鉢形城は、応仁の乱と同じ頃に山内上杉家によって築城されたのが始まりとされています。
その後、河越夜戦に勝利して関東一円の支配を確立した後北条氏が鉢形城を支配し、北条氏康の四男である北条氏邦が入城しました。それから鉢形城は北条氏における北関東支配の拠点となっていきます。
1590年(天正18年)に豊臣秀吉による小田原進攻の際には、鉢形城は豊臣勢の総攻撃を受けることになります。豊臣勢の兵力は3万5千ともいわれていますが、鉢形城の城兵は氏邦以下約3千とされています。それでも鉢形城は1ヶ月間の籠城戦を戦い、最後は氏邦の決断で開城したとされています。
JR八高線/東武東上線/秩父鉄道の寄居駅から徒歩約25分。荒川の断崖絶壁の上に鉢形城があります。城の北西面には荒川が流れ、東側は深谷川が流れています。いずれも深い渓谷を形作っており、鉢形城自体がこれらの河川によって堅固に守られていることが理解できます。
城域の南西端に駐車場があり、そのすぐ先に鉢形城歴史館があります。歴史観の入場料は200円。鉢形城の歴史や後北条氏に関する展示物、鉢形城のジオラマ模型等が展示されています。歴史館を抜けて深谷川の峡谷を渡ると、鉢形城趾に出ます。城跡といっても真ん中に道路が走っていたり、シルバー人材センターがあったりします。道路のと荒川に挟まれた所が鉢形城の本丸があるところ。一番高い所からは眼下に荒川や寄居の街並みが見えます。
城の西側には二の丸跡や三の丸跡があり、大手門趾、諏訪神社などがあって、その外側にはJR八高線が走っています。城跡の中を汽車が走る光景も、また良しかな。
そんなこんなで1周歩けば小一時間はかかりそうな鉢形城。やや地味ですが、見どころの多い城でした。
お奨め度★★★
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