260322_TACAIR紹介動画

「TAC AIR」(以下、本作)は、1987年に米国Avalon Hill社から発売された現代戦ゲームである。冷戦時代におけるNATOとワルシャワ条約機構(WTO)の衝突を描く作品で、舞台は西ドイツ・ホーフギャップ周辺である。この地域は、米第7軍団とソ連中央方面軍集団が激突する地域で、本作以外にも旧SPI社Central Frontシリーズの「HofGap」や、WestEnd/CompassGamesの「Air & Armor」、さらには2024年にIEDから再販された「ヴュルツブルク」でも主戦場となっている。

本作のデザイナーはアメリカ空軍少佐Gary C. Morganで、当時のドクトリンであったエアランドバトルをボードゲーム上で再現することを目的としてデザインされている。本作は、航空戦力と地上戦力が密接に連携する現代の統合作戦を中心に据え、空対空戦闘、近接航空支援、航空阻止、SEAD、砲兵支援、機甲戦闘、指揮統制、補給など、多岐にわたる要素を統合している。

ゲームシステムは、4ページの基本ルールと、26ページの上級・選択ルールから構成される。基本ルールでは、混乱回復、航空任務割当、地上移動、地上戦闘、航空フェイズ(10ラウンド)という流れを通じて、空地戦の基本的な相互作用を学べる。一方、上級ルールでは、指揮統制、補給、工兵、砲兵の間接射撃、ワイルドウィーゼルによる防空制圧、航空任務の細分化などが追加され、現代戦の複雑さとドクトリンに沿った運用思想が再現されている。さらに選択ルールでは、電子戦や航空偵察、戦術核兵器などの要素を追加することができる。これにより、プレイヤーはNATO 側なら防空網の突破と航空優勢の確保、WTO側なら圧倒的な地上戦力を活かした突破と航空妨害といった、陣営ごとの戦略的特徴を体験できる。

ゲームスケールは、1ヘクス=1海里、1ターン=3時間で、地上ユニットは大隊規模、航空ユニットは2〜4機のフライトを表す。コンポーネントは500以上のカウンター、22×32インチのマップ、基本ルールフォルダ、バトルマニュアル、ゲームカード、プレイヤーカード、編成カードなどで構成されている。

シナリオは全部で 13 本が収録されており、数個大隊と数フライトで行う短時間の小規模戦闘から、米第1機甲師団・独第12機甲師団・ソ連第6親衛戦車師団などが登場する中規模戦闘、そしてNATO第7軍団とWTO中央方面軍集団が全面衝突する大規模シナリオまで幅広い。これにより、プレイヤーは学習段階に応じて複雑さを調整しながらゲームを楽しめる。

類似作品と比較すると、本作は「ヴュルツブルク」と「Air & Armor」の丁度中間ぐらいの難易度である。プレイの雰囲気は「Air & Armor」に似ているが、「Air & Armor」よりも遥かにシンプルでプレイしやすい。また「ヴュルツブルク」ではポイント制として簡略化されている航空支援が、本作では実際に航空機ユニットを動かして再現できる点が特徴と言える。

総じて本作は、現代戦の空地統合作戦を体系的に再現した作戦級SLGのひとつであり、基本ルールで手軽に遊べる一方、上級ルールを導入するとエアランドバトル の本質に迫る深いシミュレーションとなる。現代戦ウォーゲームの中でも、航空作戦と地上作戦を高度に統合した点で、今なお独自の地位を占める作品であるといえよう。

今回その中からシナリオ7「Counterattack」をプレイしてみた。これは軍団アセットによって強化された米第1機甲師団が、ソ連軍機械化歩兵師団の防衛ラインを撃破し、北方への突破を試みるシナリオである。

今回はVASSALによるソロプレイとした。

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なお、今回のプレイでは、VASSAL版で提唱されている「Cファクター」のルールを導入してみた。元々本作のユニットはA値とB値という2種類の戦闘力が付与されていて、航空機の場合はA値が対空戦闘力、B値が対地戦闘力になっている。しかしこの方法にはちょっとした問題がある。それはF-15やMiG-29等の空戦値に特化した戦闘機がSAMやAAAに対して非常に脆弱になる点である。そのことを解消するために提唱されたのがCファクターで、CファクターはSAM/AAAに撃たれたときに使用する戦闘能力である。これによって上記の問題を解消しようとする試みだ。

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1Turn

NATO側はソ連軍の右翼を突破すべく、第1機甲師団の第1旅団を左翼に進出させる。ソ連軍はそれに応じるべく戦線を右側にずらしていく。現時点で両軍の接触はない。

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空ではNATO空軍機がソ連側長距離SAMを攻撃。SAM大隊1個を撃破し、もう1つを戦闘不能とした。

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2Turn

米第1旅団がソ連軍右翼の第51親衛機械化歩兵連隊に猛攻を加える。砲兵部隊と攻撃ヘリコプターの支援を受けたソ連軍機械化歩兵は大損害を被った。さらに近接航空支援に飛来したA-10の爆撃により打撃を受けた1機械化歩兵連隊は壊滅的な損害を被った。

写真04


ソ連軍も戦闘機を出撃させ、MiG-23の編隊が米軍のSAMの射程距離外からBVRミサイルによってA-10の編隊を攻撃。A-10編隊は半個編隊を失ったが、爆撃能力に影響はなかった。

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ここまでの戦いで米側のSAMの威力圏内では有効な反撃ができなことを痛感したソ連軍は、部隊を一斉に後退させ、米側SAMの威力圏外に防衛ラインを敷く。

つづく



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