ミリタリーエアクラフト 1997年11月号別冊 第2次大戦 ソ連軍用機写真集
デルタ出版
本書は、第二次世界大戦期のソ連軍航空機をテーマにした写真中心の別冊ムックである。ページを開くとまず目に飛び込んでくるのは、当時の戦闘機や爆撃機を捉えた数多くの写真で、機体の細部や独特のフォルムが鮮明に切り取られている。ソ連軍機は日本では比較的資料が少なく、単純に写真を眺めるだけでも新鮮な発見が多い。そうした意味で、本書は“見る楽しさ”が強く、ページをめくるたびに当時の空戦史の断片が立ち上がってくるような魅力がある。
一方で、文章量はかなり控えめで、機体解説や運用史といった情報は必要最低限にとどまっている。そのため、読み物として腰を据えて理解を深めるタイプの資料ではなく、どちらかといえば写真を通して雰囲気や外観の特徴をつかむためのビジュアル資料という印象が強い。短時間で全体を通読できる手軽さはあるものの、歴史的背景や技術的な詳細を求める読者にとっては、やや物足りなさを感じるかもしれない。
とはいえ、1997年刊行という時期を考えれば、当時入手できた写真をこれだけまとめて提示している点は貴重であり、ソ連軍機に興味を持つ読者にとっては、資料性よりも“写真で機体を知る”という目的にしっかり応えてくれる一冊だと感じた。文章の少なさゆえに、むしろ写真そのものに集中できる構成になっており、ソ連航空史のビジュアル的な側面を楽しむには十分な内容である。
お奨め度★★★