『Submarine』(以下、本作)は、WW2期における潜水艦戦を扱う戦術級ウォーゲームである。プレイヤーは潜水艦側と護衛艦/輸送船団側に分かれ、潜水艦の隠密行動と護衛側の探知・対潜攻撃という非対称の構図を中心にゲームが展開する。潜水艦側は盤上に姿を見せず、プロットによって移動や魚雷発射を行い、護衛側はソナー(アスディック)による探知を試みながら船団を守る。潜水艦が探知されると盤上に姿を現し、そこからは追跡と攻撃の緊迫した戦闘が始まる。
前回の記事 では、シナリオ11「群狼(ウルフパック)」を紹介した。そして今回は・・・・
PQ-17
シナリオ11が終わった後、まだ時間があったので、シナリオ12「PQ-17」を3名でプレイした(ドイツ2名、イギリス1名)。このシナリオはシナリオ11の縮小版で、Uボートの隻数は2隻に減らされ、英側も護衛戦力が全てスループやコルベット級4隻となった(駆逐艦は高速力と砲撃力の高さで護衛戦力としては有難い存在)。今回はうp主がイギリス側を担当した。序盤、初期配置で出目の悪かったUボート1隻が船団から後落していてしまったので、浮上して砲撃戦を挑んできた。しかし砲力に劣るフラワー級コルベットはとにかく、ブラックスワン級スループならUボートを容易に制圧できる。その1隻「レン」が浮上したUボートへ向けて舳先を向けた。
英護衛艦の接近を察知したUボートは即座に潜航を開始。砲戦を回避する。しかしUボートによる一見無謀と思える浮上砲戦は思わぬ戦果を招いた。味方船団の真ん中を横切った「レン」が友軍輸送船が衝突してしまう。両船とも航行不能となり、その場に停止してしまう。
潜航したUボートを制圧すべく、別の護衛艦がUボートの潜航地点に向かって移動し、ソーナースィープを実施。しかしUボートは巧みに回避したのか、ソーナースィープを回避する。あとで聞いた話だと、Uボートは急速潜航してソーナースィープの下側に潜り込んだらしい。さらにもう1隻Uボートがいるはずなので、残った護衛艦2隻で左右にソーナースィープを行うも、感度なし。どこへ行った?、Uボート?。
すると船団後方でレーダーが潜望鏡を捉えた。船団の真下を潜り込んだ別のUボートが、護衛をかいくぐって船団の後方に回り込んだのだ。Uボートの放った魚雷が船団に迫る。
魚雷はスレスレで輸送船の左横をすり抜けていく。他の魚雷も迫ったが、発射位置が後落していたためか、魚雷はいずれも命中しない。そしてこの攻撃でUボート2隻の位置がほぼ判明したので、船団は全速力でUボートから離れるべく移動する。さすがのUボートも高速航行する船団に追いつくことはできなかった。
このシナリオでの英軍の損害は衝突した輸送船と駆逐艦のみ。この2隻は恐らくUボートの魚雷によって撃沈される運命であったが、勝利条件的には英軍の勝利となった。
感想
古いゲームなので、細かい点はいろいろと「アラ」が目立つ。一番大きいのは輸送船団の回頭問題で、輸送船が自由に回頭できてしまうと、Uボート側にとって魚雷を当てるのが困難になる。だから輸送船団の回頭できる回数には、何らかの形で制約を加えた方が良いと思う。とはいえ、回頭回数が決まってしまうと、逆にUボートが相手の針路を読めるので有利になりすぎる。そこで例えば以下のようなルールはどうだろう?。1)輸送船はプロットの際にダイス(2d6)を振る。出目が10以上の場合は回頭命令を記入できる
2)DRMは、直前2Turn以内に回答を実施-2、Uボートを1隻以上探知+1、直前のTurnに輸送船に魚雷が命中+1
もう一つ、今回多発した輸送船と護衛艦の衝突問題。これは別にゲームの不備というよりはプレイヤーの慣れの問題ともいえる。とりあえず本作で護衛艦を担当する時には、輸送船との衝突にはくれぐれもご注意して下さい。(護衛艦からぶつかっていくことはまずないが、輸送船団から突っ込まれることが多い)。
一方で意外だったのは、本作のプレイ時間。慣れると1Turnがサクサク進み、全20Turnとかいう長期シナリオでも数時間あればプレイできる。最近のゲームはやたら時間がかかる作品が多く、1日で終わらないゲームが多いが、そういった意味で本作のプレイ時間の短さは貴重だ。
まとめると本作は、古典的な戦術級潜水艦ゲームとして独自の魅力を持ち、欠点はあるもののプレイしやすく、対戦時の盛り上がりは他の潜水艦ゲームにはない強みである。久しぶりに触れてもその面白さは健在であり、機会を見つけてぜひ再戦したいと思わせる作品である。


