「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)で地中海の戦いを再現してみる。
挑戦するのは「カラブリア沖海戦」。イタリア側では「プンタ・ステロ沖海戦」と呼ばれる戦いだ。
今回、VASSALを使ったテストプレイを試みる。
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1Turn
このシナリオは英伊両艦隊が砲戦を開始時点で始まる。接触したのはお互いの巡洋艦戦隊で、英側が第7巡洋艦戦隊、伊側が第4,8戦隊だ。両軍とも軽巡4隻からなる。距離14Hex(21km)で6インチ砲にとっては最大射程に近い距離であったが、イタリア巡洋艦が腕の冴えを見せた。6インチ砲8門装備の軽巡「アルベルト・ディ・ジュッサーノ」が、英巡洋艦で最有力の大型軽巡「リバプール」(6インチ砲12門装備)に2発の6インチ砲弾を立て続けに命中させたのである。大落角で飛来した6インチ砲弾のうちの1発はこともあろうに「リバプール」の機関室で炸裂。「リバプール」の速度は一気に10ktに低下してしまう。
2Turn
英艦隊は厳しい決断に迫られた。速度の低下したリバプールを列外に逃がすが、それとも列内に留めるかである。英艦隊は「ネルソンタッチ」を選択する。すなわち「リバプール」は列内に留め、第7巡洋艦戦隊は全体の速度を15ktにまで低下させたのである。速度の低下した「リバプール」が集中砲火に晒される危険はあるが、6インチ砲12門搭載の有力艦を戦力外とするのを嫌っての決断だ。果せるかな・・・。
距離21kmで両軍の巡洋艦同士が砲火を交わしたが、今度はお互いに命中弾がなかった。速度の低下した「リバプール」も緊急回避によって「ジュッサーノ」の夾叉を躱し、一応危機を脱した形となった。
3Turn
英戦艦「ウォースパイト」が戦場に姿を現した。距離13Hex(約20km)から主砲による射撃を開始する。狙われたのは、先に「リバプール」に深手を負わせた軽巡「アルベルト・ディ・ジュッサーノ」。狙いが逸れて「ジュサーノ」のやや離れた海面に巨大な水柱を上げた。このTurn、英側も最初の命中弾を得ていた。軽巡「ネプチューン」の放った6インチ砲弾1発が、イタリア軽巡「アルベルコ・ダ・バルビアーノ」に命中したのである。「バルビアーノ」の損傷は軽微である。対するイタリア軍も、6インチ砲10門装備の大型軽巡「ルイージ。ディ・アブルッチ」が英軽巡「オライオン」に命中弾1発を与えていた。
4Turn
再び「ウォースパイト」の主砲が吠えた。巨大な15インチ徹甲弾が軽巡「アルベルト・ディ・ジュッサーノ」に吸い込まれていく。2発が「ジュッサーノ」に命中した。「ジュッサーノ」の速度は20ktまで低下し、列外に離れていく。また「ジュッサーノ」に続行する「アルベルコ・ダ・バルビアーノ」にも軽巡「ネプチューン」の放った6インチ砲弾が再び命中した。「バルビアーノ」の4番砲塔が破壊され、使用不能となる。イタリア軍も2隻の戦艦が戦列に姿を見せた。前巻「コンテ・ディ・カブール」は13インチ砲10門で軽巡「ネプチューン」を狙う。「カブール」は初弾から「ネプチューン」に夾叉弾を得て、2発が命中した。15インチ砲弾に比べると威力に落ちる13インチ砲弾であったが、それでも2発の命中弾は「ネプチューン」に無視できない損害を与えた。
5Turn
イタリア第4,8戦隊の巡洋艦4隻は随伴駆逐艦と共に一斉に左へ回頭する。さらに「アルベルコ・ダ・バルビアーノ」は煙幕を展張し、敵から姿を隠す。「ウォースパイト」は目標を戦艦「コンテ・ディ・カブール」に変更し。距離14Hex(21km)から15インチ砲を放った。「ウォースパイト」は腕の冴えを見せて1発が「カブール」に命中する。6Turn
イタリア戦艦2隻は左へ変針し、煙幕を展開しながら英戦艦の砲火を回避する。後ろから追いかける「ウォースパイト」は「コンテ・ディ・カブール」に対してなおも砲火を送るが、煙幕に阻まれて命中弾はない。その頃、後方から追いすがってきた英戦艦「マラーヤ」が距離14Hexにイタリア戦艦を捉えた。轟然と火を噴く15インチ砲。狙われたのはイタリア戦艦「ジュリオ・チェーザレ」。1発が「チェーザレ」の上部甲板に命中し、小規模な火災を起こさせた。7Turn
機関部に被弾し、速度低下を起こしていた「リバプール」が復旧した。速度も25ktまで回復し、戦列に復帰する。イタリア艦隊は巡洋艦隊が右へ変針し、英艦隊の左斜め前を圧迫するような布陣に展開する。また2隻の伊戦艦は単縦陣を維持したまま、サルヴォーチェージングを行って英戦艦の射弾を回避する。そこへ目がけて英戦艦「ウォースパイト」と「マラーヤ」、そして英第7巡洋艦戦隊の軽巡4隻が砲火を浴びせるが、わずかに「ネプチューン」が伊軽巡「モンテクッコリ」に対して夾叉弾を与えたのみであった。
イタリア側も戦艦2隻、そして新たに戦場に姿を現した第7戦隊の軽巡4隻が射撃を行うが、夾叉弾、命中弾ともになかった。
つづく
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