コロナの影響で暇な時間が増えたこともありますが、以前からやりたいと思っていたWW2海戦ミニチュアルール「Command at Sea」の和訳作業に着手しました。これは有名なHarpoonと同等のシステムを持つ海戦ゲームルール集で、WW2海戦における「ありとあらゆることがルール化されている」という触れ込みです。当然ルール量も多く、英文140ページ以上という膨大さ。1日1ページのペースで訳しても4ヶ月以上かかりますが、まあ、気長に翻訳しましょう。
本日は、そのCommand at Sea関係で新たに購入したサプリメント集を紹介します。これはいずれもWargame Vaultというサイトから購入したもので、電子媒体です。おかげで安価で大量のデータを入手できるのは有難いことですが、「衝動買い」で思わず沢山買ってしまうのは致し方ないかな・・・。
The Rising Sun
太平洋戦争初期の海戦を扱ったシナリオ集です。「真珠湾からセイロンへ、ミッドウェーからソロモンへ」ということで。真珠湾攻撃から北部ソロモン戦(1943年11月)までの期間を扱ったシナリオが用意されています。シナリオをいくつか紹介しましょう。
まず冒頭に出てくるのは"Air Raid Pearl Harbor. This is No Drill"。タイトル通り真珠湾攻撃を扱ったシナリオです。日本軍の兵力は攻撃本隊とそれを運んできた空母部隊、さらに真珠湾を取り囲む先遣部隊の潜水艦と甲標的を搭載した特殊攻撃任務の潜水艦5隻が登場します。とはいっても米軍の勝利条件は日本機の撃墜であって空母攻撃に非ず(やっても良いのかな?)。航空機も地上に置かれたままなので、日本機の的になって炎上するだけ、という展開なのかな?。
他にも多数のシナリオが収録されています。その多くは「珊瑚海海戦における米機動部隊への攻撃」等といった大きな海戦の一場面を描いたもので、例外的に南太平洋海戦のような空母決戦を扱ったシナリオもありますが、まともにプレイすれば恐るべきマンアワーが必要なことは想像に難くありません。
一方で水上戦のシナリオはそこそこ充実していて第1次ソロモン海戦とかサボ島沖海戦、第3次ソロモン海戦、さらにはコロンバンガラ島沖海戦とか第1次ベララベラ沖海戦といった中小規模のシナリオも用意されています。
面白い所としては、ウェーク島攻略戦とか、甲標的によるシドニー港襲撃とか、トラック近海での米潜アルバコアによる空母瑞鶴襲撃とか、他のゲームではシナリオにすらならないシナリオが収録されています。
まあ現実的なアプローチとしては水上戦シナリオか航空攻撃シナリオをプレイしてみて(これらならマスターなしでもプレイできる)、ルールになれたらマスター入りの潜水艦戦とか、ちょっとした作戦シナリオ(例えば米空母によるラバウル攻撃等)を試してみたいですね。
Rising Sun Form 10s
上記Rising Sunに登場する日米艦艇のShip Form集です。最初に購入した時、「しまった、間違えた」と思いましたが、よく見てみると結構有難い。艦艇のデータが1枚のシートにまとめられているので読みやすい。例えばこんな感じです。上の絵が従来のフォーム、下が新しいShip Formです。こういったフォームが日米合わせて300枚以上用意されているのだから、見ているだけでも楽しい。これで16ドルなら、十分「買い」でしょう。
Supermarina I/II
地中海における海空戦を描いたシナリオ集です。IとIIに分かれており、Iは開戦から1941年5月までの時期を扱っています。Iの期間では、カラブリア沖海戦とかマタパン岬沖海戦とかいった大規模シナリオや、タラント空襲だとかJu-87による英空母イラストリアス攻撃といった航空攻撃シナリオ、輸送船団を巡る戦い、さらにはクレタ島を巡る一連の戦い等が収録されています。中でもイタリアMAS戦隊による英巡洋艦部隊への襲撃等は、このシリーズでなければシナリオ化されなかったでしょう。IIは後半戦で、扱っている時期は1941年7月~42年8月で、マルタ島を巡る輸送船がメインテーマとなります。有名なForce Kの活躍を扱ったシナリオや英空母アークロイヤル撃沈に関するシナリオ、アレキサンドリア港襲撃戦シナリオ(こんなのシナリオにして面白いのかな?)、そしてハープーン作戦やペデスタル作戦に絡めたキャンペーンシナリオ等が含まれています。また巻末にはイタリア海軍の砲術技量について興味深い見解が披露されており、一読の価値があります。
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