深海の使者

吉村昭 文春文庫

深海の使者 第2次世界大戦中、ドイツ・イタリア等と軍事同盟を締結していた日本は、ヨーロッパとの間での交通手段を確保すべく様々な手段を試みた。その主力となったのは潜水艦で、日本からドイツへ向けて計5隻が出発したが、うち3隻が無事ドイツに到着。しかし日本へ帰還できたのはそのうちの1隻に過ぎなかった。またドイツから日本に向けて2隻の潜水艦が出発したが、これもそのうちの1隻が日本本土に到着しただけであった。
本書は、主に潜水艦による日独往還を描いたノンフィクションである。ノンフィクションなので筆致は淡々としているが、その分だけ任務に就いた潜水艦の苦闘が伝わってくる。
なお本書では潜水艦以外の手段による日独連絡についてもページを割いている。それは長距離用航空機による日独間の無着陸飛行である。こちらは余り知られていない史実であるため、新鮮な驚きを感じることができた。

お奨め度★★★


深海の使者 高熱隧道 海軍乙事件 海の史劇
戦艦武蔵 陸奥爆沈 零式戦闘機 関東大震災