In Passage Perilous

Vincent P.O'Hara; Indiana University Press

In Passage Perilous サブタイトルMalta and the Convoy Battle of June 1942が示す通り、1942年6月に実施された連合軍による2つのマルタ島輸送作戦(ヴィガラス作戦、ハープーン作戦)を中心に、マルタ島を廻る枢軸軍と連合軍の戦いを描いた作品である。テーマの中心はヴィガラス、ハープーンの両作戦だが、その前後に行われた作戦や戦い(例えば8月に実施したペデスタル作戦等)についてもそれなりにページを割いている。
本書は事実を淡々の記載していくスタイルであり、数値や艦名が冷静な筆致で書き連ねられている。勇敢な兵士や智謀に溢れる提督たちの姿は描かれておらず、事実関係が淡々と書かれている。従って文章も平易であり、私のような異国人であっても理解しやすい。
また比較的データが豊富なので数値面での検証を行う際には便利であり、なおかつ個々のデータについて元となる資料が示されているのは有難い。
付け加えると、筆者は1942年6月におけるイタリア軍について、「英海軍よりも有能でミスが少なかったことが勝利の要因となった」とし、イタリア海空軍の実力を高く評価している。イタリア軍といえば一般に低い評価がなされることが多いが、本書におけるイタリア海空軍に対する高評価は興味深い。
地中海の海戦に興味のある方であれば、一読して損はないと考える。

お奨め度★★★★

In Passage Perilous The U.S. Navy Ageinst The Axis - Surface Combat 1941-1945 Struggle For the Middle Sea The Gaeman Fleet At War, 1939-1945
Atlantic Sentinels