タンクコンバットシリーズ をプレイした後にプレイしたのが、Game Journal#60の付録ゲームである「本土決戦1945」(以下、本作)である。所謂「強襲システム」を使って1945年秋から1946春にかけて予想されていた日本本土決戦を陸海空で再現する。
本作の基本システムは、こちらの記事 を参照されたい。
今回の対戦では、選択ルールは一切使用せず、また下名は連合軍を担当した。
第1戦
連合軍は定番通り日向灘から南九州へ激しい航空攻撃を敢行する。日本軍は工場復旧に努めて戦力回復を図る。が、工場復旧は補給カードと同一なので、工場復旧を急ぐと前線部隊の抵抗力が落ちることになる。結局南九州は第1Turnに連合軍の手中に落ちた。続いて連合軍は四国沖から瀬戸内海に進入。北九州及び山陽地区一帯に空母艦載機による猛烈な航空攻撃を仕掛けてきた。対する日本軍は「奇襲」「夜襲」「電撃戦」の3カードコンボで米空母部隊に強烈な反撃を行い、その空母戦力に大打撃を与えた。しかし連合軍には「補充」カードがあって「やられてもやられても何ともない」(VPを失うが・・・)ので、折角沈んだ空母が次Turnには復活するという珍事に。これもまた日本軍得意の「大本営のホラ発表」というやつか・・・。
結局第3Turn終了時点で北九州と山陽の両方が連合軍苧手中に落ちた。この時点で連合軍と日本軍の保有カード枚数が8枚対4枚と差がついたので、一旦やり直すことになった。
第2戦
先に北九州と山陽を簡単に落とされたことに懲りた日本軍。逆に「四国なんて意味ないんじゃね」ということで四国の守りを弱くし、さらに関東地区から航空戦力と地上兵力を西方に移動させ、西日本の守りを固めた。これだけ固められたらさすがに落ちない。さて、どうしたものか。まず序盤は定石通り南九州を攻撃。日本軍は例によって工場復旧を行ったので、南九州は比較的容易に陥落した。しかし日本軍は復旧した工場から艦船群を復旧させて房総沖に展開させたので、関東地区への進攻がより困難になった。
日本軍が西日本をガッチリ固めてきたので、連合軍は北九州、山陽地区への進攻を諦めた(一時は原爆の使用も考えたが、それでも成算が立たなかった)。その代わり東海・関東地区への直接攻撃に作戦を切り替える。まず第2Turnに主力艦隊を遠江沖に進出させ、浜名湖付近から浜松方面への上陸を試みた。しかし日本側航空兵力の反撃(例によって「奇襲」「夜襲」「電撃戦」の3カードコンボ)で上陸船団が壊滅してしまったので、浜名湖方面への上陸は一旦頓挫した。
第3Turn、サイパンを発した上陸船団と空母部隊、そして遠江沖の空母部隊が房総沖に集結。同地の日本海軍残存部隊を一掃した後、関東地区に対する猛烈な航空攻撃を仕掛けた。航空兵力の大半を関西地区以西に配置していた日本軍はその攻撃に対処できず、遅まきながら航空戦力を関東地区に移動させようとしたが、時すでに遅し。相模湾から上陸した連合軍の虎の子3個機甲師団が一挙に帝都東京を占領。折角再建された工場を破壊した。
別に帝都が陥落しても日本軍は負けではないのだが、補給力2点を奪取されたのが痛かったらしい。これによりカード枚数が8枚と4枚になり、連合軍の優位は決定的となった。この時点で日本軍は連合軍との交戦を放棄。遅まきながらポツダム宣言の受諾を選択し、戦争は終わった。
感想
選択ルールなしでプレイすると、日本軍の不利は否めない。とはいえ決して絶望的な訳ではなく、粘れば(ゲーム上は)勝利のチャンスがあると思う。補給拠点をできるだけ保持するのが日本軍の戦略だが、そのためには「補給」カードによる持久戦が良策だと思う。またパスを多用してカードを先に使わせて、一方手札には「待ち伏せ」「迎撃」といったカードを含んでおけば、連合軍も攻撃に慎重にならざるを得ない。連合軍を惑わせて無駄な手数を使わせる。日本軍の戦略はそこにつきるのではないかと思う。ゲーム自体の評価だが、細かい点を見ると変なゲーム(艦載機の攻撃だけで地上部隊が一掃するとか、「補給」カード1枚で疲弊していた部隊が瞬時に回復するとか)だが、全体を見るとそこそこまとまっているから不思議である。前回紹介した「タンクコンバットシリーズ」とは真逆のゲームであり、どちらが良いかという点については「好み」としか言いようがない。私は、どちらのスタイルも完全には肯定できないが、ゲームとして遊べるという点でいえば、こちらのゲームに軍配を上げたい。
先にも書いた通り日本軍を担当してもやりがいのあるゲーム。今度は日本軍を担当して連合軍を苦しめてみたい。
つづく
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