191020_OSSの教科書

OSSライセンスの教科書

上田理 技術評論社

OSS(Open Source Software)。ソフトウェアの重要性が叫ばれて久しいが、ソフトウェア開発の流れが大きく変わろうとしている。それがOSSの存在だ。OSSとは「規約さえ守れば、誰でも自由に利用できるソフトウェア」のこと。有名なLinuxやAppachはその代表例である。
OSSは「誰でも自由に利用できる」ソフトウェアなのだが、その前についている「規約さえ守れば」というのが曲者。実はこの規約が厄介なのである。
例えばLinuxはGPLと呼ばれるライセンス規約が指定されているが、この規約に従うなら、Linuxを使っているソフトウェアは、そのソースコードの一部を公開しなければならないのだ。趣味でソフトウェアを作っている日曜プログラマーは兎に角、企業活動の一環でソフトウェアを開発する場合には、「企業機密」が立ちはだかる。かといってOSSを無視したソフトウェア開発は非効率であり、やがてOSSを駆使する企業に駆逐される危険が迫っている。
本書は、OSSライセンスについて、一般的な内容から、Appachライセンス、GPLライセンスといった個々の事例まで掘り下げ、その内容を分かりやすく紹介している。本書を読めば、OSSライセンスの概要を知ることができ、また企業がOSSとどのように向かい合っていくかについてヒントを得ることができよう。

お奨め度★★★★

P.S. OSSの世界では「全て使う側の責任」という考え方がある。これはバグも含めて「作った側には全く責任がない」という考え方だ。このあたり品質を過剰に重視する日本人にはやや馴染めない所なのだろう。思えばウォーゲームの世界で、日本人にはあまり評判の良くない〇イボンバ氏がなぜ米国で高く評価されているのか。そのあたりにヒントが隠されているのかもしれない。