ウォーゲームで使われるマス目はヘクスと呼ばれる六角形のマス目が多い。その理由は例えば将棋などで用いられる四角形マス目(スクエア)に比べてヘクスの方が2点間の距離を精度良く表現できるからであろう。このあたりは、以前にPanzer誌だか何だかで書かれていたように記憶しているが、詳しくは覚えていない。
ところでこのヘクスについてだが、ヘクスの大きさと実際の地図上での広さとを対応付けるパラメータとして「対向辺距離」というものがある。これはヘクスの向かい合った2つの辺の距離が実際の距離で何メートル(キロメートル)に相当するかを表現したものである。例えば「対向辺距離=4km」と書かれていれば、ヘクスの向かい合った2辺の距離が実際の4kmになる。
この対向辺距離は、別の言い方をすれば、そのヘクスマップの「距離分解能」と言い換えることもできる。例えば「対向辺距離=20km」のゲームでは、2者間の距離を20kmの単位で丸めてしか表現できない。だからヘクスの対向辺距離は、そのゲームの空間的な再現性を検証する上で極めて重要な存在となる。
と、実はここまでは前フリの部分で、ここからが本題なのですが、ヘクスの対向辺距離に使う「単位系」に注目してみました。我々日本人はSI単位系の世界で生きているので、距離を測る時にはメートル法が基本です。余程の酔狂でない限り、日常生活でマイルやヤード、フィートは使いません。しかし他国では些か事情が異なり、マイル、ヤードが使われていたりします。
ウォーゲームの世界でも、我々は時折距離単位系について国際的なギャップに直面することがあります。私の好きなゲームにAH社のFlat Topという空母戦ゲームがあるのですが、このゲームの1ヘクス対向辺距離は20マイル(約32km)です。
「海戦ゲームならマイルじゃなくて海里(ノーティカルマイル)だろう」
と我々なら突っ込みたい所なのですが、こういった違和感を感じる例は結構多かったりします。
そこで今回、私の視点で見た「距離単位系の違和感」について書いてみました。
概ね中隊規模までの戦術級のゲームです。このクラスで使われている距離の単位系はメートルかヤードで稀にフィートが使われているぐらい。マイルが使われることは殆どありません。私的には、メートルが一番馴染みやすく、ヤード、フィートであれば少し違和感を感じます。
メートル(キロメートル)やマイルが殆ど。海里が使われている例を私は知りません。私的には、メートル、マイルいずれも可です。
キロメートルかマイルが殆ど。このスケールになると地図自体が抽象化されている場合があり、厳密な距離の単位系はあまり重要ではなくなります。
実は距離単位系は、二者の物理的距離が重視される海空戦ゲームでより顕著になります。戦術級海戦ゲームというのは、艦と艦が1対1で撃ち合うようなゲームで、亜流として潜水艦戦ゲームや空対艦攻撃のゲームなども含まれます。
このクラスのゲームでは、メートル(キロメートル)かヤード(キロヤード)が主流ですが、海里を使うゲームもあります。海里は1海里=2000ヤードで近似可能なので、ヤード系の亜流とも言えます。私的には、上記どれでもOKです。
いわゆる空母戦ゲームや大きなスケールで描いた艦隊戦ゲームです。このクラスで最も多く使われているのは、恐らく海里で、マイル(陸マイル)を使っているゲームもあります。メートル系のゲームは少数派かな?。日本機動部隊が75kmと言っていましたが、これは40海里をメートル法で表現しただけだし・・・。
私的にはこのクラスは海里以外は生理的に受け付けません。海でメートル法はないだろ。いわんや陸マイルを何で海で使うんだ・・・。
空戦ゲームといっても結構幅が広く、1対1のドッグファイトゲームから、Down Townのような作戦級に近い空戦ゲームもあります。使われている距離単位系は、メートル、フィート、ヤード、マイル、海里と様々。まさに千差万別です。個人的には1対1のドッグファイトゲームなら陸マイル以外なら何でも可ですが、作戦級に近い(つまり実際の地形を模した地図上で戦うゲーム)では、メートル法か海里が嬉しいですね。ドッグファイトゲームのAir Powerで陸マイルを使っていたのは少しぶっ飛びました。そういえばAir Forceの1ヘクスって何メートルだっけ?。
そんなこんなで宇宙戦ゲームの距離単位系は難しいのですが、例えば近未来に予想される宇宙戦を再現するゲームなら、距離はやはりメートル法(キロメートル)になるのかな。例えばガンダムのように地球と月の間が戦場になる場合、光秒(約300,000km)だと数値が小さくなりすぎるかも。
戦場がもう少し広がり、例えば「航空宇宙軍史」のように惑星間が舞台になったら、光秒でも良いのかな。
さらに「トラベラー」や「インペリウム」のように恒星間戦闘になると、光年とかパーセクというような大きな単位系が宜しいようで・・・。
私的には宇宙戦ゲームに深い思い入れはないので、何でも良いのですが、例えば「メイデイ」のようなゲームで光秒を使ってくれると、「目標まで3.2光秒」とかいって盛り上がるので嬉しいです。
メートル法が広く普及したのは19~20世紀と言われていますが、それ以前のゲーム、例えば日本の戦国時代を扱うゲームや7年戦争のゲーム等はどのような単位系を使っているのでしょうか。私の知る限りはメートル(キロメートル)、ヤード、マイル等、現在使われている単位系で置き換えて表現している場合が多いように思います。たしかエポック社の「関ヶ原」では「町」という単位が使われていたような・・・。
個人的にはこういった時代のゲームでは単位系に対する拘りはなく、取り敢えず「決めてさえくれればよい」というのが本音です。
ところでこのヘクスについてだが、ヘクスの大きさと実際の地図上での広さとを対応付けるパラメータとして「対向辺距離」というものがある。これはヘクスの向かい合った2つの辺の距離が実際の距離で何メートル(キロメートル)に相当するかを表現したものである。例えば「対向辺距離=4km」と書かれていれば、ヘクスの向かい合った2辺の距離が実際の4kmになる。
この対向辺距離は、別の言い方をすれば、そのヘクスマップの「距離分解能」と言い換えることもできる。例えば「対向辺距離=20km」のゲームでは、2者間の距離を20kmの単位で丸めてしか表現できない。だからヘクスの対向辺距離は、そのゲームの空間的な再現性を検証する上で極めて重要な存在となる。
と、実はここまでは前フリの部分で、ここからが本題なのですが、ヘクスの対向辺距離に使う「単位系」に注目してみました。我々日本人はSI単位系の世界で生きているので、距離を測る時にはメートル法が基本です。余程の酔狂でない限り、日常生活でマイルやヤード、フィートは使いません。しかし他国では些か事情が異なり、マイル、ヤードが使われていたりします。
ウォーゲームの世界でも、我々は時折距離単位系について国際的なギャップに直面することがあります。私の好きなゲームにAH社のFlat Topという空母戦ゲームがあるのですが、このゲームの1ヘクス対向辺距離は20マイル(約32km)です。
「海戦ゲームならマイルじゃなくて海里(ノーティカルマイル)だろう」
と我々なら突っ込みたい所なのですが、こういった違和感を感じる例は結構多かったりします。
そこで今回、私の視点で見た「距離単位系の違和感」について書いてみました。
戦術級陸戦ゲーム
概ね中隊規模までの戦術級のゲームです。このクラスで使われている距離の単位系はメートルかヤードで稀にフィートが使われているぐらい。マイルが使われることは殆どありません。私的には、メートルが一番馴染みやすく、ヤード、フィートであれば少し違和感を感じます。
作戦級陸戦ゲーム
メートル(キロメートル)やマイルが殆ど。海里が使われている例を私は知りません。私的には、メートル、マイルいずれも可です。
戦略級ゲーム
キロメートルかマイルが殆ど。このスケールになると地図自体が抽象化されている場合があり、厳密な距離の単位系はあまり重要ではなくなります。
戦術級海戦ゲーム
実は距離単位系は、二者の物理的距離が重視される海空戦ゲームでより顕著になります。戦術級海戦ゲームというのは、艦と艦が1対1で撃ち合うようなゲームで、亜流として潜水艦戦ゲームや空対艦攻撃のゲームなども含まれます。
このクラスのゲームでは、メートル(キロメートル)かヤード(キロヤード)が主流ですが、海里を使うゲームもあります。海里は1海里=2000ヤードで近似可能なので、ヤード系の亜流とも言えます。私的には、上記どれでもOKです。
作戦級海戦ゲーム
いわゆる空母戦ゲームや大きなスケールで描いた艦隊戦ゲームです。このクラスで最も多く使われているのは、恐らく海里で、マイル(陸マイル)を使っているゲームもあります。メートル系のゲームは少数派かな?。日本機動部隊が75kmと言っていましたが、これは40海里をメートル法で表現しただけだし・・・。
私的にはこのクラスは海里以外は生理的に受け付けません。海でメートル法はないだろ。いわんや陸マイルを何で海で使うんだ・・・。
空戦ゲーム
空戦ゲームといっても結構幅が広く、1対1のドッグファイトゲームから、Down Townのような作戦級に近い空戦ゲームもあります。使われている距離単位系は、メートル、フィート、ヤード、マイル、海里と様々。まさに千差万別です。個人的には1対1のドッグファイトゲームなら陸マイル以外なら何でも可ですが、作戦級に近い(つまり実際の地形を模した地図上で戦うゲーム)では、メートル法か海里が嬉しいですね。ドッグファイトゲームのAir Powerで陸マイルを使っていたのは少しぶっ飛びました。そういえばAir Forceの1ヘクスって何メートルだっけ?。
宇宙戦ゲーム
宇宙戦だとそもそも「史実」がないので、近未来戦かあるいはSF作品を土台にするしかない。さらにSF作品の場合、スペースオペラ的な作品では作品自体で距離単位が不明瞭な場合があり(1宇宙キロって何メートル?、Fラインの距離は?)、ヘクスの対向辺距離を云々してもあまり意味がない(でも、ガンダム系ゲームでは、実距離で再現して欲しかった・・・)。そんなこんなで宇宙戦ゲームの距離単位系は難しいのですが、例えば近未来に予想される宇宙戦を再現するゲームなら、距離はやはりメートル法(キロメートル)になるのかな。例えばガンダムのように地球と月の間が戦場になる場合、光秒(約300,000km)だと数値が小さくなりすぎるかも。
戦場がもう少し広がり、例えば「航空宇宙軍史」のように惑星間が舞台になったら、光秒でも良いのかな。
さらに「トラベラー」や「インペリウム」のように恒星間戦闘になると、光年とかパーセクというような大きな単位系が宜しいようで・・・。
私的には宇宙戦ゲームに深い思い入れはないので、何でも良いのですが、例えば「メイデイ」のようなゲームで光秒を使ってくれると、「目標まで3.2光秒」とかいって盛り上がるので嬉しいです。
昔のゲーム
メートル法が広く普及したのは19~20世紀と言われていますが、それ以前のゲーム、例えば日本の戦国時代を扱うゲームや7年戦争のゲーム等はどのような単位系を使っているのでしょうか。私の知る限りはメートル(キロメートル)、ヤード、マイル等、現在使われている単位系で置き換えて表現している場合が多いように思います。たしかエポック社の「関ヶ原」では「町」という単位が使われていたような・・・。
個人的にはこういった時代のゲームでは単位系に対する拘りはなく、取り敢えず「決めてさえくれればよい」というのが本音です。
コメント
コメント一覧 (2)
空戦(ドッグファイト系)ゲームでマイルを使うのは、戦闘機の速度単位がヤード・ポンド法だと一般に「マイル毎時(mph)」が使われるためです。レーダーの探知範囲や航続距離ではノーチカル・マイルが使われていたりするのでややこしいですね。ちなみに旅客機の速度性能は一般にノットが使われており…。やっぱりややこしいです。
もりつち
がしました