個人的に思っている(エルメスのビットルールはちょっと不条理に感じる)。

シナリオは計13本用意されている。第2話「ガンダム破壊命令」でのシャアとアムロの対決、第31話「ザンジバル追撃」でのビグロとガンダムの戦い、第33話「コンスコン強襲」でのリックドム12機全滅、そしてメインのシナリオが第35話「ソロモン攻略戦」となっている。このように各シナリオはTV場面での主要な場面を切り取ってシナリオ化している。大半のシナリオが彼我とも数機ずつしか登場しないので、シナリオのプレイ時間は驚くほど短い。例えば「コンスコン強襲」シナリオでは両軍合わせて16機のMSが登場するが、それでも1時間ほどでシナリオを終えることができた。まあ、それはそれで別の問題があるのだが・・・

今回まずプレイしてみたのは、シナリオ1「ガンダム破壊命令」である。第2話でのガンダムとシャアの対決を扱ったシナリオで、連邦側はガンダム1機、シオン側はシャアザクと一般兵のザクが登場する。勝利条件は「相手の1機を撃破すること」。ジオン側としてはガンダムを撃破すればよく、連邦側としては手ごわいシャアザクではなく一般兵ザクの撃破を狙うことになる。

1Turn

セットアップ時に両者は距離30Hexで対峙している。先攻は連邦軍だ。

写真00


ガンダムは10Hex前進する。

写真01


距離20Hexでビームライフル発砲。シャアザク相手なら命中率ゼロなので、スレンダー(一般兵)のザクを狙う。2D6で7以下で命中する。出目は7でギリで命中。ザクはシールドに防御失敗した。撃破判定は火力12でDRM+2。ザクの装甲とアムロが下手な分による修正である。出目5で修正後7、結果はDでスレンダー機は爆散した。

写真99


「大佐、うわー」

「い、一撃で、ザクを・・・」

「おのれ、よくも」

ジオン側の反撃。シャアがガンダムを狙う。パイロットの技量差がありすぎて命中値14なので絶対に命中する。出目は7で命中(一応弾切れの可能性があるためダイスを振る)。今回ガンダムはシールドを装備していないのでシールド判定はなし。そのまま損害判定に移る。ザクマシンガンの火力は8でDRMは-2(ガンダムの装甲をシャアの技量が上回っているので)。出目は何とピンゾロでガンダムは爆散。アムロは辛うじて脱出に成功した。

両者とも1機ずつを失ったので、勝利条件的には引き分けである。ちなみにさらにゲームを続ければ、おそらくアムロのコアファイターは、次の瞬間に撃破されていただろう。

感想

この時期のアムロでシャアに勝つのはまず不可能。このシナリオは、アムロがスレンダー機を撃破できるかどうかで決まる。普通に戦えば1Turnが終わる頃にはガンダムはシャアの放ったザクマシンガンで穴だらけになって四散するので、それまでにビームライフルがスレンダー機に命中して撃破できるかどうかが勝負。連邦側でこのシナリオに勝利するのはほぼ不可能と思って良い。

つづく
決戦アバオアクー 植民惑星の解放
ガンダムウェポンズ 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島編 密会 アムロとララァ 機動戦士ガンダム I 評伝シャア・アズナブル