「欧州海域戦」(
「ソロモン夜襲戦」
の欧州戦線版)に「フランス海軍」を登場させたい。
と常々思っていた。
シナリオの概要が固まり、必要なユニット数がだんだん見えてくると、どうやら「ソロモン夜襲戦」と同じ仕様(カウンターシート1枚)で英独伊の主要3ヵ国以外に仏露2ヶ国の主要艦も何とか収まりそうであることがわかってきた。
それならばこの機会に欧州主要海軍国の主要艦はまとめて入れてみようではないか。これこそ「欧州海域戦」のタイトルに相応しい。まあその分、「ライオン」級戦艦とか、「H」級戦艦とかいった仮想艦はオミットさせて頂くことになるが・・・。
さて、フランス海軍が出てくるとなると、次に問題になるのはシナリオである。WW2におけるフランス海軍といえば、メルセルケビール海戦、ダカール沖海戦、カサブランカ沖海戦等が有名である。
ここでやや唐突だが、「欧州海域戦」における登場艦の選択方針について説明したい。大雑把に言えば、以下の方針で選別している。
1)WW2に参加した戦艦、重巡は原則として全艦ユニット化する。
2)軽巡についてはシナリオ上必要な艦は当然ユニット化するものとし、それ以外は将来の追加シナリオで必要になりそうな艦を優先的にユニット化する。
3)「ソロモン夜襲戦」で登場した艦は極力ユニット化しない。
1)2)は説明不用だと思うが、3)については特に英艦について艦の重複を避けたいという意味がある(「ソロモン夜襲戦」と「欧州海域戦」ではユニットに互換性がある)。これは両方を保有している方々に対してできる限り多くの種類の艦艇ユニットを提供したいためである。ただしシナリオ上特に重要な艦は、例外的にユニット化している。例を挙げれば、「プリンス・オブ・ウェールズ」や「エグゼター」等である。
話をフランス海軍に戻そう。
フランス海軍が戦ったメルセルケビール海戦、ダカール沖海戦、カサブランカ沖海戦のうち、カサブランカ沖海戦はまず候補からは外れる。主敵が米海軍であり、「欧州海域戦」に用意した米艦ユニット(エラッタ修正の他、戦艦「テキサス」、重巡「タスカルーサ」等を追加の予定)だけでは到底再現できないからだ。将来追加シナリオ用として取っておく予定である。
残る2つ。メルセルケビール海戦、ダカール沖海戦について。中でもメルセルケビール海戦はダンケルク級戦艦と英艦隊との対決という興味深いシチュエーションである。しかし問題があった。先の3)の条件に引っ掛かってしまう艦船が両方の海戦に含まれているのだ、メルセルケビール海戦での英軽巡「エンタープライズ」、ダカール沖海戦での豪重巡「オーストラリア」である。両艦とも既に「ソロモン夜襲戦」でユニット化済なので、今回ユニット化の予定はない。代用艦を用意するとか、特例でユニット化するとか、対策がない訳でもなのだが、まあ、超メジャーテーマでもないし、別冊用に取っておくのも悪くない。そう思ってこれらの海戦はシナリオ化を見送った。(興味ある方は自作してみてください)
とはいえ、折角フランス艦をユニット化するのだから、フランス艦の登場するシナリオも1本ぐらい用意したい。では何か良いシナリオはないものか。そう思って資料を漁っていると、面白そうなシチュエーションが見つかった。1941年6月頃に起こった中近東における英連邦とヴィシーフランスの戦いだ。
WW2の中でも欧州戦については「興味あります」程度の知識しかない私にとって、1941年6月における中近東の戦いなんて守備範囲外。人から話を聞けば
「そういえば、そんな戦いがあったようですね。大昔に購入したGDWのエウロパシリーズでそんなシナリオがあったような、なかったような・・・」
という程度の認識である。
だから戦いの背景についてはWikipediaレベルの知識でしかないのだが、そこでの海上戦が結構派手で面白い。何でも同海域に配備されていたヴィシーフランスの超駆逐艦2隻が、遥かに強力な英艦隊を相手に結構善戦しているらしいのだ。しかも当時は有名なクレタ島攻防戦の真っ最中。英地中海艦隊は非常に苦しい時期だったのだが、それでも恨み重なるフランス駆逐艦を撃滅せんと、なけなしの艦隊をシリア沖に派遣したらしい。ちなみにフランス超駆逐艦は40ktを超える快速を有しているので、英艦隊の追撃を余裕で振り切ったそうである。WW2で良い所が殆どなかったフランスにとって、胸のすくような話ではないか。
今回シナリオ化に選んだのは、中近東における英仏最初の対決となったシドン沖海戦である。これは上陸してきた英連邦軍(オーストラリア第7師団)に対する艦砲射撃任務に出撃したヴィシーフランスの超駆逐艦2隻が、その帰路に哨戒中の英駆逐艦4隻と遭遇したというもの。個艦性能ではフランス艦が優っているが、兵力では英連邦が優っている。その時の状況をシナリオの序文より追ってみよう。
1941年4月、イラクで反英クーデターが勃発した。ドイツはこの動きを歓迎し、ただちにヴィシー・フランス政府に対してベルリン、バクダット間の航空路開設のためヴィシー・フランス占領下にあるシリアの飛行場使用許可を求めた。ヴィシー・フランス政府はこの要請を受け入れ、5月9日にイラク北部のモスルへ向けたドイツ機がシリアで燃料補給を行った。
一連の動きに脅威を感じた英国は、中近東方面への軍事力投入を決意。イラクにおけるクーデター鎮圧を行うと共に、オーストラリア軍、インド軍及び自由フランス軍等からなる地上部隊が、6月8日にヴィシー・フランス領シリアへの侵攻を開始した。 同方面におけるヴィシー・フランス海軍兵力は、超駆逐艦と呼ばれる大型駆逐艦2隻とスループ艦1隻、潜水艦3隻等である。超駆逐艦とは、イタリア海軍に対抗すべくフランス海軍が整備を進めていたものだ、通常の駆逐艦に比べると砲撃力や速度が優っていた。
6月9日早朝、パレスチナ方面から北上中のオーストラリア軍に対する艦砲射撃任務に出撃してきたヴィシー・フランス軍の超駆逐艦2隻は、午後になってシドン沖で英艦隊と遭遇した。これはフランス艦隊を求めて哨戒中の英駆逐艦4隻であった。イタリア艦隊との対決を想定して建造されたフランス超駆逐艦が、初めてその威力を実戦で発揮しようとしていた。
(上記の序文、私の乏しい知識で書いたモノなので、間違いがあればご指摘くださいませ)
シナリオの説明は以上である。 次回 は、テストの状況について紹介する。



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