「インペリウム」は、現在から約100年後を想定した星間国家間の戦争を描いたSFゲームである。
マップには太陽系を含む銀河系の一部が平面に描かれており、1Hexは0.5パーセク(約1.67光年)に相当する。また1Turnは地球時間の2年間に相当する。
今回、国際通信社から「インペリウム」が再版されたことを受けて、VASSALを使って早速ソロプレイしてみた。今回のルールは国際通信社の2019年度版(GDWの第2.0版に相当する)に従った。また選択ルールは使用しないこととした。
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第1次星間戦争(承前)
第4Turn(A.D.2119)
先の第1次シリウス星系会戦で大敗を喫した地球連邦軍は直ちに残存兵力を集めて反撃に出る。作戦終了直後にバーナード星に残された兵力は、空母2ユニット、軽巡1ユニット、ミサイルボート1ユニット、そして空母1ユニット分の艦載機に過ぎなかった。しかし幸い完成したばかりの偵察艦3ユニット、駆逐艦3ユニット、ミサイルボート4ユニット、艦載機2ユニットが艦隊に加わり、これによって地球連邦軍は一応帝国軍に勝利を期待できる戦力を再整備した。地球連邦艦隊はプロキオン星系へ逆侵攻。帝国軍の警戒艦隊を撃破して一応プロキオンの制宙圏を奪回した。しかしそれ以上の戦果拡張は行わず、プロキオン方面には戦闘機隊を配置して帝国軍の反撃に備える一方、主力艦隊はプロクシマ・ケンタウリ(Proxima Centauri 1506)に後退して帝国軍の反撃に対して逆撃を加える位置に布陣する。
果せるかな、帝国艦隊はバーナード星系とプロキオン星系の両面に対して侵攻してきたのである。バーナード星系に対する侵攻部隊は、惑星基地に隠れていたモニター艦が出撃してこれを撃退し。プロキオン星系に対しては再建された地球連邦艦隊のほぼ全てが出撃していった。
プロキオン星系に進出していた帝国軍前衛部隊(駆逐艦2ユニット)は鎧袖一触で撃破されたが、これが地球連邦軍を誘う罠だということは地球連邦軍も承知していた。しかしプロキオンを死守するため、不利を承知で全力出撃したのである。
果せるかな、帝国領内からは辺境防衛艦隊の主力打撃部隊がプロキオン方面に向けて進出してきたのである。地球と帝国の2度目の艦隊決戦は第1次プロキオン星系会戦と呼ばれた。そしてその戦いで再び勝利を得たのは帝国である。地球連邦艦隊は文字通り壊滅。帝国艦隊も全戦力の70%を失いながらもプロキオン星系の制宙圏は確保した。地球連邦軍にとって痛かったのは、空母が2隻とも沈没してしまったことで、空母艦隊に頼る地球連邦艦隊は、その再建に苦慮することになる。
第5Turn(A.D.2121)
プロキオン星系での戦いで敗北した地球連邦軍は、艦隊再建を急ぐ。しかし頼みの空母艦隊が壊滅してしまったため、まずはその再建を進める必要があった。また帝国の巡洋艦部隊に対抗可能なミサイルボートの量産も進める必要があった。従って現段階ではこれら艦艇の整備を急ぐ一方、プロキオン星系に対しては遠巻きに包囲し、敵の出方を見ることにした。プロキオン方面の帝国艦隊は、整備不良を恐れて軽巡1ユニットを残して後退する。それを見た地球連邦艦隊はプロキオン方面に全力出撃。重装甲の帝国巡洋艦に苦戦しつつも、最後は偵察艦のビーム射撃でこれを撃破。プロキオン方面の制宙圏を奪回した(第2次プロキオン星系会戦)。
地球艦隊はそのままプロキオンの大地に着陸。帝国軍はこれに対して積極的な行動を控えた。このTurn終了時に地球連邦と銀河帝国との間に休戦協定が結ばれた。
第2次星間戦争
開戦前の状況
前回の大戦では、アジッダ(Agidda 0813)星系を失った帝国軍の敗退という形で終わったが、地球連邦も2度に渡る艦隊決戦で大敗を喫し、宇宙艦隊の再建が急務の状況にあった。一方の帝国側は、時間をかけてじっくりと蛮族共を締め上げる作戦に出ていた。今回は休戦機関が短かった(1Turn=2年)ので、両軍とも退役艦はなし。地球側はモニター艦を建造してプロキオン(Procyon 2313)の防衛に回す一方、新たな前進基地をミッドウェイ(Midway 1916)とハデス(Hades 2317)に構築した。一方の帝国側は帝国領内に新たに4か所の前進基地を築いた。
第1Turn(A.D.2125)
僅か2年の休戦期間を経て地球連邦と帝国は再び戦端を開いた。今度は帝国軍が先に仕掛けてきた。まずは偵察艦と駆逐艦からなる先行部隊がアジッダとプロキオンに攻勢を仕掛けてきたのである。彼らは守備にあたっていた地球軍の艦載機(基地航空部隊か?)を撃破し、順当に制宙圏を握った。対する地球軍は帝国の挑発に応じる訳でもなく、プロキオン方面では新鋭モニター艦を発進させた。重装甲のモニター艦に対して帝国の駆逐艦や偵察艦の火力では対抗できる術もなく、瞬く間に撃破されてしまう。帝国軍はプロキオン方面に出撃してきたモニター艦を好餌と見た。重巡、軽巡各1ユニットをプロキオン方面に出撃させ、地球のモニター艦と対峙せしめた。その狙いはミサイル一斉攻撃。当たれば良し、当たらなければけつまくって逃げればよい。そしてその帝国お思惑は見事に的中した。地球軍期待の新鋭モニター艦は、帝国巡洋艦の一斉ミサイル攻撃を受けて、その威力を発揮する機会もなく、プロキオン星系にその巨体を没したのである。
モニター艦は戦闘終了後に惑星に着陸させることができる。それを怠ったので地球軍は貴重なモニター艦を失う羽目になってしまった。
アジッダ星系では、帝国軍第28降下猟兵師団が降下作戦を敢行した。降下作戦自体ば成功に終わったが、地球軍前進基地の激しい抵抗にあい、基地制圧には失敗した(防衛部隊に空間騎兵隊でもいたのだろうか?)。
困ったのは地球軍。アジッダを救援したいのは山々だが、兵力を2分する訳には行かない。バーナード(Barnard's Star 1113))星系に進出してきた帝国軍の偵察艦は、同地に配備されていたモニター艦がこれを撃退(偵察艦の火力ではモニター艦を撃破できない)。そしてプロキオン方面に対しては地球連邦宇宙艦隊のほぼ全力を向かわせた。中途半端な兵力を割いて各個撃破されるのを避けるためである。
プロキオン方面では、帝国軍の巡洋艦2ユニットを撃破。地球側も艦載機2ユニットを失ったが、地球側の勝利は明らかだった。同じ頃、アジッダ星系の地球軍前進基地が帝国軍に降伏した。
帝国軍は特に反応なし。地球艦隊もプロキオンに偵察艦を残し、主力は艦隊前線基地であるアルファ・ケンタウリ(Alpha Centauri 1506)星系に後退した。
つづく
インペリウム 日本語版
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