Stalingrad42

コロナウィルスのおかげで所謂「ステイホーム週間」となった今年のGW。その期間を利用してVASSALを利用したビッグゲームの遠隔対戦を試みました。選んだゲームはStalingrad'42。青作戦からスターリングラード市街戦、さらにはウラヌス作戦までの期間を扱ったキャンペーンゲームである。参加者は5名。枢軸軍3名、赤軍2名である。下名は枢軸軍の南部を担当した。ロストフを経てコーカサスに向かうのが私の任務だ。
なお、当日の通信手段としては、Skypeの会議室機能を利用した。

1Turn(42/6/28-30)

序盤はミウス川対岸の陣地帯に対して攻撃を行う。2-1しかオッズが立たないので、航空機と砲兵支援を投入。4-1の比でさらに選択ルールxxを使って攻撃する。攻撃自体は成功したが、調子に乗って機動襲撃を仕掛けた所、まさかのEXを出してしまい、虎の子装甲師団がREM(基幹ユニット)化してしまった(涙)。

Turn01a


2Turn(42/7/1-4)

VASSALで「赤軍ユニットが突然消えて戦線に大穴が開く」という珍事が発生したが、何とかそれを乗り越えてプレイ継続。Krasnyy Luch付近でドイツ機甲部隊が赤軍歩兵3個師団を撃破。ミウス川東岸をロストフに向けて南下。前線の赤軍3個歩兵師団を包囲した。
他の戦線では枢軸軍の進撃が続いているが、EXやDRXの結果を食らって全部で装甲3個師団がREM状態に。今後の突進力に不安を感じる枢軸軍なのであった。

Turn02a


3Turn(42/7/5-8)

ロストフ北方で装甲部隊がソ連前線を突破。空の陣地を蹂躙しつつロストフ北東を遮断する。ロストフ西正面からは1-1の低比率攻撃。6の目を出してA1/D1の結果を得たが、断固たる防御に阻まれて前進できず。

[[ Turn03a ]]
Turn03a

4Turn(42/7/9-12)

ロストフ前面で突破戦闘。赤軍第7機械化軍団(7-5-5)を撃破して突破口を啓開。赤軍戦線の背後に回り込み、赤軍第23機械化軍団その他を包囲殲滅した。
北方ではヴォロネシ前面まで到達したが、ドネツ川の渡河には成功せず。

あとで振り返ってみると、この時ドネツ川を渡河しなかったのは失敗であった。3630-3731の渡河点はステップロスした1-3-3歩兵1個が守っている状態であり、そこに対して装甲1個師団とスロバキアの自動車化歩兵の共同で2-1攻撃が可能であった。航空支援をつけると3-1になるので、1の目でEXを出さない限り渡河点を確保できたのだが、何故かこの時は正面の機械化部隊攻撃に拘ってしまった。戦略的判断の難しさを痛感した。

Turn04a


5Turn(42/7/13-16)

ロストフ西面に対して攻撃を仕掛けるも、湿地の防御効果を見誤ったためにオッズ計算が狂って攻撃失敗。北東側を攻撃しておけば計画通り3-1のオッズが立っていたので攻撃成功であったものを・・・。

このTurnもドネツ川渡河のチャンスはあったが、オッズは1-1が精一杯なので、航空支援をつけても成功率は67%に留まる。ただ無駄な1-1攻撃で貴重な兵力を失うよりは、可能性がある渡河戦闘を行った方が良かったと思う。

Turn05a


6Turn(42/7/17-20)

枢軸軍がドネツ川の渡河にようやく成功した。またロストフ北東部では枢軸軍が3-1攻撃に成功。赤軍を後退させ、ようやくロストフへの攻撃態勢に入る。しかしこのTurnもオッズの読み誤りがあり、貴重な兵力を失ったしまった。

Turn06a


7Turn(42/7/21-24)

ドネツ川を渡った枢軸軍は、ドン・ドネツ川湾曲部を北上して赤軍防衛ラインの背後に回り込む。2ヵ所で戦線を食い破った枢軸軍機械化部隊は赤軍歩兵4個師団を包囲した。
ロストフに対する最初の攻撃がオッズ3-1で実施されたが、結果はEXで攻撃失敗である。

Turn07a


8Turn(42/7/25-28)

ドン・ドネツ回廊では枢軸軍の北上が続き、逃げ遅れた赤軍歩兵師団が次々と包囲されていく。包囲輪に捕まった赤軍歩兵部隊は孤立損耗で次々と消えていった。しかしロストフに対する2度目の攻撃は、3-1の戦闘比でDR2を出したものの、断固たる防御に成功されてしまう。せめて「部分成功」ならばロストフ陥落の可能性が見えてくるものを・・・。

Turn08a


今回はここで時間切れであった。2日間プレイし、実質的なプレイ時間は17時間前後である。1Turnの所要時間は2時間強であった。

なお、全体の戦局についても触れておく。
北部戦線では枢軸軍がSvoboda(2708)付近でドン川を渡河。橋頭保を広げていく。しかし要域ボロネジは陥落していない。VPを計算すると枢軸軍の獲得VPは計7点であった。青作戦シナリオの勝利条件は8VP以上なので、枢軸軍の敗北である。敗因は全般的な技量不足(ポカミスが多い)もあるが、早期にドネツ川を渡河しなかったことを敗因の1つとせねばならない。

Turn08b

Turn08c


感想

最初の1日目は予想以上に面白かった。遠隔地でも自由にビッグゲームを楽しめるのは良い。マルチプレイの問題もモジュールを少し修正すれば解消。ビッグゲームはこの方式でプレイするのも1つの選択肢かもしれない。

2日目のプレイでは正直な所、少々イラっとしたが、これはプレイスタイルの違いとしか言いようがない。自慢できることでないことは百も承知しているが、私自身はどちらかと言えば早指し派なので、無駄に時間を使っている相手を見るとイラつく。また(早指しであることを逆手に取って)こちらのポカミスを狙って罠にかけてくるようなプレイスタイルにも正直イラついた。後半の話は「ヘボの言い訳」とでも思っていただきたい。

なお今回はSkype会議室を使って会話したが、Skype会議室による会話内容は対戦に必要なものに絞り、いわゆる「おしゃべり」や「茶々」は控えた方が良い。通常の会話のような「多チャンネル」ではなく「単一チャンネル」になるので、関係ない話をすると会話が錯綜する。特にビッグゲームのようなマルチプレイヤーになると、複数人がバラバラにしゃべり始めると訳がわからなくなる。相手側のプレイヤーターンでは必要以外の事は話さないなどの配慮が必要だと思う。

ともあれVASSALを使ったマルチプレイヤーによるビッグゲームプレイについて曲がりなりにもプレイできることが判明したことは大きな収穫であった。機会があれば気の合った仲間とビッグゲームの多人数戦を楽しんでみたいと思う。