
現代戦車戦ゲームの傑作「MBT」シリーズ。その拡張キットである「FRG」のソロプレイである。選択したシナリオは、シナリオ13「Over Hill-and-Date」。森林地帯を進撃するソ連軍増強戦車大隊。それを迎え撃つドイツ連邦軍は、最新鋭のレオパルド2A4戦車4両と歩兵部隊。西ドイツ軍にとっては、数少ない戦車数を歩兵で如何に補うかがポイントとなるだろう。なお、選択ルールは7.1士気ルールを除いて全採用としたが、ルールの適用を忘れている場合があるかもしれない。
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8Turn

ソ連軍に西ドイツ歩兵に対して猛烈な反撃を行ったが、2個分隊が制圧されたのみ。意外なほど頑強な歩兵なのであった。
僅かに生き残ったレオパルド1両は距離900m(9Hex)でT-64BVに対して徹甲弾を車体正面に命中させて、ようやく1両を葬った。動けるT-64BVは残り5両。それらの戦車はレオパルドを追い詰めようと間合いを詰めていくが、またもやレオパルドは巧みに森の中へ下がっていく。
9Turn

ソ連軍の攻撃。西ドイツ軍歩兵1個分隊が自走砲3両からの集中砲火を浴びて壊滅。別の歩兵1個分隊は戦車砲の攻撃で制圧された。奮闘を続ける西ドイツ軍歩兵だったが、徐々に戦闘力を失っていく。
10Turn

主導権は久しぶりにソ連側が握った。ソ連側はレオパルドを撃破できる千載一遇のチャンスが訪れた訳だが、果たして。
ソ連軍はレオパルドの撃破は狙わず、後退していく。レオパルドの両翼に西ドイツ軍歩兵が潜んでいるので、迂闊に近づいてパンツァーファウストの餌食になるのを避けたのだ。既にソ連軍は盤端に向けての突破態勢に入っており、各部隊は突破を成功させることを第一とした行動に移りつつあった。
11Turn

履帯に命中弾を受けて動けなくなった西ドイツ軍兵員輸送車(M113A1Gに)対してソ連軍歩兵が近接突撃を敢行し、これを撃破した。
12Turn

西ドイツ軍2個分隊がソ連軍1個分隊に突撃を敢行する。数に劣るソ連兵だったが、激しい抵抗を見せ、西ドイツ軍の半固分隊を道連れにした後、自らは玉砕した。
13Turn

ソ連軍の主力は続々と盤端を突破していく。レオパルドはバックしてそれを追うが、もう間に合わない。ソ連梯団の最後尾を移動していた自走砲3両に対し、高地に潜んでいた西ドイツ軍対戦車ミサイルチームがミラン対戦車ミサイルを放ったが、またもやミサイルは目標をそれた。
14Turn

レオパルド戦車が後退してソ連軍の後尾を追う。最後尾のT-64BVを捕捉可能なポジションまで移動。山の上で突破の援護にあたっていたBMP-1Pがそのレオパルドに向けて対戦車ミサイルを放ったが、当然ながらレオパルドの強靭な装甲は対戦車ミサイルを物ともしなかった。
15Turn
最終Turnである。最終Turnまできっちりプレイできるのが、VASSALソロプレイの良い所だ。対人戦だと時間の都合や大局が決した等の理由でなかなか最終Turnまでプレイできることはない。レオパルドは狙いを突破していないT-64BV 1本に絞った。突破さえ阻止すれば撃破したも同じ。T-64BVは突破するためにはレオパルドの視界内を横切るしかないのだ。
意を決したT-64BVは、レオパルドの目の前300mを全速力で横切っていく。それを待ち構えていたレオパルドは必中の射弾を放つ。命中率72%。
出目は"61"。ここまで命中判定の出目に泣かされてきた西ドイツ軍は、最後の最後に意地を見せた。そして撃破判定。
出目は"82"。え、"82"?。最初の"8"は命中個所の判定だから問題はない。車体側面の弱っちい装甲を120mm徹甲弾がバターナイフのように切り裂いた。
問題は次の"2"だ。これは撃破判定の出目。"1"ならNo Damage"、"2"ならDamegedだ。いずれにしてもKillしていない。
「まだだ、脱出判定がある」
そう。損傷した戦車で脱出判定に失敗すると、クルーが勝手に自車を放棄してしまうのだ。これに賭ける西ドイツ軍。
出目は"05"。ロシア人戦車兵たちは、戦車を捨てて脱出したのだ。これにより西ドイツ軍は最後の撃破戦果を上げた
結果
ソ連軍の損害
T-64BV 9両(2736VP)BMP-1P 2両(132VP)
2S1自走砲 1両(90VP)
歩兵分隊 1個(98VP)
西ドイツ軍の損害
レオパルド2A4 3両(1143VP)M113A1G 2両(114VP)
対戦車ミサイルチーム 2個(218VP)
歩兵分隊 1個(90VP)
突破に成功したソ連軍
T-64BV 3両(810VP)BMP-1P 7両(330VP)(VP対象は5両)
2S1自走砲 2両(0VP)
ZSU-23 2両(0VP)
歩兵分隊 8個(338VP)(VP対象は6個分隊)
突破に失敗したソ連軍
T-64BV 1両(203VP)ソ連軍:3043VP、NATO:3259VP
引分け
感想
プレイしている間はNATOの完敗と思ったが、引分けとは意外だった。ただソ連側が突破VPをもう少し効率よく突破していれば(つまり歩兵ではなく戦車、BMPを先に突破させること)、ソ連側の勝利は固かったかもしれない。その辺りも含めてソ連側は慎重な戦い方が必要であった。それにしてもレオパルド2A4は強い。正面からならT-64BVの125mm徹甲弾ではいかなる距離からも射貫けない。序盤にアッサリやられたのは、運用が不味かったから。その場に停止しているのではなく、動くことで相手の命中率を下げさて、こちらは優秀なスタビライザーの性能を生かして移動射撃で戦う。さらに相手が側面に回り込んできたら、移動によって後退させ、彼我の態勢を有利な状況にするべきだった。
それにしてもMBTシリーズは面白い。最初は米ソ関係の兵器した含まれていなかったが、続編の登場によって西ドイツ、英国が加わった。近々カナダ軍も加わるという。どんどん広がるPanzer/MBTの世界の今後に期待したい。




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