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欧州海域戦 「ソロモン夜襲戦」は、私が自作した水上戦闘ゲームです。テーマは太平洋戦争における水上戦闘で、1ユニット=1艦、1Turn=5分、1Hex=1500mになります。
「ソロモン夜襲戦」の入手方法は、 こちら をご参照下さい。

現在、姉妹編として欧州戦線版(仮称「欧州海域戦」)を準備中ですが、そのシナリオである「ラプラタ沖海戦」をテストしてみました。以下はその記録です。

シナリオの詳細

前回のテスト を参照して下さい。
前回からの変更点は初期配置。前回は英艦隊が単縦陣の状況から開始としましたが、今回は英艦隊が左右に分離した状況から開始することとしました。従って英艦隊は自然と史実同様の挟撃戦を行うことになります。
対する「グラフ・シュペー」(以下、「シュペー」)は左右どちらに舵を切るのか、いきなり選択を迫られることになります。

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Smokeあと勝利条件も明確化しました。英艦隊は2艦以上が中破したら負け。その前に「シュペー」を中破させれば勝ちです。「シュペー」側は自艦が中破させられることなく英巡1隻以上を中破させれば勝ちとします。
あと煙幕の効果も小さくしました。「ソロモン夜襲戦」では修正値-2でしたが、-1に変更します。現行ルールのままだと「シュペー」は煙幕を展開して逃げ回れば、英側にとっては打つ手がなくなりますので。とはいっても煙幕自体は実戦でも使用しているので、煙幕の効果を小さくすることにしました。今はシナリオ特別ルール扱いですが、標準ルール化するかどうかは検討中。

テスト

1Turn

GE_CA3a第1Turnは射撃フェイズから始まる。しかもCPの関係上、射撃を実施できるのは「シュペー」のみだ。「シュペー」は脅威度の大きい重巡「エクゼター」に向けて主砲・副砲による射撃を実施する。なお、今回の改訂として主砲・副砲で同一目標を射撃する場合は「集中射撃」ルールの適用外とする。

なお、現実に当てはめれば、主砲と副砲を同一目標に向けるのは頻繁に実施されているので、集中射撃の適用外とするのが合理的にも思えるが、これを適用すると戦艦が毎回副砲で射撃を行うことになり(その方が僅かながら有利になる)ゲームのテンポが悪くなる。従って標準ルール化するのは見合わせた方が良いというのが現時点での判断である。

「シュペー」は早くも射撃の腕の冴えを見せ、「エクゼター」に1発の28cm砲弾を命中させた。

2Turn

CW_CA15a英艦隊は速度を戦闘速度(約30kt)とした。「シュペー」は既に戦闘速度に達している。「シュペー」は史実通り左へ回頭して英艦隊と並行砲戦を企図する。一方の英艦隊は軽巡2隻を敵に向首させる。「エクゼター」が初弾発砲。しかし外れである。
「シュペー」は主砲を「エクゼター」に、副砲を「エイジャックス」に向ける。「シュペー」の副砲弾が「エイジャクス」に命中したが、「エイジャクス」の装甲がそれに耐えた。
「エクゼター」の主砲が「シュペー」を捉えた。2発が命中。「シュペー」の戦闘力に支障はなかったものの、「シュペー」に死傷者が発生する。
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3Turn

CW_CL35a英艦隊は左右から「シュペー」を両翼から十字砲火で包む。「エクゼター」の主砲弾が「シュペー」に命中。またもや「シュペー」艦上に死傷者が発生する。 一方の「シュペー」は右舷から近づいてくるハーウッド准将麾下の南米支隊第1小隊に射撃目標を変更する。主砲と副砲がハーウッドの旗艦「エイジャクス」に向けられた。28cm主砲弾1発、15cm副砲弾1発が「エイジャクス」に命中した。

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4Turn

TorpG7aAa「シュペー」は右から近づくハーウッド准将麾下の南米支隊との接近戦を嫌って左へ60度回頭する。これで南米支隊は「シュペー」の両側から目標を挟む形となった。「アキリーズ」の主砲弾1発が「シュペー」に命中したが、盲弾のため効果がなかった。
「シュペー」の射撃は「エイジャックス」をわずかに逸れた。「シュペー」は右後方から近づく英艦隊を牽制すべく魚雷を発射した。

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5Turn

「エクゼター」が16.500mから放った主砲弾の2発が「シュペー」に命中した。「シュペー」にとっては悪いことにその1発が「シュペー」の舵機室に命中。「シュペー」は航行の自由を奪われてしまう。

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6Turn

CW_CL34a「シュペー」の発射した魚雷2本が軽巡「アキリーズ」の艦首をかすめた。「シュペー」への追撃態勢を維持するため敢えて魚雷回避を無視して直進した英軍の策が図に当たった感がある。
「シュペー」の主砲が「エイジャクス」を狙ったが、またもや外れ。副砲弾の1発が命中したためようやく「エイジャクス」の速度を25ktまで低下させることに成功した。
しかし「シュペー」の抵抗もそこまでだった。速度の低下した「シュペー」に英艦隊の集中砲火が降り注ぎ、20cmっ砲弾2発、15cm砲弾2発が次々と「シュペー」に命中した。「シュペー」の損害ポイントは10ポイントに達して「シュペー」は中破。この時点で勝敗は決した。 

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感想

プレイ時間は記録時間を含めて約1時間。概ね良い感じにまとまってきた。記事にした戦いではいずれも英軍の勝利に終わったが、記録していない戦いでは「シュペー」が英艦隊を圧倒した例もあったので、バランス的には(イーブンではないにせよ)そこそこ良い感じになったと思っている。
今回「シュペー」の失敗は、ハーウッド本隊と正面から戦ったことだと思う。それよりも針路を北西方向に転じて「エクゼター」との並行砲戦を挑み、ハーウッド本隊に対しては煙幕を展張しつつ逃げの姿勢に入るのが良いように思う。
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欧州海域戦 ソロモン夜襲戦 海空戦南太平洋1942 Atlantic Sentinels
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