Guadalcanal 1942-43
Mark Stille Osprey
ガダルカナル島を廻る航空戦、特に日本軍基地航空部隊とカクタス飛行隊の戦いを追った著作です。オスプレイの他のシリーズと同様、全体的に記述はアッサリしていますが、数値面でのこだわりはかなりねちっこく、例えば11月14日の日本軍輸送船団壊滅(11隻中7隻が途中で撃沈破され、生き残った4隻も島の近くで全部沈められた)については、米攻撃隊と日本側CAP機の細かい編成と両者の損失が詳細に記載されています。これらの兵力や損害に関する数値について米側の数値はもちろん、日本側の数値についてもかなり正確で、本書を読むだけでガダルカナル上空の戦いの数値的な面を知ることができます。
空母戦についての記述が殆どないとか、ニューギニア戦線が無視されているなどの問題もありますが、逆に言えばテーマを絞り込んでコンパクトにまとめた良書と言えよう。英文も比較的平易なので、日本の読者にもお奨めしたいです。
お奨め度★★★★
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